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空が高くなる季節に

アダルトコンテンツをたまに見ているのだけど、なんだか昔の自分みたいな登場人物をみつけた。
たぶんSな人は好きなんだろうなと思う。地味で演技してなくて狂ってる感じ。
その作品に対する力の入った賞賛コメントを読んでいてなんだか笑ってしまった。
嘲笑とかではなくて、楽しそうだな、懐かしいな、みたいな感じ。

自分は本当はMじゃないんじゃないか、なんて悩んでいた頃があった。自分を持て囃してくれる人達にはMだと思うよって言われてて、それはまあそう言っておいた方が都合がいいものね、なんて冷めた心で聞いていた。
でも主様にもMでないってことはないと思うよって言われてて、その頃悩みの真っ只中だった私は首を傾げてた。
でもSMの世界から離れてみて、たぶん自分はやっぱり根っからMなんだろうなって思ってる。

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まだSM界隈で会話してた頃、PMSより排卵期の方がキツイよね、なんて話題が共有され共感されていたことがあった。
わかるなって思う。
ただ最近は、そういうホルモンバランスに伴うメンタル荒れの波も少しずつ乗りこなせるようになってきた気がしてる。
キツイ時はあるけれど、少しずつ。

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人間にはいろんな側面があって、性のことだけで生きている訳じゃない。
それが自分の中でわかるようになってきたから、少しだけ世界が広がった気がしてる。
仕方ないものね。好きでこんな性癖になった訳じゃない。
精神疾患みたいなものなのかもしれないから、治したいなと思っていたこともあった。
でも最近は、そのことで特に問題が起きていないから、眠らせておいたらいいのかもなって思うようになった。性に関することしないで生きていける気が全くしなくて頭がおかしくなりそうだった頃が嘘みたいに、それらから離れて何もない今も、何とかなってる。
触れるとワクワクするもの、毎日コツコツできることも、あれからいくつか増えたり取り戻したりした。
そういうものに取り組んでいると、意識しなくても自分の中の暗い部分をいつの間にか忘れているんだ。

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今年も夏が終わっていく。
今年の夏は楽しかった。
会いたい人に会えて、やりたいことができた。
主様と趣味のことをして過ごす時間は積み重ねがあって、楽しい。青空の下で陽の光をいっぱい浴びて過ごすと元気が出てくる。
自分の中で、何かを自由に決めるということの感覚が少しずつ戻りつつある。
自分の弱い部分や怖がりな部分、いわゆる負の部分に対して、向き合う勇気が持てた時もあった。
そこは流石にまだまだで、逃げ出したくなる時も多いけれど、少しずつでいい、前に進めたらいいなって思ってる。

キラキラと輝く風景が心の中に残っていて、すごく暑かった今年の夏は、次の目標に向かう元気をくれた。
落ちそうになった時、それを思い出したいなって思ってる。えいって気合い入れて前を向く強さがほしいなって思ってる。