セリーグ3球団投手運用

 侍ジャパンのWBC世界一奪還から始まった今年のプロ野球ですが、あっという間にシーズンの半分が過ぎました。そこで個人的に気になったセパ3球団合計6球団の投手運用についてまとめましたのでご覧ください。今回はセリーグ編です!!!
 
 あくまで起用法について調べたものでありますので、試合を見る参考にしてもらえれば幸いです。

阪神タイガース

先発

阪神先発(右の数字は投げ切ることが出来たイニング)

 岡田監督の再登板でここまで首位に付けている阪神。

 投手力が魅力の阪神ですが、特に先発がイニングを稼げているところが強みであり、村上、伊藤将をはじめ、今季先発で登板した11人のほとんどが6回近くまでを投げ切っていて、先発、救援の防御率はどちらも2点台と圧倒的な成績を残しています。
 
 藤浪のMLB挑戦や青柳の不調などもありながらここまで好調なのは、現役ドラフトで獲得した大竹や才木、村上のブレークなど若手の台頭が大きいところでしょう。

 表から分かる通り基本的には中6日でローテを回していくのが特徴でこれまで中5日以下での起用はありません。

 QS率も驚異の67%と先発がゲームを作ることで中継ぎの負担を減らすことが出来ており、好循環が生まれているといっていいでしょう。
 
 大竹、村上が調子を落としてきたときに青柳をはじめ、どれだけローテーションを崩さずに行けるかが今後の鍵となるでしょう。

中継ぎ

阪神中継ぎ(右の数字は登板時の点差)

 登板数を見てみると岩崎、加治屋、岩貞の登板数がほかの投手に比べ多いのが印象的です。

 ファン目線では若手を使ってほしいと考えるところですが、彼らの年齢が30歳を超えていることを考えると、年俸を上げるためには中継ぎ投手は登板してなんぼのところはあるので、そういったことを考えると、若手を酷使するより中堅選手の登板が増えているのはそこまで気にするところではないと個人的には思います。

 また岡留の起用法ですが、基本的に一軍の登板がない投手は比較的楽な場面での起用が主流の中で、阪神は登板経験のない投手は基本ビハインドの場面で登板させています。

 同じく今季入団の富田も中継ぎとして投げた4試合のうち3試合はいずれもビハインドでの登板で勝ち越している場面での登板は一度もなく、岡留の一軍登録期間中はビハインドの場面でも1,2点差だったため起用が難しく、1試合で抹消となったのは致し方無いのかなといった印象です。

 阪神の中継ぎは登板経験のない投手は敗戦処理、一軍での登板がある投手は、接戦の場面で起用し、中堅はどんな場面でも投げるといった起用法になっています。

 登板数調べた3球団のうち50試合近く少なく、後半戦に向けて中継ぎの負担をどれだけ少なくできるか注目したいところです。

東京ヤクルトスワローズ

先発

ヤクルト先発(右の数字は投げ切ることが出来たイニング)

 セリーグ3連覇を狙ったヤクルトでしたが今季は苦戦を強いられています。

 昨季はゆとりを持ったローテを取っていましたが奥川や即戦力として期待された吉村の怪我などもあり、全体的に厳しい投手事情になっています。
 
 平均の投球数を見ても100球を超えた投手はおらず、かなり配慮した起用になっていますが5回を持たずに先発が降板する場面も多く、その分、イニング数を稼げていないため中継ぎに負担がかかっており、長い回を投げ切ることが出来るイニングイーターが必要といったことろでしょうか。

 また、谷間の投手がしっかり投げ切ることが出来ておらず、オープナーを積極的に使用していますが、先発の駒が足りていないのが課題となっています。

 後半戦に向けて吉村が二軍戦で復帰し、先日支配下に登録された山野や新外国人のロドリゲスなど期待できる部分は多く、好投を続けているピーターズ、小澤などうまくはまればAクラスも見え、来期以降の大きな戦力となるため、後半戦の活躍に期待したいところです。

中継ぎ

ヤクルト中継ぎ(右の数字は登板時の点差)

 マクガフのMLB挑戦で抑え不在で迎えた開幕でしたが、田口が守護神としてうまく穴を埋めています。
 
 しかしその田口の穴を埋める選手が出てきていないのが現状で、開幕時に期待されていた星などが期待に応えることができておらず、自由契約となったケラ含め、新外国人もなかなか戦力にはなっていないため、先発含め中継ぎも厳しい状況が続いています。

 ヤクルトは点差での起用の仕方が決まっており、勝ちパターンからビハインドの投手まではっきりしているのが特徴的です。

 またイニング消化のために回跨ぎを積極的に使っており、中継ぎの負担を減らすために配慮しているのが分かります。

 ただ木澤がビハインドや勝ちパターンでも登板して登板数が増えているのが少し気になるところで、全体的に連投の数も多く、中継ぎに負担がかかっているため、先日復帰した近藤や経験のある梅野や今野など中堅選手の起用の仕方が後半戦の鍵となるでしょう。

中日ドラゴンズ

先発

中日先発(右の数字は投げ切ることが出来たイニング)

 一軍二軍とも厳しい投手運用が続いています。

 先発は駒は少ないものの、小笠原、柳は平均6イニングを超え、涌井、高橋宏も勝ちに恵まれない中試合を作っており、先発は非常に強力です。

 特に小笠原は15登板中、14登板で5回以上を投げており、7回以上を投げ切ることも多く、リーグトップの103イニングを投げるなど苦しいチームを支えています。

 阪神同様に基本中6日ですが、谷間の選手が短い回で降板してしまうことも多く、新外国人のメヒアにかかる期待は大きいところです。

 ローテで回る小笠原、涌井、高橋宏、柳は球数がかかっても長い回を投げさせており先発に勝ちを付けさせたい気持ちもわかりますが、後半失速しないかどうか心配なところではあります。

 二軍をみてもTJ明けの梅津や若い根尾など無理はさせられない選手なので現状の先発陣で後半戦も戦うため改善は難しいところです。

中継ぎ

中日(右の数字は登板時の点差)

 開幕前にロドリゲスの亡命があり、かなり厳しい予想がされましたが、マルティネスが絶対的守護神として支え、今季ブレークの勝野や清水などの活躍もあり、救援防御率は阪神に次ぐ2点台のリーグ2位と頑張っています。

 ただ、一軍の登板経験があまりない勝野の登板数がここまで増えている点や、期待の松山もファームでやっていない回跨ぎを一軍でさせ、結果的に怪我をしてしまうなど先発同様に不安要素はかなり多く、ここに来て接戦時でチームを支えてきた祖父江も疲労が見えてきており、怪我人も多く投手起用も難しいところですが、投手の負担を減らすためにうまく回跨ぎを使うなど投手運用は見直す必要があると思います。

 中日は負けが先行していることもあって勝ちパターンの投手が接戦のビハインドの展開で投げることも多く、後半戦どう改善されるか気になるところです。

これにてセリーグ編は終わりになります。明日はパリーグ編をやるので、よろしければそちらもご覧ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?