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マンガ読みの年中休業うつらうつら日記(2022年6月4日~6月10日)
非常な不調が続いています。季節の変わり目とか言ってられないぐらいもうはっきり初夏だし。せいうちくんの見立てでは「とにかく疲労困憊しているのでおとなしく寝ていなさい」オンリーです。思い切って秋ごろまで寝ていてほしいそうです。なんだろう、人が私に期待している、と勝手に思って、その「期待成分」と私の中の「ためになりたい成分」が非常に相性がよく、ついつい寝るのを忘れちゃうんです。「誰もそこまでキミにどうしても何かお願いしたいとは思ってないよ。そもそも僕のお願いはどうなっちゃうんだ」と珍しく怒られました。筋が通っているので神妙に聞きました。
22年6月4日
(少しショックなことが書いてあります。気の弱い人は今日は飛ばして明日の分から読んでください。私のこと、嫌いになったり気持ち悪くなったりしてほしくないから)
先日も自傷して腕に3、4本斜めの傷を作ってしまったというのに、木曜夜にまた自傷してしまった。
もう左腕は古傷だらけだ。
これまでは刃物をすべらせて筋を作るやり方、いわゆる「切る」だったが、今ひとつ出血が少ないので、今回は「刺す」方向に目を向けてみた。
新しいペティナイフはよく切れて、細身で鋭い。
左上腕を3か所刺したら3か所分の傷がぱっくり口を開けた。
気を良くして左太ももに突き立てる。
刃は1.5センチほど滑り込み、筋肉繊維の切れる感触が伝わってきた。
腕の方は筋肉の繊維を断ち切る形で刺したのでナイフの刃の形がそのまま残っていたが、太ももは筋肉に沿った形で刺してしまったらしく、ぱっくりと傷跡が開き、太ももの張力も手伝って傷跡は真ん丸に近くなった。
そこからは大わらわ、出血との戦いである。
腕はさらしで縛っておけばなんとかなりそうだったが、太ももは太い血管を傷つけたか、どくどくと血があふれ止まらない。
銃弾創にガーゼを指で突っ込んで止血するやり方を聞いたことがあるが、そこまで深くもなし、衛生面でも心配だったので、ひたすら指で圧迫止血する。
ワーファリンをのんでいるせいか傷が深いのか、夜中から明け方まで指で抑えたりさらしできつく結び、結び目を傷に充ててその上からサポーターをつけるなどして、ようやく止まった。
止めたいなら最初から切らなけれいいものを、そこが自傷の不思議なところだ。
夜中にどたばたとガーゼやさらしを捜していたのでせいうちくんも起きて来てしまって、台所の床がスプラッタになってるのを見てあわてるあまり、遠く書斎までティッシュの箱を取りに走っていった。
すぐ横のサイドテーブルの上にあるのに。
こういう人が火事場で枕を抱えて逃げ出すんだろうなーと無責任に考えた。
救急外来に行って縫合してもらうべきかどうか少しもめたが、私がめんどくさがったのでやめになった。
大きい方の太ももの傷でも長さ1センチ5ミリほどのアーモンド形に縮んでおり、腕に至ってはバンドエイドでどうにかなってしまった。
「寝よ寝よ」と言って、ふとももはまだ大出血の恐れがあったので、バスタオルをもも全体に巻きつけて寝た。
どうして自傷なんかしちゃうのかな。
初めて自分の手首を切った中学生のころから、小さな自傷はやまない。
今でも続く爪かみや甘皮むきも一種の自傷だそうだし。
自分を罰したいのか、何かに怒っているのか、全然わからない。
ただ、「死にたい」のとは関係ないようだ。
命に別状ないあたりばかり狙っているから。
短絡的に血が見たい?
毎日がつらくてたまらない。
いっそ死んでしまいたい、と思うのが希死念慮というやつだろうか。
50年以上私に取りついて離れない、この人生からの逃亡。
今週のマンガ紹介は、私の大好きな雑誌「ハルタ」から抜き出そう。
採算がとれるのかと思うほど趣味に走った執筆陣、1.2キロもある雑誌としては破格の重量、それでいながら厚みは普通の女性マンガ誌と同じだから、よっぽど薄いいい紙を使ってるんだと思う。
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まずしょっぱなは佐々大河の「ふしぎの国のバード」既刊9巻。
江戸末期に英国人女性旅行作家が書き記した日本、しかも北海道への過酷な旅があり、著者イザベラ・バードは女流探検家&文筆家として有名だ。
面白いことに波津彬子の「うるわしの英国シリーズ」にも坂田康子の「バジル氏の優雅な生活」にも女流探検家が出てくる。
森薫の「エマ」でも電車で乗り合わせた女性がエマに「お仕事は旅行作家ですか?」と聞くぐらい。
ヴィクトリア朝の終わり、解放された女性たちの進出した職場の一つに「紀行文作家」があったらしい。
このマンガでは日本人のイト(伊藤)がガイドとして献身的に尽くす姿も描かれており、中島京子の小説「イトウの恋」もあながちフィクションとばかりも言えない気がする。
22年6月5日
とか言ってても日常生活には日常の活動がある。
憂鬱を抱えながらも能天気にフランスベッドの展示会に行った。
仮住まい前のマンションでは寝室に十分な広さがあったので、シングルベッドとダブルベッドを両方おいていた。
かといって別々に寝ていたわけではなく、私は自分のシングルベッドにiPad Proをアームホルダーでベッドのヘッドボートに取りつけ、せいうちくんが寝てから2、3時間ほど、マンガや本を読んでいた。
そして眠くなってきたら隣のダブルベッドにもぐりこみ、せいうちくんにしがみついて寝ていたのだ。
「朝起きると、『今日もキミがちゃんと来てくれてる』って嬉しいよ」と言われたもんだった。
しかし仮住まいはもちろん、今度のマンションも寝室が狭い。
とてもじゃないがベッド2つは置けない。
そこでいっそベッドを大きくして、ダブルの上のクィーンサイズにしようかと計画したのだ。
初代がフランスベッドだったため、せいうちくんはフランスベッド信者である。
私はそれほどうるさくないので、まあ何でもいいだろう、と「フランスベッド」をググったら、この週末に昭島の近くの本社工場で大展示セール会をやるとあった。
こういうのは神様のお導きだから逆らわない。
電車で30分で行けるフランスベッドに、夫婦で行ってきた。
ここで驚いたのは、私はベッドというものは「シングル(幅100)⇒セミダブル(120幅)⇒ダブル(幅140)⇒クィーン(幅160)⇒キングサイズ(きっといろいろ)」というふうに出世魚みたいに並んでいるもんだと思っていたのが覆されたこと。
フランスベッドだけのサイズなのかもしれないが、ダブルとクィーンの間に「ワイドダブル」というものがあり、幅157である。
欲しかったクイーンサイズはたいがい170センチぐらいある。
これではフランスベッド直営のシーツや布団カバーしか買えないではないか。
我々は方針を変更し、元の希望サイズに近い「ワイドダブル」を見て歩いた。
しかしなぁ、今より17センチ増えるだけだぞ。
もともとそのぐらいを狙っていたとはいえ、いざあこがれのクィーンサイズが30センチも大きくなるのだと思うと、考える頭も鈍る。
と、ここでひとつのお知らせがもたらされた。
「戸建てですか?マンションですか?」と聞かれたのだ。
なんでもマンションは、エレベーターや室内廊下の狭さから、クィーンサイズは搬入そのものが無理なことがあり、つまり買えないというのだ。
練習用にダミーのクィーンサイズを持って行って試してみましょうか、とまで言われた。
これでかえって気が楽になった。
入れば買うし、入らなければ買わない。
うん、決まりだ。
今度20年ほどのベッドライフが決まる大事な案件だ。
うまくいくことを祈る。
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今日のマンガは入江亜季の「北北西に曇と征け」既刊5巻。
北欧アイスランドを舞台に不思議な力を持つ青年が弟を捜す旅というか、見事なロード・コミック。
いろいろワケアリな雰囲気で、運びがなんだかサスペンス。
のびやかな手足や繊細な髪まで、絵が非常にうまい。
「ハルタ好き」には「北欧好き」が多いが、これは特に泣いて喜ぶ逸品だ。
22年6月6日
「6月6日は雨ざあざあ降ってきて」いる中を、心臓のクリニックに行くことにした。
腕の止血が強すぎたのか紫色のあざが広がっており、ワーファリンの効き目を強くし過ぎてしまう可能性がある。
ツンツンツンデレな背の高い江口のりこのような私のお気に入りの女医さんは、腕の傷を見て「どうしたの」と聞く。(ふつう聞くだろう)
「自傷なんです」と答えて太ももの傷も見せる。
「うーん、こっちは深いわね。何でやったの?」
「ペティナイフです。細いのでするっと入っちゃいました」
「あなた、心療内科にも行ってるんだったわね。うーん」と腕組みして困った女医さんは、とにかくワーファリンの値を測ろうと測定器を出してきて、私の小指先にちくっと穴をあけて血を1滴絞り出した。
それを機器のセンサー部分に乗せると、「3.2」。
望ましいワーファリン値は「1.8~2.2」だから、かなり超えていることになる。
とりあえず金曜にもう1度受診に来ることにして、それまでは現在1mgと0.5mgと0.25mg、あわせて1.75mg飲んでいたワーファリンを1mgだけにしてみてくれ、と言われた。
それで金曜日に様子が落ち着ていたら、あらためて薬の量を決めよう、との方針のようだ。
「足の傷は心配だわね」と言って傷パッドを取り去り、イソジンみたいなので消毒した後、化膿を防ぐゲンタマイシンという薬を塗って、新しい傷パッドを貼ってくれた。
ついでにゲンタマイシンを1本もらってしまった。
家にもあるが、これがあるととっても助かるんだ。
ツンツンツンデレ女医さんに処置してもらえたのもとても嬉しい
帰り道で整形外科の前を通った。
夕方4時ごろリハビリが予定されているが、今はすいてる時間なのでドクターに傷を見てもらおう、あわよくば縫合なんてしてもらっちゃおう、と思って門を叩いた。
幸い午前の部が終わる寸前だったのですいており、すぐに診てもらえた。
「どうしたの」
「自傷しました」
(傷を診ながら)「なにで」
「ペティナイフです」
「結構深いね。こんなこと、やるこっちゃないんだけどねぇ」と言いながら、抗生物質をくれて、リハビリの予定を早めてすぐ受けられるようにしてくれた。
縫合は必要ないそうだ。
すぐに受けられたリハビリも、今日は手足を動かさずに先日軽いむち打ち症になってまだ治らない、首を重点的にやってくれた。
私にとっては穏やかなマッサージを受けているようなものだから、気持ちいいし楽だった。
夜には息子からカノジョのお母さん情報。
25日土曜夜に、娘の同棲相手が今力を注いでいるというパフォーマンスパブを1回見てみようと思い立ったらしい。
「ご両親にもお会いしたいわ」と前の息子との会談で言っていたそうなので、我々もその日急遽下北沢に駆けつけることにした。
パブで会って、パフォーマンスを少し見て、ほどよいところで出て一緒にお茶を飲みながら子供たちの将来を見据えたお話をしたい。
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今日のマンガは福田星良の「ホテル・メッツァぺウラへようこそ」。
こちらもズバリ北欧。
全身に見事な紋々をしょった、まだ少年と言っていい年頃の主人公が極寒の中、避難してきたのがホテル・メッツァペウラ。
そこから始まるホテルマン教育が執事教育みたいでカッコいい。
北欧で執事でオーロラで入れ墨である。
要素てんこ盛りすぎないか?と読者が心配になるほどだ。
まだ既刊2巻だから、今から買えば間に合うよ。
22年6月7日
今日はせいうちくん出社なのに、いろんな会社の人が来るので私が全部対応しなければならない。
私の「内弁慶」ぶりを知っているせいうちくんは最後まで心配していたが、なぁに、これでももう60過ぎなんだ。経験値は十分。
まず、エアコンを設置してからずっとほうっておかれた「リモコンを壁にかけるためのフック」をつけに、工務店の人とインテリア担当の人が来てくれた。
面白いねぇ、マンション壁のパネルの部分にネジを打つとこわれてしまうことがあるので、まず構造材を捜す。
そのために5×3×3センチぐらいの黄色い磁石を持ってきているのだ!
磁石がくっつけばそこは鉄の構造材なので、打って大丈夫、ということ。
構造材がないために希望の位置からずれてしまったリモコンホルダーもいくつか出たが、見ていて退屈しなかった。
ネジをそれ以上打ち込めなくなると、
「ちっ、固い鉄だぜ」とつぶやいてもっと細身のドリルを取り出して深く穴をあけ、ネジを打つ。
こういうことになるとオトナでない精神構造の私は、
「鉄でもドリルが通るんですか?」とまるで小学生のように聞いてしまい、
「道具次第だね」とプロフェッショナルの英知を分けてもらったりして万々歳。
4つのリモコンが全部収まると、プロフェッショナルのおにーさんと事務方のおねーさんは帰っていった。
実はその間にAmazonさんがやってきて、2つ目のミッション「ルンバを受け取る」は遅滞なく終わっていたのだ。ますます万歳。
うちは玄関廊下の靴箱の下の空間にルンバのホームベースが置けるように開けてあり、電源もついている。
これはなんてナイスな考え!と狂喜して1週間ほど、過酷な現実に直面した。
部屋の構造上、造りがやや「コ」の字型になっており、奥の奥の部屋まで行くと、ルンバにしてみればあっちの方から私を呼ぶ電波の声がするわ、いかなくっちゃ、でもここが一番信号に近い場所、キッチンやリビングに戻ってしまっては何にもならない!
とパニックして奥の部屋の隅で息絶える、という現象が続いたのだ。
せいうちくんはこれを重く見て、ひと部屋ひと部屋を認識するという新型をレンタルしてみることにしたようだ。
ルンバの頭の中に家全体の地図ができれば方向を失わずにホームベースに戻れるはず。
ルンバを開梱する間もなく、ラストの、最後のミッションの人がやってきた。
寝室の床の隅あたりがきしむから、と苦情受付期間を過ぎてるのにせいうちくんがねじ込んでくれた一件で、やはり工務店の人らしき男性が来た。
「このへんなんですよね」とおずおずと私が踏むと、安堵することにきしんでくれた。
おじさん自らが踏んでも、やはりきしむ。
「これはアレだな、あっちじゃないな、こっちのせいだな」と謎の言葉をつぶやきながら、
「ちょっと、きしみ止めの薬を入れますので」と小さな瓶から細い注射器に液体を吸い上げ、床の隙間に注射している!
こういう技もあるのか。
魔法のようにきしみ音がなくなった床に喜んで、
「今ので半永久的に」
「いえ、効き目はすぐ切れます」
がーん。
ホームセンターなどにも売っているそうだ。
表面の板とその下の木部構造が天気や季節や気温によって伸び縮みし、どうしても床鳴りはするんだって。
「床を引っぺがしての大工事などは」
「やりません。それやると、結局どこかにゆがみがが出てきしみが増えるんです。そういうものだとご理解ください」とおじさんは帰ってしまった。
果たして私はきちんと留守居役を務められたのか。
幸い、すぐ後に帰ってきたせいうちくんは全項目OKだといい、「よくがんばりました」のハンコをくれそうな勢いだったので、きっとこれでよかったのだろう。
ほっとして思うさま具合悪くなった。
明日は心療内科の先生に自傷行為を告白しなければならない。
人に怒られるのって、苦手なんだよね…
せいうちくん、代わりに行ってくれないかしら。しくしく。
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今日のマンガは九井諒子の「ダンジョン飯」既刊11巻。
今日も勇者たちがパーティーを組んで迷宮を攻略しようとする。
しかし、問題になるのは食糧その他の荷物だ。
重すぎては戦闘の邪魔になるし、少なすぎては途中で飢える。
この大問題を解決したのが1人のモンスター好き。
「肉がなければモンスターを食べればいいのに!」とばかりに調理の得意なドワーフの手を借りて次第に迷宮の奥に食い進む。
果たして迷宮の謎とは?
22年6月8日
心療内科医と2週に1度の面談。
自傷しちゃって怒られるかな、とびくびくしていたら、
「どうして自傷しちゃうのか、自分にどういいことがあるのか、研究してみてくださいよ。こっちは見当もつかないんだから」と言われた。
「どういう時間帯なの?」
「夜中です」
「ダンナはいないわけだ」
「いえ!いますよ!寝てます」
「ん~じゃあさぁ、起こそうよ。ダンナの睡眠より大事。会社がどうなろうと株が下がろうと、あなたがダンナを起こしてきちんと話すのが大事なんだからさぁ」
「主人もいつもそう言います。『少しでも寂しかったりよくない考えが走った時は絶対に起こしてね。寝ぼけててロクな反応できないかもだけど、必ず話を聞くよ』って」
「私からもお願いします。ダンナを起こしてください。これ、絶対。お願いしますよ、ホントに」
腕と太ももの傷を見せて、私から聞いてみた。
「自傷って、切るのと刺すのとどっちが重いとかありますか?」
「うーん、やっぱり刺す方が切羽詰まってる感じがするねぇ。レベルが上がっちゃってると言うか…」
「もうしないって主人に約束しました。先生にもお約束します」
ほんとうに意識がその域に入ってるときは誰との約束も効力を持たないんだけど、そこはまあ、文明人同士の礼儀として。
「とにかく自殺と自傷はやめてね。僕からのお願いだから。ダンナさんもき
っと同じこと言うよ!」と叫ばれて、今日の面談は終了。
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今日のマンガは比嘉史果の「帝都影物語」既刊2巻。
時の皇嗣となるなる春宮にそっくりだというので田舎から連れてこられた少年「影」。
いついかなる時も宮のそばを離れず、身長も体重も同じに保ち、暗殺の剣や不穏な動きをその身に受けるために存在。
宮のためにすべてを差し出す少年の健気な心意気に、大一票を投じる。
22年6月9日
心臓の検診日だ。
こないだ少なくのむように言われたワーファリンはもう正常な数値に戻っているかしら。
一包にしてもらってある中から0.5mgと0.25gmだけ抜いてのむのはめんどくさい。
ここらで元に戻したい。
午前の診療が終わる寸前の12時15分前はすいている。
いつもこのポイントを狙っていくのだ。
どうかすると患者さん誰もいなかったりする。
のどかな景色の中をぽくぽく歩いて、こないだ買ったばかりのニューバランスの靴は少し重いなぁ、でもある程度重い方が足がよく振れて楽だとも聞くし、とイヤホンで谷山浩子を聴きながら徒歩7分
おや?、「木曜は休診です」って札が出ている。
玄関も閉まっている。
ああああ、1日まちがえてしまったぁ!
診察は金曜日なのに、木曜日に来てしまったぁぁぁ。
まあしょうがない、明日また出直すか、と見るからに哀れな姿で足を引きずっての帰り道、また整形外科の前を通った。
ドクターはももの傷を縫合しなくていい、と言っていたが、やはり縫合してある方が安心だ。
まだ診療時間内ではあることだし、ちょっと診てもらうか。
患者さんはほぼおらず、あっという間に呼ばれた。
ドクターに「やっぱり縫合してもらうわけにはいきませんか?」と尋ねると、とっくり話してくれた。
「もう開放創になっちゃってますからね、雑菌が入ったりしてかえって危険なんですよ。自傷した、その時に来てくれたら縫合できたんですけどねぇ」
で、絆創膏をはがしてイソジンかなんかの消毒液をぬり、新しい絆創膏を貼っておしまい。
あと1週間はお風呂入っちゃダメだって。つらいなぁ。
明日こそ忘れないで間違わないで心臓のクリニックに行かなくちゃ。
日常生活は案外大変。
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今日のマンガはnamoの「クプルムの花嫁」既刊2巻。
職人の町、新潟県燕三条の幼なじみの若いカップル。
銅板から叩き出す鎚起銅器造りに燃える若者はそこで修行を続け、銅器造りに専念したいという夢を持つ。
だが、もうひとつの夢としては幼なじみの彼女にずっとそばにいてほしい。
ページをめくって9ページ目でもう「結婚しよう」が出るとは思わなかった。
ひたすらほのぼのするハートウォーミングなマンガでありながら、職人の小技紹介などもふんだんで、面白い。
ちなみに「クプルム」とはラテン語で「銅」だよー。
22年6月10日
昨日休診だった心臓のクリニックに、今日はなんとしても行かなければ。
午前中からじりじり待機して、11時半に家を出る。
受付が12時までだから、徒歩7分、十分間に合うはず。
それはそれでうまくいった。
だが、今日は「患者側としても遅めに来たい」日だったらしく、けっこう混んでいた。
5番目に呼ばれたからヨシとするか。
江口のりこ似の女医さんは、
「あれから太もも、大丈夫ですか?」と聞いてくれたので、
「いちおう整形外科に行って、縫合する必要はないって言われました。と言うか、もう開放創になっちゃってるから、縫合するなら自傷したとたんにしなきゃダメ、なんだそうです」
「そう言われてもねぇ」と話しながら、一番気になるワーファリン値を測る。
もう慣れちゃったよ、小指の先をちくっとやって1滴の血を絞り出すの。
「2.8」
1.8~2.2が理想なので、まだ高い。
1週間後にまた検査だ。
けっこうめんどくさい。
「まあそれでも下がっては来ているのだから」と言うのが共通の認識。
じっくり待ちましょう。
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今日のマンガは和山やまの「女の園の星」既刊2巻。
女子高、と聞くと喜ぶ面々も多かろうが、実は共学よりも男子の目がない分だけあけっぴろげで恥じらいがないのだそうだ。
そんな女生徒たちに妙に慕われる(行動が面白いのでストーキングされてる)男性教師の、モテ話と言えばモテ話だ。
だが、「女子高の男性教師は特にモテない」という金言を可視化したような、存在をスルーされている立場でもある。
何もかも、当該教師が全く空気が読めないせいだと思うのだが。
みんな、年に10回刊行の雑誌「ハルタ」を買う気になったかな?