私の桜
故郷から離れる時というのは普通なら学校を卒業して社会人になった時などかもしれないが、私は結婚をして生まれたばかりの娘と共に故郷を離れた。春で桜が満開の時だった。
これから旅立つという時、近くの公園のこの桜に見送られて、不安としっかりしなきゃという気持ちを持って、この満開の桜を見ていた。
そしてそれから・・・
一緒に旅立った娘が成人式をむかえようとしている。母と父に頼って甘えていた私が、今度は何かあれば母と父を支えていく立場になっている。
これまでとにかく必死で走ってきた。本当に忙しい時は、自分が何を考えているのかも、何を思っているのかも、どんな気持ちだったのかも何も考えずにしなきゃ行けないことは追いまくられるようにやってきた。
そしてここにきて、ようやく母の気持ちが分かり、自分のことを支えてくれた両親の存在がとても大きかったことがわかった。自分の幸せがたくさんの人の温かい思いに支えられていることを感じた。
そしてずっと会えないでいた桜に会ってきた。
自分の心に深い安心感と温かさが広がる。私に帰ってこれる場所があったんだなあと感じる。
毎年同じように綺麗な桜を咲かせて、ずっと待っていてくれていたような感じがして、ジーンと心に来た。