年中休業うつらうつら日記(2023年12月9日~12月15日)
23年12月9日
昨夜の定例ZOOM飲み会、せいうちくんが眠たがっているので寝かしつけてからまた来ようと第1回目の終わりに抜けた。
1時間ぐらい経って見に行ったら、なんと全員いなくて終了していた!
最近、終わるのが早いなぁ。
夜が明けるまでエロ話に興じていたことなんか、もう夢のようだ。
ここひと月ほどGくんが元気ないのが主原因かと思われる。
そして彼が何で元気がないかと言えば、せいうちくんに「ハイエースの中古を早く探してくれ」と頼まれてるせいだと思う。
「やらなきゃいけないこと」が発生すると彼はぐんにゃりするのだ。
「やらんでもいいこと」は嬉々としてやるんだが。
というわけであまりGくんまかせにせず、年末に我々も埼玉に行ってGくんと一緒に中古車屋めぐりをすることにした。
現物を目の前にすれば「もう、こいつでいいや。買っちゃえ」ってなるかもしれない。
ハマり始めた車中泊の楽しみ、Gくんが飽きてしまわないうちに車買っちゃわなきゃ。
そんなわけで思わぬ早寝ができたんだが、朝はそうそう寝てられない。
年に2度の「柳家喬太郎さん」が地元に来てくれるチャンスを逃したくないからだ。
市民ホールでやるので、2人とも会員になり、一般より早い売り出しに全力をかける。
スマホを大型時計画面にして2台のPCの前に置き、10:00になった瞬間から猛烈な勢いでキーを叩き続ける。
普段は「混雑しています。あとで接続してください」をかきわけかきわけて10分ぐらいでなんとか2枚ずつ、友人の分も合わせて4枚取れるのだが、今回は気がついたらかなりあっさり取れていた。
2分で4枚。
さっそく落語会メンバーに「チケット取れました!」の報を入れ、彼らも大喜びしておしまい。
来年2月の話ではあるけど、楽しみだ。
恒例となっているそのあとの蕎麦屋呑みも。
ほっとして二度寝するかと思いきや、せいうちくんは明日の「保育園ママ友の会」のための買い出しに行くと言う。
元気な人だな。
困った時の手巻き寿司で、またそれで乗り切ろうと思ってるので、2つ向こうの駅のいい魚屋さんまで自転車で飛んで行った。
私はと言えば、
「ついでにパン屋さんで総菜パン買ってきて」と寝たまま頼む。
すごい行列ができてることは容易に想像がつくのに、私ったら、鬼だなぁ。
せいうちくんがすべての買い物を終えて帰ってきたのが3時間後ぐらい。
いったん魚類を冷蔵庫に入れて、来週の食糧の買い出しにまた出かけるんだって。
本当にまめな人だ。
15日に13,14巻同時発売で終わる九井諒子の「ダンジョン飯」をそろそろ1巻から読み返しながら、ぼーっと待ってるだけの私である。
いやー、最近、マンガ原作のドラマが面白いんだよね。
前はかなり強固な原作派であったが、キャスティングがよかったりするとドラマの方に軍配が上がることもしばしば。
「パリピ孔明」なんてその典型かも。
「セクシー田中さん」や「やわ男とカタ子」なんてのもそうだな。
「やわ男とカタ子」はもうドラマは終わってしまったが、原作マンガはまだ続いている。
せいうちくんに、
「おーい、ドラマではやっと付き合い始めた2人だけど、マンガの方ではやっちゃうとこまで行ってるよー」と余分な情報を垂れ流すおまけつき。
「セクシー田中さん」はドラマもまだ継続中なので、原作マンガは終わってから読もうと思ってる。
「大奥」も、あとほんの少しのガマンだ。
23年12月10日
今日は子供たちが保育園の頃から親しくしているママ友たちとの「忘年会」。
2歳や3歳だった子たちがもう30歳を越えつつあるのに、毎年1回ぐらいは5、6人で集まっている。
今回もせいうちくんと私を入れて7名だった。
いつもはお店でやるので、皆さん、うちに来るのは初めてだ。
コロナで満足なオープンハウスができてなかったから、嬉しいなぁ。
9時に起きたせいうちくんはせっせと掃除をし、11時に起きてきた私は寿司飯の炊き上がり具合を見て酢飯を作る。
掃除が終わると家具の配置を変え、大勢がテーブルにつけるように家中の椅子を出してきた。
せいうちくんは魚やカイワレ、しそ、きゅうりなどはもう切ってしまって冷蔵庫にしまってあるそうだ。さすがだ。
13時開始の予定だったが、Mちゃんママから連絡があり、少し早く着くと言う。
大丈夫、こっちは準備万端だよ。
「明るい、いい部屋だねぇ」と言いながらコートを脱ぎ、あれこれ話してる間に残りの4人が団体さんでやってきた。
皆さんいろいろおつまみやお料理を持ってきてくれたので、まずはそれを出して、ビールを飲み始める。
9月に結婚式を挙げたRくんと11月に挙げたうちの息子に皆さんおめでとうの声をあげてくれた。
全部で6人の子供の親が集まり、男子で結婚してるのはRくんとうち、女子はまだいない。
普段なら来て酒豪ぶりを発揮してくれるママが都合が悪くて来られなかったのだが、彼女の娘はもう2回結婚して2人の子供を産んでいる。
人生の2周目に早くも入った、って感じだ。
今日、親が来ていた中ではMちゃんとAちゃんがまだ結婚してないが、Aちゃん妹のYちゃんは結婚したそうだ。
どの家もそれぞれおめでとうございます。
日頃まんがくらぶの人としか接点がないので、保育園(当然母親も働いてる。病欠のうちは例外)のつきあいは勝手がわからない。
Mちゃんが2.5次元の人になってしまったので結婚するかどうかアヤシイ、と言ってるMちゃんママと「刀剣乱舞とか?」「それそれ!」「腐女子なの?」「そこまではわからない」といった会話をするのが精いっぱい。
結婚式に呼んだり呼ばれたりしたRくんと息子以外に、JくんKくんもいた。
今日集まってる男子の母は、息子たちが全員結婚式で何度も会っているわけだ。
手巻き寿司を食べながらそんな話をし、会場からRくんが我々の「糸」の録画を即座に送ってくれて、
「もう私、泣いちゃったわよ~!」と言うRくんママは我々の生演奏を期待していたらしい。
そんなの、式が終わって2週間弾かないでいたらすっかり忘れたよ!
ノートPCからリビングの大きいテレビに映した画面でまずは写真を披露。
「へえ、こんなイベントスペースでやったんだ」
「手作りの結婚式なのね」
「わー、息子くんが真面目な顔してる~」
で、お互いよその子供たちにはもう何年も、どうかすると10年単位で会ってないので、息子が3人そろいのかりゆしを贈ったのを着た彼らの写真になると、
「大きくなったわね~」
「少し太った?」
「ずいぶん雰囲気が変わったわねー」と保育園時代に記憶は跳んでいく。
Rくんが中学入学を機にお母さんの実家の千葉に移った以外は(今日も千葉から来てくれてるRくんママ)、みな中学いっぱい一緒にいた幼なじみ。
よくうちのリビングにたまっていつ果てるともなくゲームをやっていたもんだ。
「私たちも歳をとるわけよねー」と皆さんほろり。
Rくんママご所望の失敗してやり直した(チューニングがずれていた)部分も含めての10分間のフル映像を見ていただいた。
「RくんやSくん、Kくんは何もしなかったの?歌でも歌えばよかったのに」との声多数。
そうなんだよ、スピーチはくじ引きでその場で決まったから、あまり息子と縁のない人で、如才なく「おめでとうございます」と言うだけのスピーチだった。
しまったなぁ、事前に3人と話す時間はたっぷりあったんだから、昔からの話でスピーチをしてやってくれ、と頼めばよかった。
どうせ式次第なんかない自由な式だったんだから、「やりたい人がやりたいことを書きこんでください」の「オープンマイク」のリスト黒板に、「スピーチ/保育園仲間たち」って勝手に書いてもよかったんだよ。
ついでに「てんとう虫のサンバ」を歌ってもらうとか…あの夫婦は絶対人前で口づけなんかしないだろうけど。
ああああ、しまった。惜しいことをした。
驚いたことにRくんママは息子の結婚式の写真を一枚も持ってこなかったんだって!
うちみたいに前夜から準備している親もいるのに、綺麗に子離れしていてうらやましい。
なぜか近所の医者の話で大盛り上がりを見せる。
「I医院の先生は怖い」
「いや、最近は優しくなった」
「夫婦でやっていたS医院は、お嬢さんがお母さんのあとを継いで父娘でやっている。奥さん先生はお加減が悪いそうだ」
「小学校のプールの季節になるとちょっとでも異常のある子はM耳鼻咽喉科に行かなきゃいけないくて、そうすると必ず『K大学病院でレントゲンを撮ってきてください』って言われた。時間かかるのよね、大学病院は!」などなど、子供が小さい頃から医者にはお互いさんざん連れて行ってるから、どの病院にも詳しい皆さんなのであった。
あまりママ友づきあいしてこなかった我々でさえ、熱を持って参加してしまう話題だった。
日曜の午後だからか皆さんお酒もおとなしく、13時に始まって16時に終わる穏当な会だった。
Mちゃんママの持ってきてくれたおつまみを出すのを忘れてたとかいろいろ不手際はあったが、なんとか無事に終わった。
さすが元の学区からひと駅だ。
それでも人に会うと気を張り過ぎて疲れてしまうので、速攻でベッドに行って、せいうちくんにしがみついて泣きそうになっていた。
「友達にはね、会いたいんだよ。でも、どういう距離がどういう友達で、何を話していいかわからないんだよ」
あああ、還暦過ぎて、まだこんな厨二病みたいなこと言ってる。
「立派なホステスだったよ。素敵な会で、みんな、喜んで帰ったよ。うさこはよくやったよ」と、こういう時の私の扱いに慣れているせいうちくんがゆるゆると慰めてくれた。
18時からはNHKBS4Kで「どうする家康」のラス前回を観て、満足して早寝することに。
明日は蝶の内視鏡で夜は絶食で下剤を飲まなきゃいけないせいうちくんはトイレと寝室を行ったり来たりしながら21時ごろには寝た。
私は結局3時ごろまで起きていた。
23年12月11日
今日はせいうちくん、人間ドックで腸の内視鏡検査を受けるので、前夜から下剤を飲み、朝は早起きして2リットルの水に溶かした下剤を2時間かけて飲んでいた。
当然昨夜の夕食は抜きなのだが、昼間は「保育園ママ友同窓会」でフツーに「手巻き寿司」とか食べていた。ダメじゃん。
私のかかりつけの内視鏡クリニックは前日の検査食を半ば強制的に買わされるんだが、どうもそういうものは用意されていないらしい。
ちなみに吝嗇で名高い長老は、同じように検査食を1500円ぐらいで買わされそうになった時、きっぱりと断って自分でお粥やウィダーインゼリーですませたらしい。
そこで断る勇気がない自分が恨めしい。
夜中に何度もトイレに走り、朝は朝でトイレに通いながらテレワークしていたせいうちくん、無事に検査を受けてきて、特にポリープをいきなり切られるような目には遭わなかったらしい。
私は血液をサラサラにするワーファリンをのんでいるので、もしポリープが見つかってもその場で切る簡単な処置ができず、入院してヘパリンという効き目のすぐ切れる薬に換えてからの切除になる。
なので、毎回ポリープが見つかりませんように、と内心で祈っているよ。
せいうちくんは軽い鎮静剤を入れただけで記憶がなくなり、気がついたら検査は全部終わって休息用のベッドで目覚めるらしいが、私は少しぼーっとするだけで、記憶も意識もはっきり保っている。
モニタに映る自分の腸壁をじっくり眺め、時々手の指を動かして10本数えられるか試してみたり、足元のところに座っているせいうちくんの膝を足先でつついてみたりするゆとりがあるぐらいには覚醒している。
多分、普段から神経系の薬を大量にのんでいるから鎮静剤があまり効かないのだろう。
しかしその代わり、ドクターが管をぐいぐい押すと「押されてるなあ」とは感じるし、
「未消化の便が少し腸壁についてますね。水で洗いましょう」なんて言われ、せいうちくんにもそれを見られるというような恥ずかしい目に遭う。
夫に腸壁にへばりついた便を見られる女。生き恥だ。
検査後も、もうすぐに歩いて帰れる気がするんだが、看護師さんが絶対に規定時間内は寝ている以外許してくれなくて、30分ぐらいものすごく退屈な時間を過ごすことになる。
付き添っているせいうちくんと話そうと思っても、彼は私の足元でベッドに突っ伏してうたた寝をしていたりする。
人体は本当に不思議だ。
精妙にできており、水分と栄養と空気を与えていれば勝手に細胞分裂して死にゆく細胞の欠員を埋める。
肝臓は化学工場だし、腎臓は細い細い糸の集合体で不純物をろ過して尿を作る。
心臓はただの筋肉のかたまりなのに、受精して発生して以後、死ぬまで(普通は)いっときも止まらず動き続けている。
私は心臓に少々難があり、7年前に弁と大動脈を人工物に置換する手術を受けたが、途中は人工心肺を使い、その人工心肺ですら止めての数分があったと聞く。
深い全身麻酔に入っていたので特に彼岸に渡る夢をみたりはしなかったが、ある種の臨死体験かも。
不具合な部分は取り換えてOKだけど、執刀医がのちにせいうちくんに語ったところでは、
「色も動きも悪い心臓でした」と魚河岸で買いたたかれそうな感想だったようだ。
今も心筋のパフォーマンスは悪く、最悪、拡張型心筋症の疑いが晴れないが、この歳まで生きれば心臓移植だバチスタだと言う前に寿命が来るんじゃなかろうか。
老人ホームを探してみたりしていると、寿命は早いとこ尽きた方がいいような気がする。
23年12月12日
精神状態が悪く、1日、薬をのんで寝ていた。
こういう時は「アフロ田中」シリーズを読むに限る。
息子の結婚式が終わってから、ずっとぐんにゃりしている気がする。
お正月には夫婦で2泊していってくれるそうだ。
息子はともかく、Mちゃんは気を遣うし退屈だろうな。
一緒に映画を観ようと思い、ラインナップを選んでいるが、今回は古いものシリーズで黒澤とか小津とかを観せたい、とせいうちくんは言う。
「東京物語」とかかしらん。
彼らの方でカメラマンが撮ってくれた写真とか、できていたら見せてくれるかも。
いずれにせよ、今後どうするのか一応聞いておかないとなぁ。
ワーキングホリディ―で3月ごろから1年間カナダに行く計画だと聞いているが、今住んでいる部屋のものは全部処分しないといけない、とMちゃんが言っていた。
本と本棚ぐらいならうちで預かってもいいと思っていたが、どうしても手放せない本は持って行けばいいし、息子の本棚はほぼうちにあるのとかぶってるマンガばかりだ。
何なら自炊してあげるよ、と言ってみるか。
23年12月13日
ついによしながふみ原作のドラマ版「大奥」が第二部の最終回を迎え、堂々のフィナーレだった。
途中で何度も涙ぐみ、よしながふみにはいっそ何か勲章みたいなものをあげてもらいたい。
それほどいい出来だった。
京から兄の代わりに「とりかえばや」でやってきたち「和宮さん」の哀しい事情とか、家定の形見の懐中時計を投げ捨てた胤篤の代わりに拾い上げて、いつかお返ししようと思ってずっと懐にしまってあった瀧山を、その時計が自刃の危機を乗り越えさせてくれた。
「生きて、天璋院や宮さまを守ってくれ」という家定のメッセージなのかしらん。
岸井ゆきののキャスティングが最高だった。
傲慢で怖いもの知らずの彼女が、次第に家茂に心を寄せて行き、ついには「ずっとそばにおって!」と泣き叫ぶ。
彼女の演技は素晴らしかった。
「水野編」と「医療編」と「幕末編」に分かれているわけだが、特に幕末編は、まったく男女の色恋が関係なく、直接の特別な関係を持っているのではない家茂、天璋院、和宮、瀧山がそれぞれを思いやり、国や民のことを一番に考えて一緒に行動しているところが感動的だった。
よしながふみの作品はいつも「人が人を大切にし、生活を愛おしむ」というテーマに満ちていると思う。
全19巻を読み返した。
やはり青沼さんと源内さんが好きだ。
医療編をもっと濃ゆくやってくれたらよかったなぁ。
源内さんを演じた女優さんがとてもよかった。
よしながふみは連作短編集「環と周」を出したが、春からの新連載はどんなんだろう。
早くも楽しみでしょうがない。
BL時代の彼女も好きだし、「愛すべき娘たち」や「フラワー・オブ・ライフ」全4巻も好き。
「西洋骨董洋菓子店」のドラマ化は嬉しかった。
椎名桔平、藤木直人、阿部寛、滝沢秀明と、目も眩むような当代の美男が働く、奇跡のように美味しいケーキ屋さんの話。
「アンティーク~西洋骨董洋菓子店」というタイトルでDVD化されている。
しかし今ではもう手に入らない。
高かったが、買って、同じく大ファンのH夫人にプレゼントしたので、今でも貸してもらえば観られる、というのが唯一の救いだ。
BLマンガ家から、人生を深く語ってくる作家さんが増えているのは誠に頼もしく、嬉しい。
私自身、できればもうちょっと腐ってみたいと思うのだが、なかなか本格BLは難しくて、まだ選び方がよくわからない。
最近買ったマンガで下瀬川ひなるの「おしえて!BLソムリエお兄さん」という作品(既刊3巻)は、ソムリエがBL好きなのかと思ったら、文学作品を何もかもBLで読み解く話だった。
「漱石の『こころ』は『先生総受けのメリバBL小説です』とか「あなたは、『山月記』をBLだと想えますか?」とか「ホームズとワトソンの関係に萌えたことありませんか?」などの興味深いアオリが大書してある。
この歳だと「腐女子」は無理で、「貴腐人」になるしかないので、精進したい。
23年12月14日
明日、九井諒子の「ダンジョン飯」13巻と14巻が同時発売されて完結するらしいので、1巻から読み返して備えている。
数あるダンジョンものの中で、これと一智和智の「便利屋斉藤さん、異世界に行く」(既刊9巻)が好きだ。
齋藤さんは、kindle Unlimitedで外伝が読めるし、「やさし異世界」もコミックスにしたら薄いんだろうが全25巻が無料で読める。
なぜか「0円で販売」されているのだ。
Twitterからファンになったが、実に良いマンガ家さんだと思う。
そう言えば、今年も出た、「このマンガがすごい!2024」。
オトコ編とオンナ編の上位20作ずつの中で、買ってるものは6作ずつ、買いたいなと思っていたものがオンナ編に2つあった。
わずかにだが最近のトレンドを自力で発掘したと喜んでいる。
「大勢の人が読んでるからと言って名作とは限らない」と厳しい友人には言われるが、作品数が膨大すぎる現代、こういうカタログが必要になってくるのはしょうがない。
驚くポイントはいくつもあって、おかざき真里の「胚培養士ミズイロ」がオトコ向け上位に入るとは思ってなかった。
男性も妊娠・出産に興味を持つようになったのかな?
受精にしか関与してないけど、生まれたあとも頑張ってもらいたい。
不妊治療はまず男性からやるべきだろうと常々思っている。(簡単で、痛くもかゆくもない。むしろ気持ちいい?)
おかざき真里は「阿・吽」(全14巻)から入ってしまった人が多すぎて、その前の働く女性を描いた「サプリ」(全11巻)や「&」(全8巻)を読む気がしない、という声をよく聞く。
「かしましめし」(既刊6巻)からなら入ってくれるかもしれないが、OLものも読んでみてほしい。
絵の上手さやコマ割り、ストーリー作りの達者さは「阿・吽」に勝るとも劣らないと思うので。
あと、高松美咲の「スキップとローファー」(既刊9巻)は完全に女の人向けだと思ってたのに、なぜかオトコ編に。マンガもジェンダーレス化してるのか?
田沼朝の「いやはや熱海くん」(既刊2巻)とか地球のお魚ぽんちゃんの「霧尾ファンクラブ」(既刊3巻)はマイナー作品だと思って買っていたのに、こんなに人気があるとは!
また、久々の新作「艮(うしとら)」で14位に入っている、旧世代に属するだろう山岸凉子もスゴすぎる。
萩尾望都が「ポーの一族」の続編「春の夢」「ユニコーン」「秘密の花園」「青のパンドラ」と書き続けているのを、同年代の友人たちがほぼ知らないのは非常に残念だ。
中学の時、女子はみんな毎週「少女コミック」の発売翌日には教室で「ポーの一族ごっこ」をしていたというのに。
親友から「私のエドガーへ」と刺繍したブックカバーをもらったことがあるぐらい、大メジャーだった。
今からでも遅くない、本屋に走るかAmazonでポチるかして、読んでもらいたい。
私もせっせと布教しよう。
23年12月15日
昨夜遅く、アメリカに住むせいうちくんの従姉から「母が亡くなった」とLINEで知らせてきた。
もう10年以上前から認知症で、10年前に息子がステイさせてもらった時にも、毎朝、「あなたは誰?大学はどこなの?」と聞かれたと言っていた。
6年ほど前に息子がNYに行く前ひと月ほどステイさせてもらった時は、どうも息子をせいうちくんと間違えていたようだし、ここ数年は一人娘である従姉のこともわからなくなっていたようだ。
彼女を囲んで最後の夜を家族で過ごし、ありがとうと伝えたり歌を歌ったり、とても静かで平和な夜だったと従姉は語る。
最期は眠るように安らかだったそうだ。
お花を贈る手配をし、シンパシー・カードなるものをつけてもらうことにした。
おそらく93歳ぐらいだろう、とせいうちくんが言うので、彼の父方の3きょうだいは長男、長女の順で89歳と93歳で、共に認知症を発症して亡くなっているわけだ。
末弟のせいうちくん父も認知症で特養で暮らしている。
ただ彼は非常に身体が頑健で、虫歯も抜けた歯も1本もなく、健康状態にはまったく問題がない。
奥さんである義母は、「あの人は100歳まで生きるわよ」と言っている。
最近、そう早死にしたいとも思わなくなってきた私は、70歳ぐらいで病死する可能性と90過ぎるまで死ねないでいる両極端な恐怖に駆られる。
人間、死ぬ時は選べない。
死にたくても死ねないし、死にたくなくても死ぬ時は死ぬ。
いつも気が早すぎる私は毎晩、老人ホームの案内をネットで見て、どこだったら2人で一緒にお風呂に入って暮らせるかばかり気にしている。
恐ろしいことに、年金だけでは普通クラスのホーム2人分には足りないのだ。
さすがに今から考えることでもあるまいし、大病でもしないかぎりもう10年ぐらいは生きているだろうから、近いうちにやってくるせいうちくんとの老後の暮らしを楽しみに考えよう。
車中泊の旅って、いくつぐらいまでできるものなのかしらん。
67歳ぐらいの長老が東京の自宅と山荘との間を車で軽やか
に行き来しているのを見ると、ちょっと自分は悲観的に過ぎるのかもしれないと考え始める。
なにせ、まだ親の世代が大勢生き残っているのだから。
しかし、時代は確実に「90/60歳問題」に突入しているよ。
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