見出し画像

年中休業うつらうつら日記(2024年12月7日~12月13日)

24年12月7日

せいうちくんと一緒に自転車で皮膚科に行く。
餅肌の女性医に会うため、わざわざ前に住んでたマンションの近所まで行く女医好きの私は手術痕のケロイドを抑える薬と抗アレルギー薬を3か月分だしてもらい、アトピー持ちのせいうちくんも抗アレルギー薬を2種類もらう。

せっかく来たので、最近気になってる左目下のまぶたのたるみについて聞いてみた。、
「ここって、ボトックスとか使いますか?」
形成外科も兼ねているので、前に手首のホクロを電気メスで取ってもらったり、顔のシミをスクラブで消してもらったりしたことがあるもんだから。
「ボトックスは使わないわよ」と言われ、間違えちゃったか、と、
「ヒアルロン酸はどうですか?」とさらに聞く。
「そっちはやってるわよ。んー、でも、特に必要ないんじゃない?」
「ちなみにおいくらぐらいですか?」
「1回5万円」
ヒアルロン酸高くてびっくり。5千円ぐらいかとなめてた。
即時撤退する。

化粧をしないので基礎化粧品にだけ課金しており、今んとこお肌の状態は透明度も潤いもメラニン色素の沈殿の少なさもいい数値が出ている。
こないだしわを消すクリームに課金してしまった。
ほうれい線とかにも効くのだそうだが、さて、効果はいかに。
1か月分1万円近いので、効かないようなら無理はしないぞ。
目尻にまったくしわが出ない体質なのは我ながらありがたい。

昔の行きつけの激安八百屋に行って、あいかわらず顔見知りの売り子のおばちゃんに歓迎され、あれこれ買いまくる。
最近「紅天使」を焼き芋にしたやつをスーパーで買ってるんだが、たいそう大きな「紅はるか」を安く売っていた。
200gの焼いてある紅天使1本227円と、900gの焼いてない紅はるか1本290円だったらどっちを買う?
今回は迷わず900gを取った。
オーブンで焼いて焼き芋にする電気代を入れてもこっちの方が安いし、たくさん食べられる。

バナナも買った。
左が20本ぐらいの新鮮で大きな房で680円、右がコンビニで280円ぐらいの3本の束である。
さて、あなたはどちらを買いますか?


鍋の具材や煮物の材料を買い込んで、せいうちくんの持ってきたマイバッグは2つともぱんぱん。
帰り道にスーパーで買い足しをし、3つ目の袋が発生したのは私の自転車のカゴに入れる。
いつもはせいうちくんが1人で買い物してきてくれてるけど、こんなに大変なんだ。
少々高くついてもネットスーパーを検討するなぁ、私なら。
せいうちくんはまだまだお買い物が楽しいらしく、スーパーに行くとるんるんしてしまうそうだ。
生命力を感じる。

アプリで薬局に送った処方箋、今日明日はお休みなので月曜に取りに行かなくちゃ。
処方箋の有効期限は4日間。
月曜に忘れると少し苦しい。スケジュール表に書いておこう。

帰るともう14時。
干してあった洗濯物を取り込み、昼寝をして、夜は「医龍」のDVDを観る。
原作は大学病院の教授線を中心とした話に当時は珍しかったバチスタ手術をからめて描いていたが、ドラマの方では第3部ぐらいからちょっと様相が変わってきた。
医師としてのそれぞれの生き方を問われる、みたいな。
こんな話だっけ?

24年12月8日

朝8時に新宿駅西口のまねきねこに集合して、久々にカラオケ大会。
Gくんとの車中泊中や車を返しに行った際に長いカラオケをやることが多かったが、久々にGくんせいうちくん以外のメンツと。
Sちゃんが小型で高性能のプロジェクタを買ったので、それで遊びたいそうだ。
カラオケ大好き長老とたまたま北海道から用事できていたUくん、そして松本かつぢの展示会に行くらしいHくんがやってきた。
見事にバラバラな歌の好みなので、どうなるか想像がつかない。

Sちゃんは苦労してプロジェクタをノートPCにつなぎ、モニタ下の壁の白い部分に投影して、まずは三波春夫映像に合わせて「槍の玄播」を歌ってくれた。
もう10年以上前の紅白歌合戦で、「雪の中をさく、さく、さくさくさく、おおっ、蕎麦屋かぁ!」のところが好きで、印象に残っていた。
三波春夫の流暢なセリフが続く中、歌の部分はSちゃんがこぶしをきかせて熱唱する。
車中泊で京都の方まで行っているGくんは参加しようがなくて悔しかったに違いない。

私はポルノグラフィティを歌い、Hくんはaikoと新しめのアニソンを歌い、Uくんもどうやらアニソンらしい。
最近のアニソンはロボットの名前や必殺技を叫ばないので何の歌なのか、さっぱりわからない。
「紅蓮華」はイヤにほどになると散々聞いたので知ってはいるが、もちろん歌えない。
せいうちくんに米津玄師の「LEMON」を歌ってもらって落ち着いた.
長老は、何があっても古いアニソンである。

Sちゃんがミキサーよろしく、カラオケ画面の下にプロジェクタを投影して、カラオケによくある、例のけだるく酒を飲む女とか砂漠を行く男とかビルの風景とかじゃない、本人映像をきっちり出してくれて大変盛り上がった。

それに何よりSちゃんは上手いのだ。
我々はこういう人々を「スナッカー(スナックでカラオケして鍛えた人)」と呼んでいるが、人が歌っている間、次に自分が何を歌おうかリモコンとにらめっこしていてまったく聞いちゃいない聴衆を相手にするカラオケBOXではなく、店中が自分の歌を聞いてくれる、ヴィヴィッドな反応のあるスナックのカラオケで鍛えられた「聴かせる歌」だ。
選曲が渋すぎる以外は、堂々と張りのある声で実に上手だった。
ぜひTVの「のど自慢大会」に出てほしいと思った。
日頃、町内会のカラオケとか行くと、八神純子を歌っただけで「知らない」と年配の方々に言われるそうだ。

思い出すなぁ、飛鳥Ⅱの正月クルーズに行った時、最後の晩にスタッフによる昭和歌謡大会があったが、ぎりぎりついていけたのが尾崎紀世彦の「また逢う日まで」で、「1週間に10日来い」とか軍歌はもう、全然わからなかったものだ。
我々も年配者に入り始めているが、きっと自分たちが入る老人ホームにはカラオケルームがあり、松田聖子とか沢田研二を歌いたがる老人がマイクの奪い合いをするのだろう。

朝の8時から12時まで4時間歌って、撤収。
もうひと呑み行きたそうな長老であったが、我々は新宿まで出てきただけでくたびれたヘタレなので、西口のブックオフに寄って帰る、と宣言して抜けてきた。

新宿西口ブックオフは、フロアが5つぐらいに分かれていて物量は豊富だが、売れ筋が多く、あまりレアなものに行きあたることはなかった。
値段は何となく高い。
3階で文庫本を物色していたせいうちくんと4階でコミックスを漁っていた私が合流して帰る時になって初めて、5階が「女性向けコミックス、BL」のフロアになってるのに気づいた。
くたびれてたので帰ったが、寄っておくべきだったなぁ。

帰るとまた昼寝。
2人とも、昼寝しないともたないんだ。
そして夜は「医龍」。
第4部になってますます違和感が増してきた。
もしかして我々、DVD-BOXを買ったあと、終わりまで観たことがないんじゃないだろうか。
全然知らない話が展開されていた。
それはそれで、知らないドラマを観るようで新鮮でお得な感覚ではあったかな。

18時から大河ドラマを4Kリアタイ視聴しようと思ってたのに食事の用意が遅れてしまったので、12時に予約録画しておいた分を観ることになった。
もう終わりが近い。
今年も残り少ないってことだね。

先週「ゴールデンカムイ」ドラマ版の終わったWOWOWは、もう退会してもいいんだが、観たがってる友人に円盤を焼いてあげたい。
しかしコピーワンスなので、うちの分が残らなくなるし、DVDとして持っているよりHDで持っていたいと思う。
そこで、再放送一気放映を録画して、全話を2回録画した格好で終わった。
ワンセット焼いてあげても、うちにもうワンセット残ることになる。
これを録画したから、もう退会しよう。
次の支払日までは受信できるそうだから、あと何日残っているか楽しみだ。

24年12月9日

今日は整形外科に行かないと、2週間間を空けないとシップがもらえないのと年末の予定とが拮抗しており、大変ピンチ。
朝も寝過ごしたし、夕方にはすっかり忘れていた。
明日行こう。

ふとWOWOWをつけてみたら、視聴できなくなっていた。
過去メールで調べると、なんと10月の9日に入会していたのだった。
控えとかないのが悪いといえばそれまでだが、よくもこうまで偶然にギリギリの日に退会出来たものだと、自分の強運に感謝した。

24年12月10日

あさイチに整形外科に行く。
わりと空いてた。
左ひざの痛みがひどいので「水、溜まってませんか?」と訴えたら、あちこち押して「うーん、またレントゲン撮ろうか」でレントゲン室へ。
そのあとの診察では左の膝の内側の軟骨がさらにほとんど消えており、骨同士が当たって痛むらしい。
日頃シップと鎮痛消炎ジェルしかくれないのに、めずらしくヒアルロン酸打ってくれた。(形成外科のヒアルロン酸ほど高くないのか?保険診療内だし)

「また来週診せに来て」と言われても、私でさえ年末はいろいろ立て込んでるんだよぉ。
再来週に来ることで話をつけ、シップもらって帰る。

そのあと溜まってしまったレシートと格闘して家計簿つけてたら、あっという間に17時半になっており、せいうちくんも仕事が終わってしまった。
自分でも「根を詰めるタイプ」だとは思っていたが、5、6時間、電卓とレシートとPCをあれこれしていたぞ。
案外すごいな、私。

もう3週間ぐらい期間未定・行き先未定の車中泊に出ているGくんが、こともあろうに我々が正月休みに行こうと思っていた四国に先に上陸してしまった。
何と言うか、よその陣地をぺたっと踏んで、「わーい、オレの、オレの」と言われているような悔しさがある。
もちろん誰がどこへ行こうと自由なんだが、ちょっとだけ四国の新鮮味が失せた気がするのはいたしかたない。

このうえは、関門橋を含む4つの橋を全部渡って気晴らしをすることにしよう。
こっちも予定外に九州の地を踏む流れになっている現在。

24年12月11日

今日はせいうちくんの会社で同期会があるようで、午後過ぎに出社して行った。
夜には友達を1人連れてきて泊まってもらうそうなので、年末に行くつもりだった美容院、行ってしまおう。
このあとママ友との忘年会とか息子のコントライブとかいろいろあるから。

と思ってたら11時頃息子から連絡があった。
「お母さん、今日、いる?」
「14時まではいるよ。父さんも16時ぐらいまでいると思う」
どうやら来週の仕事で使う衣装としてせいうちくんの背広と革靴を借りようと思って週末に来る予定だったのが、今日のリハーサルでもう必要になるとわかったんだって。
「1時間半ぐらいで行くから。急にごめんねー」

実際、昼過ぎにやってきた息子。
「Mちゃんは元気?仕事見つかった?」
「うん、喫茶店で働いてるよ」
「食事出してるとこ?」
「うん、たくさん」
「ナポリタンあるなら今度食べに行こうかな」
「あるよ。ぜひ行ってあげて」
としゃべりながら、せいうちくんと2人でさかさかとスーツと靴やベルトなどを袋詰めしている。

「30分ほどゆっくりしていける。シャワー借りるね」
彼は、どんなにちょっとだけしか家によらない時でも、可能なら必ずシャワーを浴びていく。
別に水道代が惜しいわけじゃないが、君が住んでるシェアハウスは光熱費込みだろう。
そっちで浴びでほしいなぁ。

「何の仕事するの?」
「忘年会の余興にインプロコント頼まれた」
「ふーん、じゃあギャラ出るんだ」
「出るよ」
「年末だし、ご祝儀も出るといいね」
「いいねー」と話しながら私のタバコを吸う。
「もう、電子に切り替えたの?」
「うん、いちおう節約と健康のために新年から禁煙するつもりで吸い上記だけ出るやつも買ってあるよ」
「そっか」

あっという間に出かける時間になり、おやつ置き場においてあるチョコ菓子と1本残ったバナナを目ざとく見つけ、
「これ、もらってっていい?」
「いいよ」で、彼のおやつとして持っていかれた。
生き抜く知恵が少しずつついてきているのは喜ばしい。

あと、どうやら年末年始に我々が車中泊に行ってる間、マンションを使いたいらしい。
「カギもらうよ。いない間、使わせてくれるんでしょ?」
「いいよー」
でも結局、カギは忘れて行った。
次に来た時に渡さなくっちゃ。
2人きりでくつろいでくれ。

その後、私は美容院に行き、名古屋の友人Cちゃんの「せいうちさん、女性には月に1万5千円ぐらい髪の手入れにお金がかかるんですよ」と言ってくれたおかげで具体的な数字に目覚めたせいうちくんは気前よく「カラーでもトリートメントでもなんでもやってきなさい。別料金の発生する上級スタイリストに頼んでいいよ!」と大盤振る舞い。
ありがたくカラーとトリートメント、カットをお願いしよう。
もっともカラーは3月以来だそうでかなり白髪が目立つようになっていたし、トリートメントも1年前の息子の結婚式以来やってないんじゃないかな。
Cちゃんの思惑を越えて美容にケチなのよ、私自身が。ごめんね。

でも一番いいトリートメントの次にいいやつ施術してもらったからつやつやになったし、カラーもいつもの赤っぽい色にきちんと染まった。
これから少し伸ばすつもりでボブスタイルを意識してカットしてもらう。

「息子さん、元気ですか?」と聞いてくれるスタイリストさんは、実は今年いっぱいでこの店をやめて一本立ちするんだそうだ。
「知り合いが居抜きで譲ってくれる店で、1人で営業するつもりです。1人何で予約とか取りにくいとは思うんですけど、ぜひいらしてください」と名刺もらっちゃった。
特に今んとこより高いってことはなく、メニューによってはむしろ安いのもあるそうだから、来年になったら連絡してみよう。
慣れた美容師さんを持つのはおそらく多くの女性の共通の夢だと思うよ。

さて、髪の準備も整って16時に家に帰ったら、せいうちくん、まだ家で仕事してる。
「わー。可愛いね!色も綺麗だよ。いい出来だね」と喜んでくれ、もうひと頑張りしてから会社に向かった。

22時頃には同期会で会って話せたという、大分の研修で一緒だったFさんを連れて帰って来た。
千葉のおうちに2回も泊めてもらったことがあるので、今回はうちに泊まってもらおうというプランだ。
「こうやってせいうちくくんの家を訪ねる約束を果たせて、うさこさんにも会えて、嬉しいです。家内から、うさこさんにプレゼント預かってきました」

6cm四方ぐらいの立方体の箱2つには、それぞれかわいらしく縁起のいい模様のすりガラスのぐい吞みが入っていた。
ありがとうございます、F夫人!

2人が2時間以上離しているのを横で聞いていたが、やはり同じ会社、しかも大きくて重い、実態のあるものを作っている会社の人は「アツい」なぁ、と感じた。
Fさんは「へちゃむくれの石炭にちょっとなんかするとべっぴんな石炭になるんですわ」と言うコークス担当だからもちろん熱く燃やす男なんだが、せいうちくんも見たことないほど嬉しそうに闊達に自由自在にしゃべっていた。
仕事の種類が違っても、やはり会社の話というのが彼のマザータングであり、それ以外の言語でしゃべるのはたいそう苦手な人なんだ、とあらためて思った。
私がこの先どんなに話を聞いてあげても、40年近く「ツーと言えばカー」で回ってきた仕事の話に入れるわけがない。

技術的な話が続いているのでFさんが気を遣って、
「うさこさん、大丈夫ですか?こんな面白くもないわからん話が続いとって」と聞いてくれたが、意外と私は知らない世界の話を聞くのは上手い。
他のことに置き換えるとか、類推するとかして、なんとか理解のうちに収めてしまおうとするのだ。
本格SF好きの真っただ中に放り込まれて、下級SF読みとして文脈をたどることだけは達者になった名残りかもしれない。
いずれにせよ、2人とも本当に楽しそうだった。
料理はたくさん食べてきたらしくて、柿ピーをつまみにビールをがんがん飲んでいた。

お互いの家族のことや、子供たちの将来、自分たちがどういう風に老後を送るかまで、縦横に話し合った。
Fさんは70歳ぐらいまで仕事するのもいいな、と思っていたそうだが、せいうち家の遊びたがり精神を浴びて、
「確かに、必要になったらまた働くことにして、とりあえず2年ぐらい何も考えずに好きなことして暮らすのもいいねぇ」と言い始めた。
「お金やら、足りる時は足りるし、足らん時は足らんもんねぇ。一通り準備したら、もうそれ以上考えても仕方ないかもねー」と我々より自由で気楽な人のようで、こんないい友達と入社早々の研修で会って意気投合し、その後も4人からだんだん増えていく家族たちで起訴の保養所に大集合した時もあったなぁ。
名古屋に配属になったIくんには小5ぐらいの息子と甥っ子が朝の堤防釣りを教えてもらって、そこんちの奥さんは名古屋の人なので、「机は絶対『つり』ますよねー!」と固く手を握り合った日もあった。
いつか、孫まで入れてあんな集まりができたらどんなにいいだろう。

Fさんは本当に親切で、優しくて、気配りができて、でも細かさを全く感じさせない、魅力的な人柄だ。
「せいうち家をみんなで訪ねた時にね、『あー、家庭っていいな、結婚っていいな』って心から思って、そん時まだビミョーな段階だったカノジョにみんなが電話しろしろ言って囃し立てるのに乗っかって、プロポーズしたんですわ」
えー!あの社宅の、寒さよけに掛たいい加減なカーテンの陰に隠れて照れくさそうに話してた、あの時がそんな重大ポイントだったの?!
「だからか、カミさんもせいうち家には親しみを持っとって、せいうちさんうさこさんていつも言ってますよ」
わーん、嬉しい話だよぉ。
今度、4人で美味しいごはん食べに行こう!

大学に入ったばかりの末の娘さん以外の2人はもう結婚したり家を出たりで、今は3人暮らしらしいので、せいうちくんは、
「最後の子供が出ていくとね、家が広々と無限に広く思えてきて、ほんっとうにさびしいもんだよ」と無駄に脅したりしていた。

そう言えば昼間息子が来た時、気の早いせいうちくんがいつも息子が泊まる時布団を積んでおくスペースにFさん用の布団を一式積んでおいたものだから、息子が、
「あれ?この布団ってずっとここに積みっぱなしなの?」と不審がっていた。
「今日は父さんの同期会でね、入社すぐの研修先で仲良くなってそれからずっと家族ぐるみでつきあいのあるひとを連れてきて泊まってもらうんだよ。あなたも、基礎の別荘にNちゃんとSくんと一緒に行ったの、覚えてるでしょ。IさんところのEくんとかAちゃんとか、みんなで写真撮ったじゃない」
「ああ、Fさんところは九州にいらした時も訪ねたね。お世話になったなぁ。そんな友達と今でもつながってるって、僕にはすごく先の話なんだけど、とっても生きる力が湧いてくるよ。Fさんによろしく!」と息子は帰って行った。
確かに、突然灯った明るい光が再び消えたように静かに、寂しい室内になってしまった。
娘も、外泊で家に帰ってきてる時はいるだけで明るかったな。
チューブだらけになって外泊ができなくなって残念だ。

24年12月12日

1時ごろに寝たFさんとせいうちくんは7時過ぎに起きて、シリアルとミルクティーだけという貧しい朝食を腹に収めて出かけて行った。
東京駅まで一緒に行き、せいうちくんは仕事に、Fさんは家に帰るらしい。
「奥さんによろしく。皆さんによろしく」と言っても言っても言い足りなかった。

緊張も強かったので日中の薬をオーバードーズ気味にのんだら、夜になってもうつらうつらしていた。
せいうちくんが帰ってきて晩ごはんを食べ、腑に落ちない「医龍」の第4部を観終わってからずっと観ているのがWOWOWで録画した「GIFTED」のシーズン1とシーズン2。
まだシーズン2に入ったばかり。
役者さんが急に豪華になったな。
高橋克典や田辺誠一が出てくるようになった・
増田貴久と浮所飛貴が若くてイケメンで指名を持った一族が出てきてそこの総領で家に岩造りの露天風呂があってしょっちゅう2人の入浴シーンがあるってのは、腐女子層にも向けているビームを感じる。
しばらく観てみよう。

昼間の薬をたくさんのんだせいか、夜になってもうつらうつらしていた。
せいうちくんは仕事がたまっているので、寝る時間になってもPCに向かっている。
私は松本光司の長い長い「彼岸島」全33巻「彼岸島…最後の47日間」全16巻を読み終え、今も続いている「彼岸島 48日後…」既刊47巻に入ったところで眠ってしまったらしく、長くてリアルな夢をみていた。

夢の中で私は高校時代につきあっていた先輩と結婚しており、その人は地方の名家の一人息子でほとんど「殿様」みたいな地位にいる、という設定だ。
いつでも離婚して、結婚前からの愛人X子さんと再婚するよう勧めているのだが、「おふくろが許すわけないだろう」と絶対権力者の母親に頭が上がらない彼は言う。
X子さんが年上で気が強いのが気に食わない姑は、多少出来が悪くても私の方がどうも社会的ステータスが上の嫁らしく、口うるさくいびっては来るが離婚されては困ると思っているらしい。
それをいいことに私は天真爛漫なふりをして姑をおだて上げたり馬鹿にしたり、好き放題に翻弄している。

クライマックスは本家での正月で、先代が亡くなって新築したばかりの屋敷は豪華で純和風な青竹と白木造り、文字通りの「お屋敷」である。
9人の子持ちである私は全員の名前を憶えていられないぐらいで、しかもまわりはどの子も夫の歴代愛人の子だと思っている。(愛人がまた、何人もいるのだ。実際、子供の何人かは外腹)

その日も親族や大勢の使用人に囲まれて、妻妾同居の現愛人には「ステイホーム。ワンウィーク」と部屋に下がらせ、夫に天然な嫌がらせをしている。
子供たちに、
「お父さまは『学問は何より大切だ』と言いながら、高校時代からお酒飲んで遊んでばかりいたのよ」
「生徒会室は地下の防空壕跡にあって、お父さまは授業をサボってそこにばかりこもってとぐろを巻いていたの」などと語るものだから、夫は青い顔をして訴えてくる。
「僕の行状を語り継ぐのはやめてくれ。少しは僕の肝臓のことも考えてくれ」(酒呑みなのだ)
「あーら、あなたのガンマグロブリン値が高いのはストレスのせいなんかじゃありませんわ。ただの飲み過ぎですよ。ストレスでガンマグロブリン値は上がりませんし、精神状態も悪くなりません。その証拠に、私はまったく飲まないのにうつ病で、しかもガンマグロブリン値は非常に正常なんですもの」とあしらっている私。

圧巻は、夫が正月の客人として高校時代の恩師を招いていたところ。(どうも会社時代の直属上司だった係長のイメージ)
烏帽子姿の平安正装の恩師に、負けじときんきらきんの装束で夫が、
「先生も覚えていらっしゃるでしょうが、可愛がっていただいていた妻のうさこです」と紹介すれば、恩師は、
「忘れるものですか。貴女は本当に才女だった」と挨拶する。

それに対し、ひと騒ぎ起こしたい私は恩師にひしとにじり寄り、
「青春の、暑い血潮を焦がした日もございました。でも、先生は『君はもっと多くのことを学ばねばならない』と私に背を向けられました。それで私はのちに夫になる先輩から教えを受けようと決意したのでございます」

と名調子で語っている最中に、せいうちくんに揺り起こされた。
「大丈夫?!なんか、すごいうなされていたけど、どんな怖い夢をみていたの?」
怖い夢どころか、ものすごく面白い夢のものすごくいいところだったのに、と怒ると、せいうちくんはびっくりした様子で、
「そうだったのか。書斎まで聞こえるぐらいの声でなんかうなってるから、てっきり悪夢にうなされてると思ったんだ。そりゃ、邪魔しちゃったね」と申し訳ながっていた。

さて、他人の夢の話ぐらい面白くないものはないとよく言われるが、私はよく夢をみて鮮明に覚えているので、勢い夢について語ることが多い。
今回の夢の、「ご近所スキャンダル」的な馬鹿馬鹿しさ、無駄な絢爛豪華さ、人間関係の妙も、読んでる人にはまず伝わらないだろうと思うと心から口惜しい。
なお、一部は事実に基づいているが残りは全部いかにも夢に出そうな舞台設定のための妄想だ。

最近よくわかってきたことだが、夢の中でしゃべろうとすると声がなかなか出ない。
今回も名調子でしゃべりたい時に何度も声がかすれたり小さくなってしまったりした。
どうやら現実世界と夢の中で同時に実際にしゃべっている時に起こる現象らしい。
名香智子とNHK大河ドラマを合わせたぐらいゴージャスな大道具・小道具の舞台であった。
中断されて、本当に残念だ。

つけ加えると、継ぐ気が観られるかと(特技である)すぐに寝てみたが、眠るなりせいうちくんの「わー」という声(もちろん夢の中)で起こされてしまうので、
「もしかして、今、仕事終わったとかで私に念波送らなかった?」と聞いてみた。
「送ってない。まだ終わってないし」
その後も「わーい」と嬉しそうにPCの画面開いて出来上がった書類を見せてくれたりいろいろしてきて、そのたび目が覚めてしまうので、もう今日は寝るのはあきらめた。

24年12月13日

せいうちくんは0時半ごろに寝る段になってから、
「明日の朝一番にできてないといけない書類が心配になってきた。朝早く起きてやろうと思っていたけど、どうも今から始めておいた方が良さそう」と言い出し、4時半に私が起きた時にはまだ全然終わってないので寝てないと言ってた。
結局、朝の6時頃に「終わった!」と言うので、「よかったね。何時間ぐらい寝られる?」と聞くと、少しハイになった顔で「寝ないよ?今から会社行くよ?」とさっさと支度して出かけてしまった。

帰りは16時ぐらいだそうなので、それから寝てもらうしかない。
今夜は金曜ZOOM飲み会で、明日の夕方は息子たちの保育園時代のママ友達と忘年会、当時担当だった先生も2人及びしてあるし、息子に声かけて、「子供たちも、来られる人は来て」と呼び掛けてもらったので、少なくとも息子は来そうだ。
わりと仕切りが大変そうな宴会だが、せいうちくん大丈夫か。

家計簿の支出洗い出し作業をしていたら、意外と細かい把握漏れを発見した。
たとえばniftyに毎月220円支払っているのがなぜなのかわからないし、スマホのキャリアを切り替える時に費用として取られた分を計上してなかったし、何よりサブスクのLEMINOに今年の頭からずっと入りっぱなしだったことが判明した。(しかもLEMINOプレミアム。腹立つ)
2週間無料とかで入会して観たいものを観たあと、普通の退会はしたがプレミアムから退会してなかった疑いが濃厚。
これだからサブスクは怖い。

とのかく家のどの口座からどこに支払いが発生しているか、妙な費用を引き落とされていないか注意深く見る必要がありそうだ。


しかし、なによりも大問題なのは、少し控えると約束した私のマンガ購入費、11月分のAmazon明細から本以外のブツを取り除いた総額を観てびっくりしたこと。
控えたつもりで、なんで10万円超えてるんだ!
もちろんせいうちくんが買った分もあるが、ほとんどが私の責任なのは間違いない。
11月はなぁ、大今良時の「不滅のあなたへ」既刊23巻とか山本おさむの「赤狩り」全10巻とか三田誠×東冬の「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿」全12巻とか鎌池和馬×山路新の「とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の一方通行」全12巻とか買っちゃったからなー。
できるだけ安いセットを買ったつもりなのに、やはり塵も積もれば山となる。

反省して、本当にもう大人買いは止めよう。
なんか新作もいっぱい来ちゃったし、自分でも何をしているのかわからない。
どんどん好みの範囲が広がっていく一方で、松本光司の100冊に及ぼうかという「彼岸島シリーズ」を何度も読むのをやめられない。
気持ち悪い化物との戦いがありえなく無茶に延々と続くだけなのに…これは何かの中毒だろうか?
少なくとも「禁煙」と「マンガ買うの減らす」は毎週のように口走ってる気がする。
「まだ本気出してないだけ」。これで行こう。

いいなと思ったら応援しよう!