好きが溢れる独り言「ロミオとジュリエット」(10年星組)
※ここでは鑑賞中の「ここが好き!」という気持ちを記録しています。 ネタバレ&偏見に満ちた主観、独り言ですので、不快に思われる方は閲覧お控えください。
♫序曲
愛(礼真琴さん)と死(真風涼帆さん)の踊り。
礼真琴さん、このとき研2とか信じられない。宝塚のプリンシパル。綺麗すぎて泣けてくる。と同時に、あまりの細さに「男役はやっぱり服装補正が大きいんだ!」と実感。髪の毛は男役だから短いのか、それともキューピッド意識で短いのか。どちらにせよ完璧に似合っている。
真風さんは、まだ演技観たことなくて「男役になるために生まれてきたような容姿の人」という認識だったけれど、こんなに表現力があって、こんなに魅せる踊りをする方だとは知らなかった。
この2人がいなかったら、この作品は成り立たなかったのではレベル。この星組初演の後にやる組はさぞかしプレッシャーだっただろう。
「憎しみと暴力があふれる街、ヴェローナ」
で死を見下ろす愛の表情が好き。
♫諍い (第1場 ヴェローナの広場) (第1幕)
ダン!ダン!って音にはめて登場するの、かっこよすぎて痺れる。
さあ、ここから目がいくつあっても足りないゾーンに突入である。
男女共にパッション!て感じの踊りなのだけど、特に娘役の「強強な女モーション」が大好き!(普段がカモシカだとすれば、ロミジュリはさながら豹のよう)
おしとやかな淑女だけでなくなんでも出来る宝塚娘役のポテンシャルの高さよ。特にいつもと違うスカート捌き!
男役も娘役も思い思いに髪型を作ってきてるけど、いつも以上にロン毛率が高くて眼福。汐月しゅうさんのプラチナポニーテール最高ありがとうございますそのままロードオブザリング出られます。(メイちゃんの執事の神崎といい、オールバック×金髪が悔しいほどお似合いで)あとキキちゃんの立て髪も可愛いし、個人的に如月蓮さんのあの髪型が絶妙に好き(←初見、七海ひろきさんに似ている方がいると思って注視してしまった)
これ踊りも踊るの楽しそうだけど、それ以上にこの衣装着るのが楽しそう。主役の方々と遜色ないくらい、ひとつひとつ凝っていて美しい。(どれかひとつ着られるとしたら…モンタギュー夫妻の衣装がいい)
そしてティボルト(鳳稀かなめ様)、ベンヴォーリオ(涼紫央様)の登場。
このお二方!!画面を通しても伝わってくるこの眩いオーラ。
涼紫央様、プラチナブロンドとかメイクとか全てがご自身の持っている魅力(骨格も)を客観的に把握しておられて、それにバッチリ合わせてきている感。自己プロデュース力の高さ半端ない。
他の方々の衣装が、青!とか赤!に偏ってるのに対して、ベンヴォーリオだけ黒基調なのには何か意味が込められていそう。ムーミン谷におけるスナフキンというか(?)、この世界で1人だけ俯瞰しつつ……という感じ。
そしてマキューシオ(紅ゆずるさん)、涼紫央様もそうだけど、この方の声が、集団の中で一際目立つのがすごく良かった。鑑賞中、美術とか音楽とか他に意識が向きそうなところを、この声でハッとお芝居に引き戻された。
大好きな仙名彩世のお声を聞いた時も思ったけれど、群衆に埋もれない、ハリのあるお声……
大公閣下、登場。
瞬間、仲良さそうに取り繕いはじめる両家の若者たち😂キャピレットの若者に肩組まれて、不満げなキキちゃん笑 (ポーの時も思ったけれど、こういう後ろのお芝居を探せるのがたまらなく幸せだし、オンデマンドの良いところでもある)
肩を押し退けるティボルトに対して、「大公閣下が来てるぜ」って感じで指差すベンヴォーリオの余裕よ。
後ろの若者たちの衣装をついつい見てしまう。モンタギューは青、緑系で、キャピレットは赤と小豆色?(これ、和解した後に両家とも紫色になったら面白いのに)フランスオリジナル版の衣装より、断然宝塚版派。再演ではまた衣装変わってきたりしてるっぽい。
星組再演(宝塚公式サイトgalleryより)
♫ヴェローナ (第1場 ヴェローナの広場) (第1幕)
大公、水輝涼さん。
「私が治めるこの街ヴェローナ」の”治める”の抑揚がたまらなく好きです。
ここで「大公がまた来たよ(ダル)」といった感じで、客席の方を向くベンヴォーリオとマキューシオ。
「キャピレット、モンタギュー」
で両家がお辞儀する(マキューシオは反抗期みたいな顔で、ティボルトは皮肉げに。同じお辞儀でも全然違うふうに見える!キャピレットの方が大人っぽい)
「愛する代わりに憎しみが満ちる」
U-NEXTの0.6倍速機能で観ている私は見逃さなかった。後ろで、キャピレットの男が【モンタギューの娘のスカートを捲る→怒って振り向いた娘の顎を掴んで投げつけるように放す】という最低男モーションをやってのけていることを……!!(最低、だけど最高の演技!)
「美しい娘や若者たちでさえ」
というところで、首をなぞる?フリを、艶やかに美しく踊る娘役。サラッと淡白に踊る男役。なぜか娘役ばりに色気を出して踊る一部の男役(キキちゃん他)
「ティボルト。いつキレるかもしれない、危ない男」
大公閣下のこの紹介、まさに鳳稀かなめ様のティボルトそのまんま。格好いい通り越して、怖い。(一回キレたら平気で人殺すまで止まらない歌舞伎町の男、みたいな)
これ、こんなに敵対しているから過去にどんな発端があったのかと思ったけれど、そこはシェイクスピアは書いていないそうな。でも国単位でさえ近くの国に対して”反◯教育”とか”嫌◯感情”とか今でもあるし、ひとつの街の中に二派が押し込められていたら充分起こりうることだろうな、と。(日本とブラジルくらい離れてたらそんな敵意識なんて発生するわけない)
そしてキャピレット卿(一樹千尋さん。キングポーだ!)モンタギュー卿(にしき愛さん)登場。偶然かもしれないけど、お二方の髪型がタヌキと狐感があって面白い。(キャラが立っているという意味)お二人とも若者に負けず劣らず血気盛んだけれど、キャピレット卿が剣なのに対して、モンタギューは杖…?(中に剣が??)
♫ 憎しみ (第2場 ヴェローナ市街(キャピュレット家外~モンタギュー家外)) (第1幕)
キャピレット夫人(音花ゆりさん)鬘の美の完成度が凄い。
一族に生まれた子供が
最初に覚える言葉は
憎しみ 憎しみ
モンタギューへの憎しみ 憎しみ
心に植え付ける
蛇のようにうごめき続ける
わたしは憎むあなたの中にある憎しみを
「憎しみ」の瞬間から、急に動き出す死。餌を見つけた蛇みたい。と思ったら「蛇のようにうごめき」って歌ってた。
この歌声の凄みをどうやって言語化すればいいのか……どうすれば「憎しみ」という単語ひとつにこんなにも憎しみと怒りを込められる?
そして、モンタギュー夫人(花愛瑞穂さん)
あなたたちの胸の奥にくすぶる
黒い炎を消すことができたなら
憎しみ 憎しみ 不幸を招く
憎しみ 憎しみ どうすれば気づくの
こちらの「憎しみ」は悲哀。
こんな訴えかけているのに、「チャオ〜」って逃げるマキューシオ😩(いや、可愛いけど)律儀に残るベンヴォーリオ(この感じ絶対モテるぞ。なんだったらロミオやティボルトよりモテてそう)
♫いつか (第3場 キャピュレット家の内外(ジュリエットの居室)) (第1幕)
ロミオ(柚希礼音さん)、ジュリエット(夢咲ねねさん)登場。
残念ながら、私は「ロミオとジュリエット」における、肝心のロミオとジュリエットが好きじゃない(どなたが演じているとかは関係ない、キャラの人格の問題。)
♫結婚の申し込み (第4場 キャピュレット家のホール) (第1幕)
パリスの「噂によるとこのお宅、借金が嵩んでいるとか」
で、「えっ、初耳!」となる娘役に「秘密な」ってシッと指を立てるティボルトの色気!
♫ティボルト (第4場 キャピュレット家のホール) (第1幕)
オーシャンズ11でも思ったけれど、結構胸元開いた衣装の時って、どうやって胸を潰しているのかが不思議。
薔薇を落として誘う夫人、薔薇を投げ返すティボルト。黄色い薔薇の花言葉は、一説によると”不貞””嫉妬”だとか。※花束を持ってきたパリスは、多分何も考えてない笑
(この造花、どこかに錘をしこまないとこんなに投げられないよね?)
♫結婚のすすめ (第5場A ジュリエットの居室A) (第1幕)
彼はお前を妻にしたいと
お父様に申し込んだ
これ以上ない良縁だわ
でも私会ったこともないのよ
結婚がうまくいくには
相手を愛しすぎないことよ
夫を愛したことなどないわ
一応「仮面舞踏会で一目惚れ〜」なんてロマンティックな演出を用意している父親に対し、あっさりプロポーズそのものを娘にばらす母親。
意外に女の方がリアリスト。「お母様がそんなことおっしゃるなんて!」と驚くということは、ジュリエット的には両親は恋愛結婚に見えていたの?笑 歳上の乳母に対して「あなた、結婚について何か知ってるとでもいうの?」て聞いちゃうあたり、ジュリエット〜(16歳どころか原典の14歳レベル)
♫世界の王 (第6場 ヴェローナ市街) (第1幕)
可愛い〜広場のそこここで踊るコンビがとにかく可愛い……(右手で踊ってるしゅうさん×風ちゃんコンビが特に推し)
そしてこの曲大好き!
「僕たちは誰にも支配されない、僕たちの王は僕たちだって!」っていつも言ってるの、すごいリーダー気質だなあ。でもほんとマキューシオ、ベンヴォーリオ含む他の若者みーんなロミオのことが大好きなんだと伝わってくる。
「支配者のゲームになんか」
の後、繋いだ手をくるりんぱってしてロミオから離れるベンヴォーリオが好き。
「朝から夜まですべての時間を」
でロミオを囲った輪の、右横の風ちゃんの動きが好き(言語化できない)
♫マブの女王 (第6場 ヴェローナ市街) (第1幕)
この曲も大好き。紅さんの声質に合いすぎ問題。
「俺たちと一緒にパーっとやらないか」からの
「ええ?何をするんだ」の恐らく曲の構成故の空いたタメが好き。
ここからの紅さんのリズムの取り方がたまらなく好き。周りの子も、マキューシオに誘われてワクワクしちゃってリズム取り出すんだけど、ベンヴォーリオだけ平常運転なのも好き。
「マスクつけりゃわからないさ」からの一列の踊り格好よすぎで叫んだ。なんでもかんでも色気っていうのどうかと思うけど、このフリには色気がある…!
「口付けすれば失神する」
でそれぞれ口付けの仕方違う!(でもオンデマンドだから2組しか映らない😭)
最後はけて行く時に、ほぼ暗がりなのにキキちゃんが振り向いてロミオに手をあげたのすごかった当たり前だけど、舞台はけるまで役なんだな〜
♫僕は怖い (第6場 ヴェローナ市街) (第1幕)
“死”を怖がれるようなロミオ、若いなー。大人になると死が楽しみで仕方ないよ。
♫舞踏会A|いつか <ダンスバリエーション> (第7場 舞踏会) (第1幕)
この曲の始まり!音を聞くだけでワクワク。
どのシーンも、どの踊りも見逃したくないのに、視線がうろうろしてしまう。
好きポイント
・小芝居していても、ある音のところでみんな一斉に踊りだすところ
・女性ポジションでティボルトと踊るパリス→その後なぜかご機嫌で指を鳴らすティボルト
・途中で我に返って「何をやってるんだ俺は」って顔になるティボルト
・強引に女性を奪いキスするマキューシオ、それと比べると割と紳士的なベンヴォーリオ
♫天使の歌が聞こえる|舞踏会B (第7場 舞踏会) (第1幕)
ほんとに、礼真琴さんの動きが指先まで繊細で美しいのだけど、毎日この水準で演じてたら死ぬんじゃないかレベルで大変そう。
裏コーラス(影ソロ?)が美しい。歌っておられるのはどなたですか……
そしてまた舞踏会。たとえ海外のお話であろうと、大道芸の後ろの皆様の拍手の仕方で日本人を感じるのが不思議。(拍の取り方だろうか?)
♫本当の俺じゃない (第7場 舞踏会) (第1幕)
本当の俺じゃない
俺が何をしても大人たちが仕向けたんだ
本当の俺は違う
復讐の手先になんか
なりたくはなかったんだ
憎しみは俺を突き動かし
気が付くと拳を握りあげて戦い始めてる
誰も止められない
結局、ヴェローナのいざこざは収束したけれどその代償を払ったのは子ども、しかも4人も。紛れもない悲劇。でも、先祖代々大人たちもそう育てられたわけで……誰に責任を負わせれば良いのか。
♫綺麗は汚い (第10場 ヴェローナ街頭) (第1幕)
「おいお前なんかやれよ〜」の声の通ること。
「ピーター、しっかりおし」て怒られた後の、美城れんさんの「はい……」の言い方が好き。
黒いコートを脱いだベンヴォーリオ様休日スタイルですか?好きです。
「聞いたか?ロミオをナンパする気だぜ」の後の、娘役さんの悲鳴まじりの驚愕の声が好き。
乳母の後ろに突進して転がす蓮さん。女の子を揶揄うときスカートめくりがちな小学生紅さん。
ベンヴォーリオのスン…て真顔からの「ハハハ!」が好き。「鏡を見ろよ、その姿でロミオに迫るなんて」って結構辛辣だけど、さっき「とうもろこし頭」って言われたの地味に傷ついてそう。
八百屋で「最近肩こりがひどくて〜」「え〜?」みたいな小芝居してる娘役さんが可愛い。
「あいつの気持ちを、掴むのは」
の後の小休止?2音?で首をカ・ク・て動かす娘役さんが好き。
左端でひと組すげーイチャイチャしてるカップルがいる。
男役に袖にされる→娘役のターン!でスカートふわっとさせて舞う華やかさ……!全員女性のはずなのに「やっぱ女の子って可愛いな」って気持ちになってしまう。
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