海のむこうのはるか彼方
地球が丸いとか、大陸が6個もあるんだとか、そんなこと誰も知らなかった時代。
海のむこうに浄土があるんだって想像することはべつにそんな不思議なことでもなかった気がする。
補陀落渡海は南の海の果てにあるとされた観音浄土を探す旅。
船の上にひとがひとり入れるくらいの小部屋を設け内側からは開けられないように外から釘を打ちつける。
小部屋の中にあるのは30日分の食糧とわずかなすきまから漏れてくる光。
たぶん五感が遮断されて第六感みたいなものと一切の浮世的な邪念を取り払った極限の状態に