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2023-01-20: 酒で失敗したインシデント事例棚卸し

19日、半仕事・半プライベートでアニメ関係者と都内で飲んでいた。
飲み出しがやや遅かったこともあり、座を切り上げるころには終電の時間が近づいていた。

酩酊してはいなかったが多少の疲労を感じており、電車の椅子に座って本も開かず目を閉じた。ああ、あと2駅で自宅最寄りだ。奥さんにLINEで連絡しておこう。
不連続に船を漕ぎながら、まどろむ意識の中で考えていた。

はっ、と意識が復旧したときにはすべてが手遅れで、私の乗る車両は自宅最寄りから数駅離れた駅舎にちょうど停車していた。
急いで降りたが、逆方向のホームはすでに封鎖されており、電車による移動手段は封じられていた。

睦月の寒風吹きすさぶなか、薄着で田舎道を歩くことになる。しばしば空車のタクシーに出くわすが、手を上げてもなぜか素通りされてしまう。
幽霊タクシーを幻視したのか、はたまた私が幽霊だと思われたか。

結局、一駅歩いたあたりで奥さんから連絡が来て、車で迎えに来てもらった。かじかんだ全身をシートに深々と沈めながら、負傷兵が救出される気分を400倍希釈したような感情に浸る羽目になった。


同様のケースに遭遇した経験は一度や二度ではない。
酒で失敗したバカケースを、せっかくなので機械的に棚卸ししてみよう。トラウマがフラッシュバックしたらすぐに中断し、かわいい画像やHな画像を見て心を落ち着けることにする。

合宿で昏倒

ある学生合宿(詳細は伏せる)で、先輩からウィスキーのショット一気飲みを強要されるような極めて治安の悪い飲み会が発生し、バカ正直に付き合ったため嘔吐・昏倒。
関係者(この場合、飲酒に関してまともな人を指す)に迷惑をかけ、かつ泥酔した私が呪詛を吐き散らしたらしく、以降このコミュニティにおいて著しくカルマを高めてしまった。
帰宅後、原因不明の腸炎を発症し、入院して謎の高熱と下痢に数日襲われる。死ぬかと思った。
個人的にObject Class: Keterな経験。流石にめちゃくちゃ反省した。

知らない駅舎だ

上伊那ぼたんの単行本にも書いた話。
先輩の家でストレートの電気ブランを瓶半分以上飲み、静止を振り切って終電に乗ったが最後、午前2時踏切が稼働してない丑三つ時に、知らない駅舎の階段で目が覚めた。
終点駅で人気もなく、やたら寒い夜だったのでよく凍死しなかったなと思う。実家住みだったため、父にTELして救助に来てもらった(当時、私と父は交互に電車を酒のために乗り過ごしては、お互いを車で救援していた)。めちゃくちゃ母に叱られたが、人生初の大二日酔いだったため「頼むから静かにしてくれ」(レイモンド・カーヴァー)になっていた。

夜のピクニック

20代の頃は今以上に頭が悪く、都内で終電を逃すと宿を探さずに都内を歩き回る悪癖があった。
楽しく都会を酔歩しているのではない。千葉に歩いて帰ろうとしているのである。阿呆が。
酷いパターンだと、大崎あたりで午前1時に降車し、歩き続けて上野で始発に乗ったことがある。全く意味がない。しかもスーツに革靴で。よく職質されなかったものである。なぜビジホを探さないのか。しかも、このパターンを数回経験している。趣味なのか。
色んな意味で危険なので本当にこれはやめた方がいい。

ビジホの恐怖

まだ終電が残っている時間であったが、疲労からか酒の巡りが早く、その日は都内で急遽ビジホに泊まることにした。
酩酊した状態でフロントにて鍵を貰い受け、与えられた自室を解錠しドアを開ける。
すると目に飛び込んできたのは、ベッドの上で入眠している誰かだった。
流石に完全に酔いが醒め、真っ青な顔でフロントに駆け込んで状況を説明すると、すぐに別室の鍵が再貸与された。これも妙な話である。とくに釈明などはなかったように思う。
新しい部屋のベッドに先客はいなかった。異様に不味い水道水を飲み下しながら、本当にあの部屋にいたのは人間だったのだろうかと、ぼんやり考えながら遂に私は昏倒した。


他にも色々あるが、一旦は上記をもって筆を置く。
自分の失敗談を回想していると、同様に酒宴で同席した他人の失敗談もよく思い出される。特に無茶な話もたくさんあるが、匿名であっても無許諾での掲載は礼を失するので、それらは墓へ持っていく。

上伊那ぼたんのなかで、上記のような酒の失敗を描くかどうかは初期から迷いがあった。今も迷っている。創作の中でくらい、誰しも楽しく健やかに酒を楽しんで欲しいという気持ちがあるから。


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