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待つのが苦ではない、という幸せ

年末年始家を空けていて、帰宅して郵便受けを開けたら美容室から手紙が届いていた。

めずらしいな、と思い封を開けると担当の美容師さんが海外留学のため半年ほど美容室を休む、ということだった。その方は、今の家に引っ越してから通い始めた美容院で偶然に私を担当した方で、その人に似合うカットをしてくれる、ということで紹介されていた。事実、その人が担当してくれるようになってから、家族にも会社の人にも髪型いいね、と褒められることが増えた。

そんな技術はもちろんだけれど、指名を2年以上続けている理由はそれ以外にもある。彼女の持つ「スタイル」に憧れていることだ。女性の私から見ても本当に美しく、私がなりたい「穏やかで明るい洗練された女性」といったたたずまいで、それでもお店を回す立場としてきりっと仕事をしていて、彼女の美容師としての腕の良さもさることながら、その雰囲気に憧れてずっと指名している、というところがあった。

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年末に、挨拶をしに行ったお店があった。そこはアパレルショップだが、ある店員さんの接客が好きで通っていた。その方から会員セールのお知らせに添えて、お休みに入る、ということが書いてあったので、休みに入る前に伝えておきたいことがあったので時間を作ってお店に行った。その方の接客スタイルは「とにかく明るくて、着せ替え人形ばりにどんどんコーディネート提案をしてくれる」というもの。

通常、「何かお探しですか?」と声をかけられる場合は、サイズ違いの提案か、同じような形の商品を勧められることで終わりがちなのだが、このお店は「どういったものを探しているか」を伝えたうえで、トータルコーディネートを提案してくれたり、自分では選んだことの無い色を「これは似合うと思います!」とお勧めしてくれるので、ゆっくり時間を取って行く。

会計の時に「初めて接客してもらったとき、どんどん提案してもらえたことがすごくうれしかったので、よく覚えているんです」と伝えると、その店員さんは「私たちの仕事は、お客様も知らないその人の良さを引き出すことなんです。だから、そういう提案ができるお店にしたいんです」とおっしゃっていた。

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2人とも、仕事を通してポリシー、スタイルがあることが伝わってきて、そんな風になりたい、と思わせてくれるから、また次もこの人に接客してほしい、と思い店に足を運ぶきっかけになっていた。
理由は違えど、一定期間の休みを経て帰ってくる彼女たちをどうパワーアップして帰ってくるんだろう、と楽しみに待つことができる。

今、職場を少し離れて仕事をすることに対しての不安、休みの間に忘れられたらどうしよう、という発想を持っていたけれど、こうした「ポリシーある人の接客」を体験をしたら「この人が帰ってくるのが楽しみだ」と思えることを教えてもらった。半年でも1年でも、待つことが苦ではない。

ということは、私も「帰ってくるのが楽しみ」と思ってもらえればいいのだ。接客業ではないけれど、仕事で接する相手にそう思ってもらえるように。産休に入る前の同僚にも「パワーアップして帰ってくるのが楽しみ」と伝えたいし、自分もそうありたい。

2019年の目標は
「待ってでも会うのが楽しみ、と思ってもらえる人になる」

そのための挑戦をすることだと年末年始のいったんの別れを挟んで気づいた。

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