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恥部晒し


お世辞にも頑丈とはいえない自分のメンタル。些細な事で揺らいだり、誰かの無自覚な言葉が奥の奥まで突き刺さったり、考えが考えを呼んで自分で背負いきれないほどのストレスに膨れ上がったり情けない日々を繰り返している。

目の前に飛び込む景色は白と黒で作られていてどこまでも無機質。幸せとは無縁の冷たい世界。物言わず命を削る事だけを強いられる異空間。初めは怯えているだけだったのに今となってはそれが当たり前になりひたすら動き続けている。もしかすると悪い意味で慣れてしまったのかも知れない。


それでも心は正直なもので窮地に追いやられるとちゃんと悲鳴をあげている。けれどそれに耳を傾けても、紐解けば子供が駄々をこねているだけに過ぎないのでずっと無視をし続けて叱責を浴びせている。


弱音を吐くなど「情けない」の境地。周りは何も言わずに戦い続けているぞ。何を甘えたことを言っているんだ。逃げ口上のような泥を吐いている場合ではない。ただ動き続けろ。動け。動け。動いて動いて動き続けろ。ひとつも取り柄がないのだから追い込み続けろ。どうせお前は死なない。口先だけで死ぬ勇気を持っていない。ファッション感覚で病んでいるだけ。それぐらいの人間。ならば馬車馬となって動け。取り柄がないのだから働き続けろ。愚図。愚者。醜男。人が本来切り捨てる部分だけをかき集めて出来たような奴がほたえるな。新しい道を探す勇気もない奴が偉そうな口を叩くな。




これだけ侮蔑に塗れたら強くなれるはずだと思っていたけど現実は違った。刺しても刺しても惨めさが加速して虚しさが残る。数少ない自己肯定感が消えて地の底に堕ちたような気分に陥る。また鬱屈したものが増えていく。心を自分で捌ききれなくなる。

一体何をしているんだ。

ただ血が流れただけじゃないか。


自分はネガティブに支配されると言葉に表したくなる。散らかった心を整えるために書き連ねていく。書いては消して書いては消して、書き終えても改訂を繰り返して。どれだけ時間がかかってもとにかく言葉に表していく。そうする事で乱れが少しでも整理される気がしている。思うだけでは何もならず、全身に負担がかかって押し潰される。ならばいっそのこと表したほうが楽。多くの目に止まる事はないのだから病みきったって構わない。いわゆる自己防衛に近い。生き抜くために必要な手段である。

ただこの歳になっても相変わらず恥部を晒すような事を繰り返す自分に呆れだしてもいる。子供の頃に思い描いた「大人」には程遠く、今でもちゃんと傷つくし、落ち込むし、全てに対して無気力になったり自暴自棄になったりする。

みっともない。
何の成長もしていない。
強くなった気でいるだけの未熟な老人。
貴重な時間を溶かしたゴミ。
無駄に歳を重ねただけのカス。
人の皮を被った何も出来ない人形。
爪と髪が伸びるだけの何か。

大人って何が起きても動じず冷静に対応できる者だと思ってたんだけどな。そうなりたくて生きてきたのに全然ダメだな。一体どうしたら一切悩まず明るく楽しく陽だけを振り撒き、いざとなったら勇敢かつ落ち着き払っていて頼りになれる大人になれるのだろう。理想には1ミリも近づけていない現状が嫌い。




それでも生きる事を強いられるわけだからとにかくやるしかない。それで潰えたって構わない、というか長く生きようとも思ってない。こんなのが長く生きながらえたってどうしようもない。綺麗事を並べても人間には優劣が確かに存在していて自分の存在は明らかに劣。だから今すぐじゃなくていいけど叶うなら早めに…。なのが理想。現実はどうなるかわからんけどね。



人間ってめんどくさいや。

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