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救急車は有料化されるべきモノ
〜シンプルに考えよう〜:〜:〜:〜:〜
テクノロジーや政治や専門知識を省いて、難しいことを誰にでも分かりやすく!
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国内でも一部始まっている救急車の有料化。増え続ける救急搬送依頼に対応のため導入が拡大していく。
◆不要不急の救急車利用の増加
もちろん救急搬送すべてを有料化と言う訳ではなく、一定の条件をつけて有料化されるべきだと思います。三重県の例のように救急措置が不要な軽症の場合には課金するのも良いと思います。
何故なら、救急車が必要ない方々による乱用によってリソースが圧迫されているからです。
以前コンサルをしていた総合医療機関。業務プロセス改善のために数週間に渡り事務のスタッフとして実際のオペレーションを手伝いながら観察していた訳ですが、救急医療(ER)というのは日本の医療の課題を観察するためのベストなフィールドです。
救急病院と言うのは、余程医師、病床が一杯でない限り、原則、受け入れざるを得ないので、様々な歪みが集約されます。
観察していた期間限定のお話しですが、ERに自ら来院する受診者でも本当に救急対応が必要なケースはおそらく2割以下。殆どは数時間待ちで診察した後、やっても点滴程度で帰宅。あとは必要に応じて昼間の外来でフォローアップとなります。
そして救急車で搬送される患者ですが、これも本当に救急対応が必要な患者は2割以下。多くは診察だけで点滴も処方もされずに帰宅するのです。
雑感的には、騒ぐ患者ほど大したことはなく、救急医療の必要はありません。それでも本当にどうでもいい事で救急車を呼ぶケースが多いのが現状なのです。
◆救急搬送の負荷をあげる様々なケース
医療機関のスタンスとしての判断になりますが、いくつか課題となるケースを挙げると:
1.掛かりつけ患者のケース
掛かりつけのご高齢の患者さんですが、元々の自宅からの通院に時間が掛かるので、娘さんと一緒に近隣に引越してきた方。
その日も救急搬送されて来たのですが、通常は救急搬送を依頼した場合に搬送先の病院を指定出来ません。救急とは、一刻も早くその時間に受診できる医療機関への搬送が基本です。(ドクターの指示で救急搬送される場合は別)
本来ならこのように掛かりつけ医への受診希望の場合は、ご自身でタクシー等を手配して来院してもらうのですが、中途半端に近いためタクシーに拒否されてしまうとので救急車で当院に搬送して欲しいと。これでは救急車をタクシー代わりに、しかも無料で利用している事になります。救急車はタクシーではないので、掛かりつけ病院を希望であれば、介護タクシーを利用して頂くしかありません。
2.頻繁な救急搬送
頻繁に救急搬送されてくる30代女性。バスから下車時に足を捻った、蜂に刺されたなど、すぐに電話や交番駆け込みで救急搬送されて来ます。実は特にケガの何もないのですがすぐに救急車を要請してしまう。
この方、統合失調症を患っており何かあったら病院受診と言うのは問題ないのですが、問題は救急車で来院がデフォルトとなっている事です。
この方の当月の搬送は9回、前月も7回搬送されています。頻繁な救急車利用により、本当に救急搬送が必要な方への対応が遅れます。障害者手帳を持つ彼女の医療費負担は、せいぜい500円でしょうか?
それに対して稼働する救急隊員の人件費、医師のコストを考えれば、どう考えてもペイしません。差額はすべて公費として負担されるのです。
◆救急車は誰のため?
高齢化の進む社会。ご自分で来院する手段を持たない方々がたくさんいます。普段からの持病・既往症がある方こそ救急車を利用すべきです。
中には、医師で救急車で来るように指示しても、律儀に自力での来院を固持する方もいらっしゃっいます。
◆米国は昔から有料
元々医療費が高い米国。米国に20年以上住んでいる友人が渡米した当時に奥様が緊急搬送され点滴を受けた訳ですが、それだけで当時の金額で80万円以上の医療費が掛かっています。当然支払える訳もない訳ですが、渡米直後だったので海外旅行保険でカバーされたようです。
基本的にインシュランスプランを持たないアメリカ人は、まずは病院に掛からないで済むように生活しているのです。
日本でも今後は救急車の一部有料化や予防医療など、取り組んでいくべき問題となるでしょう。