協働的に教師が学ぶための要件とは?
あけましておめでとうございます。
いつも読んでいただいている皆様、今年もよろしくお願いします。
冬休みに息子がめちゃくちゃ喋るようになっていて(言っていることは全く分かりませんが)嬉しくなっているtonkeです。
さて。
今回は、僕が所属している「教師の学び」について考えるプロジェクトの年末のミーティングで話について、「協働的に教師が学ぶための要件とは?」というテーマで振り返っていきたいと思います。
12月「作家の時間」協議会での事故
僕は12月に「作家の時間」で研究授業を行いました。
その研究授業は、中堅者研修の一環で行ったもので、組織的な授業改善という視点があったものでした。
校内の先生たちに見ていただき、中堅者が協議会を運営して行うことまでがセットの研修になっていました。
その協議会で、色々あり、簡単にいうとうまく学び合うことができませんでした。(色々あったことは本題ではないので割愛させてもらいます。)
この事故をそのままにしていては、ただの事故で終わってしまうというコメントをプロジェクトメンバーからいただき、どうしたら今回のことが再び起きなくなるのか?という視点で話し合わさせてもらいました。
そこで出てきたことを一旦整理し、ここを起点にさらに考えていきたいと思っています。
教師の協働的な学びとは?
協議会でどのような状態になれば、互いに学び合っているのか?
それの問いについての仮の定義をしてみたいと思います。
「互いの経験・立場・こだわりを超えて学び合うこと。それらの違いの中で重なりを見つけることを通して、理解しあったり、対立軸をはっきりさせたり、現在地を知ったりすること」
まだまだ、検討する余地はあると思っています。
ただ、一旦これを定義してみて、次にこれを作り出すために必要な要件を整理してみます。
教師の協働的な学びを生むためにはどのような要件が必要か?
協議の枠組み・作法の設定
今回の協議会はどのような視点で話をするのか?それをはっきりさせていくことは、当たり前にしているようで、足りていないことでした。
協議の視点というものを指導案に書いてはいるものの、話し合う前にもう一度確認したり、可視化して参加者が意識することができるようにしたりすることも必要だったと思います。
また、協議の視点だけでなく、研究授業を参観する時や協議会に参加するスタンスを共有しておくことも必要かもしれません。
ミーティングで出てきたものをあげておくと
・授業は1事例として考えること(この授業がどうだったかという話で終始しない)
・相手の実践に寄り添い、授業者がどのように考えているのかを理解しようとする態度
・授業での子どもの実際の様子を見取ったことについて語り合う
さらに協議会のプロセスを工夫するという話も出てきました。
・協議会の初めに一人ひとりの今日のめあて(目的意識)を共有することで、何のためにこの場にいるのかを知り合う。それを通して、その場にいる人で形だけにならない本当に考えたい協議の視点ができるかもしれない。
・テーマを設定し、そのテーマについて自分の考えを持ってくることで、授業を見ていなくても語り合える場になる
・半分は授業のことについて話、残りの半分はテーマについて自分の考えを語り合うようにする
日頃からの関係性の土壌づくり
うまく対立ができない原因に、その人との関係性がうまくつくれていないことが原因なのではないかと感じました。
僕自身、教育観や実践が全く違う人と昨年度組んでいたのですが、その人とはしっかりと対立し、かつ物事を前向きに考えることができています。
それはきっと互いにリスペクトがあるからだと思っています。
そのリスペクトはどのようにしてできていったのかをミーティングの中で考えていました。
メンバーの一人が話してくれたことで、
「教育観が異なる人とは、全くべつのことで共通項を見つけていくことが大切だと思う。それは何でもいい。自分の子どものことでもいいし、趣味のことでもいい。どこかで共感できるところを見つけることで、バチバチやり合ったとしてもその後でフォローし合うことができる。」
この話を聞いた時に、自分の今までのことを振り返ると確かにそうだったなと思いました。
今まで、教育観が違う人で、しっかりと対話ができていた人はそんな関係性がつくれていたように思います。
また、自分の考えと違うことを言われた時に受け入れられるかどうかというのは、誰に言われるかという要素が大きいとも思いました。
関係性が全くなかったり、悪かったりする人に言われたことは全く受け入れられませんが、信頼していたり、尊敬している人から言われたことはすんなり受け入れることができます。
よく人によって態度を変えるな!とか先生モードで言ってしまうことはありますが、そんなことは嘘だと思いました。
「誰」に言われるか?「誰」が言っているか?がとても重要なことです。
その「誰」を作り上げていくのが日頃の関係性だと改めて実感しました。
継続した対話の場の設定
もう一つ重要だと、話に出てきたことは継続性です。
どんなにいい学び方をしても単発では中々効果が生まれません。
積み重ねていくことによって、その学校での文化が形成されていくのではないでしょうか。
だからこそ、その時間をどのように作っていくのかという視点も忘れてはならないと思いました。
現場が忙しすぎると、そんなことをやってる場合じゃないと思ってしまう人が多くなり、せっかくの対話の場がマイナス意識からスタートしてしまいそうです。
この継続性をどのようにつくっていくのかは、これからもっと考えていく必要がありそうです。
校内研の場をそのような対話の場に作り変えていくことができるかも知れないと想像だけはしています。
今回のミーティングはものすごく内容の濃いものになりました。
自分の事故を学びに変える場を作ってくださったことに本当に感謝です。
やっと前を向いて進んでいくことができそうです。