年中休業うつらうつら日記(2023年5月20日~5月26日)
一之輔さんの独演会を聴きに行ったのと、コロナ中にころっと忘れて失効してしまったパスポートを取りに行ったのと、息子に会えたのが今週のトピックです。それ以外はなんだかぼーっとしてました。もう春でもないのに…
23年5月20日
前日、何をしていたかよく思い出せない。
久々に薬ののみすぎだったのだと思う。
定例ZOOM飲み会には出たはずなんだけど、誰がいたのか覚えていない。
Gくんがいてせいうちくんと一緒に車を買う話をしていたような気はする。
酔っぱらいの皆さんはいつもこのような不安定な心持ちと記憶で生きているのか。
いい陽気にかまけて2人ともごろごろと過ごしていたような気がする。
名古屋の友人が買ったソファのせめて一部なりとも買いたいと、底面サイズの型紙を作って置けるかどうか検討してみたのが唯一の生産的な行動。
部屋は確実に狭くなる。
しかしあのしっかりとした座り心地、考え抜かれたフォルム、ああ、欲しい。
せいうちくんはおととし買ったフランスベッドの安いソファベッドに執心している。
でも私は最初からあんまり気に入らなかったんだよね。
せめて足を少し長くして高さがあればもっと座りやすいと思い、今、足を注文中。
買いたいソファの方は7~8月にセールがあって1割引きになるそうなので、それまでにはレンタカーで遊びに行くついでに横浜のギャラリーに行ってみよう。
私にとってはずっと奥歯にものの挟まったような違和感のある案件だったから、何とか解決したい。
ソファは私にとって、寝そべってせいうちくんのひざに脚を乗せ、痛むひざを揉んでもらいながらテレビを観る大事な家具なのだ。
23年5月21日
市の公会堂で一之輔さんの独演会があったので、いつも喬太郎さんを聴きにいく仲間と4人で行ってきた。
喬太郎さんの方がまだ激しいが、一之輔さんのチケットを取るのもかなり大変になってきた。
発売開始時間に2台のPCの前に2人で座り、時間ちょうどにアクセスを始める。
今回は5分ほどで各2枚、計4枚が取れたが、やはり10分たつ頃には完売していた。
喬太郎さんだとこれに、1人当たり2枚しか取れないというシバリがつくのだ。
我々の会が4人より増やせないのはこれが最大の原因。
一之輔さんはそこまでシビアでなく1人4枚取ってもかまわないので、先日飲み会で会ったFさんにも声をかけてみたんだが、あいにく高座当日に用事があるそうな。
うまくいかないもんだ。
とりあえず開演時間前に4人全員ホールに集合していたので、それぞれチケットを配り、席に着く。
激戦のせいか端の方の席しか取れておらず、2人には申し訳ない。
高座すぐ真ん前に座ってる人なんかはどういう取り方をしてるのかなぁ。コツを教わりたい。
前座さんのあと一之輔さんが2本、仲入りをはさんで二つ目の人と、もう一度一之輔さんが聞けるというゴージャスなメニューだった。
しかし、会場がいつものホールと違うせいなのか広すぎるのか、音響が少々心もとなかった。
終演後に会ったNくんとKちゃんも同じように言っていたので、みんなが感じたことなんだろう。
声がぼそぼそして聴きにくいそのせいか、なんと私は5席ほぼずっと寝ていた!もったいない!
薬をのみすぎていたなんて言い訳にもならない。
一之輔さんのあの「ぼやき落語」が聴けてなかったなんて!
終演後は蕎麦屋での呑み会を予定しているが、名古屋の酒好きな友人Cちゃんが落語も好きでいつも同じことで怒ってるように、終演時間と蕎麦屋の開く時間にちょっとタイムラグがあるんだよね。
いつもは自転車の我々は押して歩いて、みんなで駅前の喫茶店で時間をつぶしたりするけど、今日は現地集合にしてみて、それぞれ思い思いの自由行動。
ただし、17時半に蕎麦屋に集合、と。
徒歩で行く人、バスに乗る人、様々に分かれた。
我々は自転車でぴゅーっと駅前まで行って、適当なカフェでお茶を飲んだ。
「寝ちゃったよう(涙)」と地団駄を踏みながら。
「最近、ちょっと薬が体にたまってると思うよ。体重も増えてるし、口が渇くでしょ。なんとか減らしてみてね」と頼まれてしまった。
17時半に蕎麦屋に行ってみると、Nくんはもう来てた。
バスに乗ったら思いのほか時間がかかって、寄り道をするゆとりはなかったそうだ。
少し遅れて現れたKちゃんはいつもの古本屋に沈没していたらしい。
せいうちくんは1リットルの大ジョッキ、Kちゃんはおとなしく普通のグラスビール、Nさんはシークワーサーサワー、私は梅酒サワーで、まずは乾杯。
今回も無事集まれてめでたい!
この店は料理が何でも美味しくてわりと量があって、いつも食べ物メニューを見る我々の目は真剣そのものなんだが、前はなかった定食メニューに皆の視線が集中した。
「お刺身セット」はしめ鯖とマグロ剥き身とイカの和え物、麴づけの塩辛のようなものと小ぶりの山菜蕎麦、そしておまけにごはんとぬか漬けまでついてくる。
「馬刺しセット」は上記の刺身部分を馬刺しに替えたと思ってもらえればいい。
これで2200円。
「もう、これみんなで分ければよくない?」となった。
Nくんがいちおうお店のおばちゃんに、
「この写真、これで1人前ですか?」と確認するとあまりにあっけなく、「そうよ~」。
もしかしてすごくコスパのいいつまみなんじゃないだろか。
2つのお盆が運ばれてきて、皆いっせいに箸を伸ばす。
ごはんはNくんと私が引き受け、お蕎麦はせいうちくんと私、NくんとKちゃんの間に置いておく。
「今、これだけ食べて帰ったら酒代も入れて1人2千円行かないよ」とゲスいことを口走りながら夢中で食べた。
どれも美味しい。
Kちゃんは我慢できなくなったか、定食2つとは別に山菜を頼み、Nくんも。
私はポテサラが食べたかったし(おからでできたような不思議な味と触感のポテサラだった)、あっという間に馬刺しがなくなってしまったのでNくんは、
「馬刺し、行っちゃう?いいよなぁ、こんだけ安いんだから、馬刺し行っちゃおう!」と追加オーダー。
日本酒のぬる燗もけっこう皆さん飲んでたし、どうして〆ると1人3500円ですむのかわからない。
落語の会のたびに利用させてもらっている店だが、いまだに謎は深い。
話題の中心は故郷で寡婦となったお母さんを引き取って心機一転、新しいアパートに越したNさんちの事情。
お母さんが来たばっかりで、しかもまだ下見の状態なので、家具などは来てないそうだ。
私の母のように「スカートを百枚持っている」と言い、それを入れるタンスを買い、タンスを納めるために建て増しをしたような人でないことを祈る。
たいていの人は何かを膨大に持ってしまうんだよね、服とか食器とか骨董とか。
Nさんの生活空間が保証されますように。
すでに「なんで冷蔵庫の表面を拭かないんだ」と、Nくんにとっては意味の分からない指令を受けている状態で、家具が入り、本格的にお母さんとの生活が始まったら「きっとオレ、すげえ愚痴言うと思う。みんな、聞いてくれよな?」と根回しを始めていたよ。
Nさんちに限らず、友人たちの多くは介護年代に入り、親の施設を探したり同居したりてんてこ舞いのようだ。
せいうちくんも例外ではなく、特養のお義父さんに面会に行ったりお母さんのケアマネさんと連絡を取ったり忙しい。
Nくんに、
「君、これはもしかしたら今後30年終わらない大事業かもしれないよ」と言いたくて仕方なかったが、ぐっとこらえた。
私にも成長はある。
楽しく2時間ほど飲んでお開き。
次は7月の喬太郎さんだ。
またチケット頑張らなくっちゃ。
23年5月22日
新宿の都庁へパスポートを取りに行く。
コロナ騒ぎの数年間にすっかり忘れて失効していたのだ。
タカノフルーツパーラーでメロンパフェを食べ、「これはメロンカルピスで十分代用できる」と思ったあと、まだ時間があるのでIKEAに寄ってみた。
例によって盛大に道に迷い(さっき前を通ったから行こう、と思った場所に、なぜ迷うのか)、結局IKEAの前でせいうちくんに会えた。
いい柄のトレイを買えたので、厚紙製のBOXに新柄が出てないか確認する時間がなかったのが残念。
パスポート管理の部署には申請の人が山のように来ていた。
幸い私のはせいうちくんが免許証での本人確認があれば受け取れる状態にしておいてくれたので、申請よりは少ない待ち人数の中、10分程度で新規パスポートを手にすることができた。
これで予定通り夏休みにダイヤモンド・プリンセスに乗れればいいんだが。
初めての外国船なのでかなりビビっている。
一応日本人のコーディネーターもついてくれるみたいだし、そもそも日本発着なんだからそれほど外人だらけとも思えないが、やはり純正日本船の飛鳥Ⅱとはずいぶん勝手が違うだろう。
なにしろジュニア・スイート以下の船室にはウォシュレットと風呂がついてなくて、シャワーブースだけし、船上露天風呂は水着を着て男女混合で入るのは我々には好都合だがオールインクルーシブに含まれず、90分1500円ほどを取られるようだ。
2人とも、もう英語は壊滅してるからなぁ…いきなり話しかけられたら飛び上がっちゃうよ。
23年5月23日
マンガ友達のミセスAに「今世紀最大のイチオシは『ダーウィン事変』です」と言った舌の根も乾かぬうちに「ママ友から『BEASTARS』が好きです、と言われたんですが」と相談を受け、「これも今世紀最高です」と今世紀の大安売り。
責任を取るつもりで両方読み返す。
ウサギと牡鹿の正常位。
なんてケモナ―なんだ。手塚治虫よりスゴイ。
ミセスAも食欲と性欲についていろいろ考察しているようだが、そこに思春期とか青春を絡めたストーリーが素晴らしい。
「食肉を克服した若いオオカミ」の成長物語なんだから。
お中元のつもりで、副読本「BEAST COMPLEX」全3巻もつけて、本編全22巻、合わせて25巻をプレゼントし、布教させていただいた。
マンガ仲間の季節のご進物は果物やお菓子ではなくマンガなのである。
23年5月24日
心療内科の通院日。
最近は病院の前に2時間取ってマッサージ屋さんに行き、膝から下のオイルマッサージ30分、+全身60分+顔と頭で30分のコースを受けている。
たいてい顔と頭にたどり着く前に眠ってしまうので、顔と頭に関しては実は何をされているのかよくわからない。
眼の奥の頭痛が消えている場合が多いので、それなりに効いているのであろう。
小顔になる気配は全くないが。
ドクターは私の近況を聞いて、とにかく減薬したいようだ。
「ご主人が忙しいなら無理だと思ったけど、僕との約束を守って仕事を制限してくれているようだ。ご主人のためにも貴女の寿命を延ばしたいから、だんだん減薬していこう」と言う。
「これだけの量をのんでたら寿命が縮みますか」
「いや、そりゃ僕も若い患者さんや他の患者さんにはこれぐらい出すことあるけど、あなたの場合、一緒に長く生きて行きたいと言うご主人の強い願いがあるわけでしょう。減らすに越したことはないよ」
まあ今週来週からの減薬と言うことでもなさそうなので、せめて自分でのむ量を減らそう。
と思ったそばから猛烈な勢いで昼間仕事を片づけて夜遊んでくれるせいうちくんに申し訳なく、生きてる意味なんかないんだって気分になり、過剰服用になる。
それをまたせいうちくんが面倒みたり慰めたりで、これじゃマッチポンプだ。
高校頃の日記から発見した母のエピソードをひとつ伝えた。
その頃毎朝食べていた卵サンドを食べようとしたら、辛子がない。
「ママ、辛子ないよ」
普通は、
「あら、じゃあ今度買っておくわ」とか、
「今日のところは我慢して」みたいな反応が返ってくると思うんだが、母が言ったのは、
「朝から辛子なんて食べんでよろしい!」だった。
ドクターは額をかいて、
「絶対自分が間違ってるとか謝るとかしたくないんんだね。これはもう、本末転倒ですよ」と苦笑いしていた。
すっかり忘れていたこんな小さな出来事が毎日積み重なって、思春期の私を形成したんだな、と感じ入った。
自宅駅まで帰って家に向かっていたら、ちょうど近所の小中高一貫の小学部が終わる時間らしく、夏らしい真っ白な帽子とブラウスに身を包んだ大量の小学生男女がはじけるように歩道いっぱいに駅方向に駆けて行った。
大変な人数で、一瞬取り囲まれて動けないほどだった。
浮かんだ歌がこれ。
私立小 白い帽子にブラウスが駆け出す ポン菓子製造機
息子は首をひねっていた。
もう「ポン菓子」を作って売る屋台なんて来ないんだ名なぁ。
23年5月25日
街に出て、息子と待ち合わせ。
本当は通院日の昨日の方がこちらには都合がよかったのだが、息子に仕事が入っていた。
で、代わりに今日会うことにし、また隣町へ。
電車が遅れて3分ほど遅れて約束の店に着いたら、息子は段差に腰を掛けて本を読んで待っていた。
さっそく店に入ろうとしたら、なんと休業。
昨日と今日が改装のためにお休みだったのだ。
そうか、昨日でも同じ目に遭ったのか。
息子に「どうする?」と聞くと、「ラーメンと餃子が食べたい」と彼の好きな店を提案してきた。
あんまりラーメンの気分じゃないんだが、と思いながらついて行くと、なんとそこは「定休日」。
よくよくついてない日だ
最後の手段でよく行く喫茶店へ。
まだ11時過ぎと早いので、店内は空いていた。
息子はタイカレーセット大盛りを頼み、私はなんだか気合負けしてレアチーズケーキセット。
タイ料理屋の「パッ・タイ」のおなかになっちゃってたんだよなぁ。
息子がカレーをがつがつ食べるさまを見ながら、今度の公演の客入りはどうか、などと聞く。
「まだ4分の1ぐらい。でも大丈夫、絶対にいいものができるよ。自信ある」
他のパフォーマーさんたちとの連日の稽古で自信がついているのだろうが、けっこう大きな名のある箱だし、あんまりスカスカじゃ本人の満足度はともかくせっかくのチャンスが台無しだ。
我々も友人たちやせいうちくんの会社の人など、興味を持ってくれそうな人たちに声をかけ、拡散活動をした。
その甲斐あって10人ほどのオトナを引っ張ることができた。
「木戸銭はこちらで持ってご招待しますから」と言っても、
「せっかくの息子さんの舞台です、自腹で観ますよ」と言ってくれる方もいる。
皆さん、20年以上私のブログを読んでくれてる方が多く、
「成長記録を観てますからねぇ。もう僕にとっては甥っ子のようなものですよ」なんてありがたいお言葉もちょうだいした。
親もこれだけ奔走してるんだ、本気出せ、息子。
喫煙できる店を求めてググった息子が「ルノアール」発見。
しかし「喫煙可」とは書いてあってもルノアールが何者であるかは知らないらしい。
入って、その広さと妙な高級感に圧倒されたか、小声で、
「ここってどういう喫茶店なの?」と聞いてくる。
これはね、君たちがスタバやドトールに親しむようになるずっとずっと昔から、どこの駅前にも必ずあって、サラリーマンがご商談をしたり軽いお見合いが行われていた由緒あるチェーン店だよ。
コーヒー1杯が700円するのも、「場所代」ってやつだよ。
隣りで宗教の勧誘してるのが丸聞こえなスタバとは違う種類の店なんだ。
しかしタバコ吸い放題はありがたく、しばらく親子で紫煙に包まれて四方山話をした。
やはり「ダーウィン事変」はサイコーだそうだ。
「BEASTARS」も天才。良かった、同じ感想だ。
妻となって半年のMちゃんは仕事がどうも気に入らないらしい。
30直前まで定職についていない2人なのだから、いっそ失業手当をもらえるまで勤めたら辞めて、ずっと夢である海外暮らしを経験してはどうか。
学生時代にオーストラリアに2年留学してきた彼女には、もっと気の晴れる環境が必要なのかもしれない。
そう言うと、息子は身を乗り出して、
「ワーキング・ホリディに行きたいらしいんだよね。僕ももちろん一緒に行く」と目を輝かせる。
彼が行きたいNYはワーホリの受け入れをしていないらしく、またMちゃんの行きたいイギリスはワーホリの年齢制限が厳しいらしい。
おおむね31歳になるまでに申し込まなきゃいけないそうだから、今年30歳になる君たちにはラストチャンスだねぇ。
2人とも子供は欲しいと考えてることとか考えると、Mちゃんは今、やりたいことをやってしまった方がいいと思える。
息子の仕事も、「どこの国にもコントはある。勉強になるよ」と言ってるし、始めて数年、一生やっていくならここらで1年ブランクができても仕方あるまい。
親としてはワーホリ大賛成ということで。
そんな話の間に、息子が今日は比較的ヒマだと聞き出して、
「じゃあ家においでよ。父さんも会いたがってるよ」と言ったら、「行こうかな」
せいうちくんに「家に連れて行くかも」とメッセージ送ると「うひょー」と喜びの返事が返ってきた。
うちで少しゆっくりしよう。タバコも吸えるし。
NYでジャズピアニストとして活動していたHくん、今は息子と下北沢でイベントを繰り広げてくれているので、
「そうだ、Hくんのお母さんのお店(ブティックか雑貨屋さんをやっているらしい)がこの辺だから、ご挨拶していこう」と息子が言う。
「それだと母さんもご挨拶しちゃうけど、いいの?」
「全然いいよ」で一軒のブティックの前に。
「こんにちはー」
「まあ、息子くん。久しぶりね」と答えるのは洒落た身なりの細身の女性。
年齢は私と同じぐらいか。
「これ、母です」
「まあまあ、お母さま、はじめてお目にかかります。いつもうちのHがお世話になりまして」
「いえ、こちらこそHくんには大変お世話になっています。お目にかかれて嬉しいです」
オトナの挨拶をし、Hくん母と息子が世間話を始めたのをきっかけに小さな店内を見てまわる。
表に飾ってあったグレーのブラウス、いいなぁ。
6800円が2800円に値引きされている。バーゲン品、いいじゃないか。
「表のグレーのブラウス、サイズ3Lでも入りますか?」
「ええ、入りますよ。でもねぇ、これ、人気があってよく試着していただくんですけど、皆さん、『なんか違う』っておっしゃって、売れないんですよ。ラインがちょっとよくないのかしら」
というわけで試着させてもらって、出てきて鏡を見て何となくわかった気がした。
「この…何と言うか…『かっぽう着』感のせいじゃないでしょうか」
「かっぽう着!そう、それだわ!かっぽう着っぽいんですよね!」
「でも私は家で楽に着られる服が欲しいので、全然かまいません。ぜひこれを買わせてください」
「ありがとうございます。息子くんのお母さんだから、さらにおまけして2千円にしちゃいますね!」
「そんな…ありがとうございます」
向こうは売れ残りがはけて、こちらはさらに安く買えて、ウィンウィンな話だと思いたい。
息子が「じゃあ、また来ます。お邪魔しました」と言い、私も「近くに来たらまたのぞいてみますね。ありがとうございます」とお辞儀をして、お店を辞す。
「明るくて、いい人だね。Hくんによく似てる」
「そうだね。いい人だよ」と話しながら、駅からすでにずいぶん西に歩いてしまっていたので隣の駅まで歩いた。
もうひと駅歩けば家なんだが、さすがにひざが悲鳴を上げてる。
ひと駅だけ乗る電車はなんとなく屈辱だ。
家に帰ったらせいうちくんが大喜び。ちょうど会議が終わったところらしく、しばらく息子と話していた。
「集客はしっかりやりなよ。せっかくの大舞台なんだから」と言われても、息子は私に言ったのと同じように、
「絶対いいものができるから、大丈夫!」と答えるのみ。
やる人の満足も大事だが、見てくれる人あってのパフォーマンスなんだけどなぁ。
こっちがパフォーマーってものをわかってないのか、向こうが観客を観てないのか。
スペースを押さえ、木戸銭が発生する時点で「いいもの」の意味は変わってくると思うんだが。
せいうちくんはまた会議に入り、息子はシャワーを浴びに行ってそのあとは揺り椅子でまどろんでいた。
こんなことなら私が隣町まで行かないで最初っから家に呼べばよかったな、と愚痴をこぼすと、息子は目を閉じたまま「まあいいじゃん」とつぶやいてた。
また会議が終わったせいうちくんは15分で3食分の焼きそばを作るという離れ業を見せ、その間にワーホリの話を聞いて、
「今行こう!この先はもうチャンスがないかも。手伝えることは何でも言って!」ってモードのままあたふたと仕事部屋に戻って行った。
焼きそばをたらふく食べた息子は、これから大宮に帰ってMちゃんが仕事から帰って作ってくれるご飯を食べると言う。
大した胃袋だ。
というか、今日は私が呼び出したうえ拉致しちゃったわけだが、ヒマならMちゃんの代わりに晩ごはんを作るべきだったんじゃないだろうか。
親の考えもなかなか一貫しない。
今度、我々の結婚記念日に2人で泊まりに来てくれるよう息子を通してMちゃんにお願いしてもらう。
息子の「伝言」ははなはだ心もとないので、念のためMちゃんに直接LINEを売っておこうっと。
楽しい1日だった。
せいうちくんと、
「僕らは息子が好きすぎるね。彼が幸せなように生きてほしいし、そのわりに『こう幸せになりたいなら、ここが近道だよ』みたいな僕らの視点の意見は行っちゃうし。もうほっといて、ぼくら夫婦だけの人生を楽しまないとね」と結論づけていた。
私は私で老人ホームに入るなら大宮の近くにしようか(料金的にはこれは効果的)とか考え始めちゃう。
でも、せいうちくんが、
「そしたら空いたこちらのマンションに息子たちが住むよ。ちっとも近くならないよ」とズドンと的を射るし。
先のことはわかんないから、名古屋のCちゃんが言うように「今を楽しむために生きてるのよ!」って考えよう。
それにしても秋に沖縄でリゾート婚を挙げたいという若夫婦が、もう6月だというのに場所も人数も采配も何も考えていないのは困ったものだ…
23年5月26日
戯れにネットで無料のIQテストを受けてみた。
結果は「78」!
20年前にテレビの番組で測った時は142だったのに。
いくら薬をのんでぼーっとしていたとしてもあんまりな結果だ。
20年の間にバカになったのだろうか。
これからは「下位10%」の人間として生きて行くしかない。
ゆめゆめIQなど測るものではない(涙)
しかし年齢でそんなに変わるもんなのかねぇ、IQって。
小学校で受けた時はIQは聞かなかったが偏差値としては75だと言われた。
それからずっと当たり前に自分は「頭がいい」と思い込んで生きてきたので、それ以外の自分の捉え方は非常に難しい。
でも、現実を見なきゃなぁ…
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