2021年、出会った曲と振り返る -ふたりの紅白歌合戦-|会話ログ#8
年の瀬といえば紅白歌合戦。
一年をしめくくる豪華な音楽の祭典ですが……音楽の楽しみ方も年末年始の過ごし方も多様化しているこの昨今。
「わたしたちの紅白歌合戦」をやりましょう。
ということで、今日は「それぞれの2021年を、今年出会った曲とともに振り返ろう」という回です。
自分たちの作る紅白歌合戦……ということで、それぞれがosi組、しづむ組に分かれ、「自分の2021年はどんな一年だったか?」をコンセプトにセットリストを作ります。(今年公開された曲を中心に紹介していますが、あくまで「自分の2021年」なのでいつの曲でもOKということになっています)
2021年、出会った曲と振り返る -ふたりの紅白歌合戦-|会話ログ#8
音声版はこちら↓
osiの2021年
osi:
2021年はわたしにとってけっこう変化の多い、印象的な場面の多い年だった。人との別れだったり、場所を移したりだったりとか。生き方(ちょっと重くなるけど)とか、これからどうしようかなというのを考えることがあった。だから、そのときどきに聴いてきた曲だったりとか、「ちょっと立ち止まったりしたときに聴きたい曲」を選んできた。コンセプトとしては人生の中での、本にはさむ「栞(しおり)」になるような。
しづむの2021年
しづむ:
わたしも今年は変化があった年だな。引っ越したり、自分の価値観の変化を感じたり、それまでの活動から離れたり、人との別れがあったり……。でもこのnoteを始めたり個人で漫画を描き始めたりして切り替わりつつある年かなと思う。のでわたしは「スイッチ」「切り替え」をコンセプトに「別れの曲と、前向きな出発の曲」の流れで、今年公開の曲に限定して選んでみた。
ではふたりの選んだ曲を紹介していきましょう。挙げた曲のほとんどがyoutubeで聞くことができるので、本当にすごい時代ですね。
しづむ:
紅白っていう形だからこの曲が交互に歌われていって、ふたりの一年がひとつの紅白歌合戦という番組になるわけね。
osi:
そうね。
Vaundy - Tokimeki
osi:
VaundyのTokimekiっていう曲。Vaundyは本当に最近聴くようになったばかりで。youtubeのおすすめ動画に小松菜奈の「踊り子」のMVが出てきて、めっちゃいいなと思って聴くようになったの。その中でもこのコンセプトに合うTokimekiを選んだ。楽しい感じの曲。見えない未来がある あくびしてる暇なんかない、気楽に生きていこう、みたいな歌詞がいいなと思って、一曲目に選んだ。
しづむ:
明るい曲。いいね。
米津玄師 - Pale Blue
しづむ:
この企画って言い換えれば「おれたちの夢の紅白」なわけじゃん? じゃあ一曲目に米津玄師を持ってきてもいいんじゃないの? っていうそれだけのチョイスです。追いかけていて今も活躍しているアーティストとしてとにかく米津玄師は入れたかったので。
osi:
好きだよね、ライブも行ってたし。
しづむ:
ああー、そう。また行きたいのよネェー! 緊急事態宣言が始まる直前に滑り込みで一度だけ観に行けたのが一生の宝物の思い出。
osiは明るい選曲、しづむは長年好きなアーティストを。一曲目にはそれぞれの「テンションがあがる」曲を選びました。
あいみょん - 愛を知るまでは
osi:
これは菅田将暉や有村架純ちゃんが出てたドラマ「コントが始まる」の主題歌。ドラマも観てて、世代が近いのもあってすごい刺さった。「理想の自分と現実の自分」っていうテーマもあったと思うんだけど、自分のやりたいこともしながら、何が理想なのかわからない中で、難しいけど頑張って生きようって思えるドラマだった。曲もその内容に寄り添う歌詞だったのでいいなと思って選んだ。
しづむ:
あいみょんさん、まさに今をときめく人だよねぇ。
手嶌葵 - ただいま
しづむ:
われわれふたりがハマっていたドラマ「天国と地獄〜サイコな二人〜」の主題歌ですね。よかったよねぇ、このドラマ。
osi:
めちゃくちゃよかった。もう最高だよ。
しづむ:
シンプルに、今年見た作品の中でいいドラマだったから選んだ。この曲もよかった。この紅白なら演出的にはぜひ名場面を映しながら歌ってほしい。わたしは「切り替え」をテーマにセットリストを作ってるから別れの曲を選んでる。「ただいま」も別れの後に残された人の歌で、さっきの「pale blue」も別れた後の新しい恋の歌。この後も別れテーマの曲が多くなってます。
(同じ熱量でハマっていたドラマなので感想で盛り上がりました。友だちとリアルタイムで感想を言い合いながら見るドラマ、楽しすぎる。)
The Songbards - 夕景
osi:
この曲を知ったきっかけはイラストレーターの「福地明乃」さん。アニメ「王様ランキング」のアニメーションとかを描いてる。好きなイラストレーターさんがMVを担当してるっていうことで聞いてみたらすごいいい曲だったんで選んだんです。これもなんとなく、ある人との別れやそういう人の存在を彷彿される曲だなって聞いてて思った。誰かを思いながら聴きたくなる曲かな。かわいいからMVを見てほしい。
しづむ:
osiさんのコンセプトの立ち止まる感じに合ってるね。「ただいま」に続いて、ちょっとしっとりな曲のターンね。
STUTS & 松たか子 with 3exes - Presence I (feat. KID FRESINO)
しづむ:
選曲、被ったね。
osi:
被ったねぇ。
しづむ:
ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」の主題歌。このドラマが非常に……よかったね。よかったけど、何がよかったのかうまく説明しづらいドラマだったな。松たか子演じるとわ子が三回離婚して、元夫たちが未練たらたらで周囲にいるっていう。変な人やダメな人が出てくるけど未練たらたらなことや過去を否定しない作品だったなという感じがするね。突然の死や、恋愛をしない生き方、同性愛もさらーっと描いてて新しいなぁと思った。
osi:
うんうん。
しづむ:
この「Presence」はバージョンがドラマの回ごとに変わっておっしゃれ! 元夫の三人が一人ずつコラボしていくんだよね。エンディングもドラマの一部っていう感じだった。これも別れというか、切り替わる途中かなっていうチョイス。
osi:
わたしの言い分(?)はあとで言うわね!
しづむ:
曲がかぶったらかぶったで、それぞれがどういう理由で選んだか聞けるからいいね。
Creepy Nuts × 菅田将暉 - サントラ
osi:
これね、2021年リリースの曲じゃないんだけど……。Creepy Nutsと菅田将暉が一緒に作っている曲なんですけど、オールナイトニッポンをやってた関係でやってて。この曲、めっちゃ好きなんだよな。この「サントラ」、Creepy Nutsにヒップホッパーの仕事と菅田将暉の俳優の仕事をテーマにして書かれた曲で……。「映画みたいな生まれ育ちやドラマみたいな過去じゃなくてもこのありふれた生き様を」っていう歌詞がよくてね。この仕事をがむしゃらに頑張っていくという曲で、勇気をもらいますね。菅田将暉の声のよさが出てる曲でもある。
しづむ:
へー。コラボならではの曲だね。
osi:
そう。紅白ってよくコラボものがあるじゃないですか。それも意識してますね。
しづむ:
なーるほどなるほど。「サントラ」って変わった曲名ね。
osi:
そうだね。サントラっていうコンセプトもいいなって思ったんだよな。日々の自分自身のサントラを選ぶっていう意味で。
しづむ:
栞っていうコンセプトにも近いね。おしゃれだなぁ。
YOASOBI - 優しい彗星
しづむ:
そんな曲のあとにしっとりさせますけども。YOASOBIの優しい彗星。アニメ「BEASTERS」2期のエンディングテーマ。単純に「BEASTERS」のアニメと漫画をを見て面白かったのもあるんだけど、2期の内容と照らし合わせた、補完になっている曲でとてもよくてね。内容のネタバレになるからあまり言えないんだけど、これも別れと再出発を予感させる曲ですね。
osi:
へえ。なんかいいね。作品を見て「ああ、よかった……」って言葉にならない感情になったときに、エンディングの歌詞がその感情に寄り添ってくれたり代弁してくれたりするとより高まりますね。
しづむ:
そう。この曲のメインになるキャラクターは二人なんだけど、その関係性を丁寧に描いてくれてていいですね。オープニングの「怪物」もいいよね。
osi:
あ、それ好きー!
しづむ:
いいのよ、この曲は……。これ以上しゃべるとオタクが爆発する。
STUTS & 松たか子 - Presence
しづむ:
次に行ってくれ。って、さっきのやつじゃん。
osi:
さっきのやつだよ。ドラマより先にこの主題歌を聞いてたんだけど、めっちゃいいなって。で、「STUTSって誰?」と思って調べて、STUTSもめっちゃ好きになった。他の曲も聞いたりしたけど、2021年でSTUTSの曲を選ぶならこれかなと思ってこの曲を選んだ。めっちゃいいもんね、これ。
しづむ:
おっしゃれやし、かっこいいし。
osi:
めっちゃいいよね。曲のこと調べてたら大豆田とわ子の劇中の曲をサンプリングしてこの「Presence」に使っているらしい。すげー! って思って。制作過程のちょっとした動画も見たんだけど、「これがこれに!?」って感じでかっこよかった。
(このあとSTUTSとそこから派生する話が止まらなかったosi。まさに今年ハマったアーティスト! って感じでいいですね。)
しづむ:
紅白の番組的には、一回「Presence」を歌った後に数曲はさんでまた歌うわけね。
osi:
ふふ。
millennium parade - FAMILIA
しづむ:
「ヤクザと家族 The Family」っていう綾野剛さん主演の映画の主題歌だった曲。映画もよかった。重たいというか、心に来たんやけどさ……。番組の構成的には、ラストの盛り上がりの前の荘厳な曲のターン! ってイメージ。MVで綾野剛が真ん中に居てずっとスモークが焚いてあるんだけど、それも再現してほしいから、そのために綾野剛にも来てほしい。
osi:
それは来てほしい。
しづむ:
「優しい彗星」も同じだけど、これも映画とセットで映画の内容を補完するような曲になってる。millennium paradeには珍しい日本語の曲で、歌っているのもKing Gnuで歌っている井口さん。曲としてもほんとにいい曲で、こんな曲作れるんだ、って感動する。これ、毎回聴くたびに泣きそうになるんだよな。今年、自分の家族に犬が実装されて、(実家家族と友だちのいる)地元に戻って……っていうのがあって、今いる家族や周りにいる人を大事にしたいなと思ったので、そういうチョイスの曲です。
osi:
うんうんうん。いいですね。
星野源 - 創造
osi:
次は星野源さんの「創造」って曲ですね。これ、Nintendoの曲だったじゃん。今年はわたしはNintendoにもお世話になったし……まあ、ゲームをしてたってだけなんですけど。
しづむ:
同じく。(めっちゃゲームしてた) MVのリスペクトがすごかったね。
osi:
「創造」っていうテーマが単純にいいな、と思って。何かを作り出そうっていう曲だから。今年この活動(「隣の席のふたり」)を始めたっていうのもそうだし、もともと何か作るのをやってきたっていうのもあって、自分の2021年に合っているかなと思って選んだ曲。作り出していこうぜ、っていう気持ちですよね。いいよね。
しづむ:
いい! わたしも次の曲同じような気持ちで選んだのよ。
和田アキ子 - YONA YONA DANCE
しづむ:
和田アキ子さんが歌ってて、音楽はフレデリックというバンドが作っている曲。これすごいいい曲で、ノリノリなんだけどちょっと抜いた感じがかっこいい。このナウいポピュラーな曲に和田アキ子を持ってきたのもおもしろいし、声もあっててすげーかっこいいの。
osi:
へぇ! 知らなかった曲。
しづむ:
ずっと「踊らにゃ損、踊らにゃ損」って歌っている曲で、ラスト手前のみんなで盛り上がる曲のターン! って感じ。
osi:
そうそうそう、紅白あるよね。そういうの。
しづむ:
「踊らにゃ損です」「心踊れない毎日なんて わたし気に食わないわ」っていう歌詞があって……。われわれはお互い今年ちょっとずつ活動を始めたわけじゃない? なんていうか本当に「やらんと損やな」って思って。
osi:
それは本当にそうだね、そうだね。
しづむ:
そういう気持ちともシンクロしてくれた曲です。元気出るのよね、この曲。
osi:
わたしも聴こう、この曲。本当に、なんでもやらなきゃ損なんだよな。
嵐 - 僕が僕のすべて
osi:
やっぱトリでしょう。紅白の定石を守って、嵐をトリにしましたけども。
しづむ:
嵐はあなた入れてくるだろうなと思った。
osi:
この曲自体は古い曲で……。2008年ですね。言い訳をさせてもらうと、「ウラ嵐BEST」っていう嵐のカップリング曲がまとまったアルバムが2021年にサブスク解禁になったってことで! 一応「ウラ嵐」の中から選んだんで。(なぜか言い訳をしている)
しづむ:
ふふふ。
osi:
これはね、やっぱり……。今までもだけど、人生の選択をしたときにずっと聞いてきた曲で。今回選んだ「愛を知るまでは」「Presence」もそうなんだけど、「自分の導かれた運命をたどって今日も明日も生きていこう」っていう……。自分の選んだ道を生きていくという曲を選ばせてもらってますけど、そういう曲の中でも大好きな曲ですね。僕が僕のすべて、自分が選んだものが今全てだから、それだけは変わらないから頑張って生きていくしかない、って。頑張るしかないっていうのは苦しくなっちゃうような気もするけど……。でも大豆田とわ子のドラマの中でもあったじゃない、失敗はあっても失敗した人生はないっていう。
osi:
いろいろ選択してきた人生で、あのときああしてれば……って後悔することはあるじゃん。でもまあ結局今の自分しかないからやるしかないな、っていうのを今年思うようなことがあったから。でも始めたこともいろいろあるから、これから先がますます楽しみになって、選んだ道を生きていこうって思えて。今年はいい年だったな、っていう締めくくりですね。
しづむ:
トリの曲は来年っていう未来への繋がりでもあるしね。いいね、道が開けてて。
King Gnu - BOY
しづむ:
アニメ「王様ランキング」の主題歌にもなっていた曲(原作だけでアニメは見ていないんだけど……)。これもとにかく前向きな曲で、勇気が出て優しくなれるような曲、というふうに受け取りましたね。「王様ランキング」の内容にも沿っているんだけど、「君は誰より素敵さ」と肯定する感じがいい。King Gnuがめちゃめちゃ好きだから一曲は入れたくて。今年公開された曲はぜんぶよかったから迷ったけど、あえて選ぶならこの「BOY」かなと思って選びました。明るく未来に向かうような曲で最後は締めたいよね。来年もいい年にしたいなーって。
osi:
やっぱ前向きな曲がいいよね。
やってみて……
さて、「わたしたちの紅白をやろう」という軽いノリでの試みでしたが、「自分にとっての2021年ってこんな一年だったなぁ」とちゃんと振り返ることができました。単純に好きな曲として選んだ友だちが音楽に乗せた思いを聞くことができていい時間を過ごすことができました。おすすめの曲も聞けたしね!
自分を作る漫画を5つ選んで紹介する記事で感じたこととも通じることですが……「自分たちの気持ちや暮らしには漫画や音楽といった作品が寄り添ってくれているなぁ」というのを改めて実感した機会でもありました。
「隣の席のふたり」、今年の更新はこれで最後になります。それではよいお年をお迎えください(BGM:蛍の光)