好きが溢れる独り言「ポーの一族」(18年花組)①
※ここでは鑑賞中の「ここが好き!」という気持ちを記録しています。 ネタバレ&偏見に満ちた主観ですので、不快に思われる方は閲覧お控えください。
「ルフトライゼ航空〜」の声から一気に物語に引き込まれる感じが好き。
107便ロンドン行きに乗ったら私もポーの一族の世界に行けますか?(行けない)
♫ポーの一族
イントロからしてゾクゾクしてしまう。さりげなく入るエレキギターの音も良い。
「極上の美〜」で薔薇を愛でてる動作をするけど、こっちからしたらあなたが薔薇ですから。「底知れぬ恐怖〜」で薔薇を逆さにして落とすフリ考えた方天才では。白いシャツに映る薔薇の影さえ美しい。
「伝説の中に青い霧と黄昏と闇の中にしとど落ちる血と」って文章、確か萩尾望都先生の原作に出てくるままのはず。つい声に出したくなる美しい日本語……。
この後出てくるエドガーの歌は、感情が声に表れまくっててそこが良いのだけど、オープニングは「ご挨拶」って感じで迫力がありながらニュートラルに歌ってる感じ。
「ポーの一族〜」で全員で背中そる感じ強い。背筋が強い。
「時を止め生き続ける〜」でエドガーだけグレンスミスを冷たく一瞥するの好き。それでグレンスミスも「あわわ…」って感じではけていくの面白い。
「ジャンクリフォード〜バンパネラと見破る」の後の仙名彩世様の歌声のなんと美しいことか。男爵とエドガーと3人で踊る時、手で伸ばした手をそわすフリが銃の引き金を引くのを思わせて好き。その後逃走するクリフォードに合わせて、群衆がウェーブしてしゃがんでいくのも好き。
「極上の美〜」アラン登場。フラッとしてエドガーに引き寄せられていくのやばい。
「黄昏と闇の中に〜アラントワイライトを連れてゆく」の太字の台詞入れようって提案した方はどなたでしょうか?個人的にお金お支払いしたいくらい好きなんですが。
そしてダンス。ダンス!途中エドガーが完全にロックオンした瞳でニヒルに笑うところ、原作まんまじゃないですか?(多分原作にそんな画はない)そしてやっぱりアランのダンスの方が硬質だ〜
あとたとえ大人数の群舞だろうと、マダム(芽吹幸奈様)は常に目に入る。圧倒的存在感。
♫悲しみのバンパネラ
これもまたイントロからして好き。
作曲・編曲は宝塚歌劇団の太田健氏という方がされているらしい。この「ポーの一族」が素晴らしすぎて、今後小池修一郎氏と太田健氏がタッグを組んだ作品でしか満足できなくなっていたらどうしようという気持ち。初見にして最高を観てしまったのは幸か不幸か……
この曲からエドガーの気持ちがぐわーって伝わってくる。え?少年的かつ深みのある声を出しながら情感たっぷりに難なく(のように見える)歌いあげる明日海りおというお方、あまりに芸に秀ですぎていて逆に畏怖の念がわきあがってくる。学問の神菅原道真のように、宝塚の神明日海りおの社を建てるのはいかがでしょうか。
「終わりがあるから〜」の呼吸で少し肩が動くの超好き。
「願はくは喜び分かち痛みさえ癒しあいたい」泣いた。エドガーも声で泣いてるのがわかる。わたしにはわかる。
森に捨てられたメリーベルとエドガー。
背景美術もいちいち美しくて魅入ってしまう。1番好きなのは「ゆうるりと」の時の並木路。
老ハンナに会った時の第一声が「僕らを助けて」でもなく「メリーベルにミルクをちょうだい」なの、もう無理。まじでエドガーからメリーベルを奪ったクリフォード許せないな。
「人間より恐ろしいものなんていないさ」この後の伏線?
🎵バンパネラに違いない
これがあの天真みちる様!はるか昔、スマスマの宝塚SPでタンバリン披露していたお方……そして最近では「宝塚の佐藤二郎」として話題になられていた。おじさん役の名手とあって、この後アランの叔父役で出てきた時同一人物か演じられてるとは全く気がつかなかった(10回目くらいにやっと気が付いた)
瞼のパチパチが可愛い。
「バンパネラに」「バンパネラに!?」の掛け合いが好き。背後の村人が「何言ってんだこいつ」みたいなやや呆れ顔なのが面白い。
「謎に包まれている」のリズム感が好き。
村娘が「司祭様なんとか言ってやってくださいよ」みたいに腕を掴んで司祭を連れてくるのが可愛い。しかし庭師のビル、聞く耳もたず笑
結局、嫁が殺されたっていうのはビルの妄想だよね?(→原作読んだら妄想じゃなかった!)
🎵お前の水車
さよなら、無邪気なエドガー。こんなにあどけない笑顔で歌うエドガーが見られるのは、このナンバーが最後。メリーベルを見る目がものすごく優しい。思うに、メリーベルって、バンパネラになった後自分の体が弱いのを気に病んでいたのもそうだけど、この頃のエドガーのような明るさが消失したのも気にしていたんじゃないかな。
「今夜もまた薔薇のスープですか?」の拗ねた言い方可愛い。
「村の子達と遊んでくるよ」のぴょんと飛び跳ねるのも可愛い。少年エドガーと、老生エドガーの声を完璧に演じ分ける神明日海りお様を祀る祠はどこに…(以下略)
「自分がどこの誰かなんて大切なことじゃないよ」老ハンナは本当に心からエドガーとメリーベルを愛しているのが伝わる。
「館のエドガーぼっちゃまは怖がりの弱虫でござーい」のござーいが好き。
というかこの子達、昨日まではエドガーと普通に遊んでたんだよね?なのに親たちがバンパネラの話をし出した途端この態度?エドガーになんて悲しい記憶を植え付けるんだ。わたしが一人残らず穴に埋めてあげたい。
「どうしたの」
シーラ登場。仙名彩世様のお声って、唯一無二……母は日高のりこさんに似てるって言っていたけど、それだけ一声一声に情感がこもっていて美しいということでは。このお方が声を発するだけで、瞬間動きを止めて聴きいってしまうというか、空気が一斉に浄化されるような魔法の声……同じく唯一無二の表現力で歌う明日海りお様とはなんてお似合いのカップルなのか(運命)
この場面では、年上の美女と、彼女に憧れる少年というおよそ恋愛の想像もつかない組み合わせなのだけれど、フィナーレのデュエットダンスの時は、もう……
🎵永遠の愛
「男爵を愛しているの?」「心から」
「どうして〜?」のどうして、にエドガーの淡い恋心がもう表れてるよね。だって、興味なかったら「へえ〜、そうなんだ」で終わりだもの。
そして始まる、シーラの身の上話。
「可哀想に…」と呟くエドガーの表情が、(この世にそんな政略結婚的なのがあるんだ…)て驚いてる感じ。エドガーって、物心ついた時はもうこの村にいて、ある意味閉鎖的な空間で育ってきてるわけだから、そこに鮮烈に現れたシーラという外部の人間に惹かれるのも無理はない(しかも美女)
原作にはシーラへの憧憬はないのかもしれないけど、これがあることでよりエドガーの切なさが増すような。
「永遠に続けこの幸せよ祈らずには、いられなかった」のかった〜のビブラートが大好き。
どこかのインタビューで、仙名彩世様が「ベンチの上から見上げてくるエドガーにキュンとした」みたいにお話しされていた。わかる。
終盤の高音も滑らかに歌いあげるゆき様。もし誰かの才能を手に入れられるなら、わたしは彼女の歌声が欲しい……
ポーツネル夫妻がキスするとき、エドガーが手でメリーベルの視界を覆ってあげるんだけど、その下でメリーベルが自主的に目を瞑っているのが本当に可愛い。
「僕たちもこの館で育ったのに」のエドガーの台詞に対して、間髪入れず「もらわれっこだから?」てメリーベルが返すのが悲しい。きっと、心ない誰かが言ってるのを聞いて「もらわれっ子」という単語を覚えたんだろうな。だって、エドガーや老ハンナが言うはずないもの。
🎵婚約式〜我らこの世ならぬもの〜
バラの巫女の「ah ah ah ah」で始まるこの歌、大好き〜。
「我らはこの世ならぬもの」で床に伏せる動きも好き。「神が作りしものにあらず」で両手を×の動きにするのも好き。
「我らが生まれし故郷は天国の隣か。地獄の向かい」って文章が良すぎて、もうゴシックな喜びに溢れて震えちゃう。
そしてキングポーの登場のシーンで左下に跪いている人々、最初見た時「大道具の人が映っちゃったのかな?」と心配になったけど、正体は婚約式に忍び込んだ村の子達だった笑
キングポー(一樹千尋様)、キングでしかない圧倒的な存在感と朗々とした歌声で感動したのだけれど、なんと専科のお方だった。
宝塚の公式に、専科について
特定の組に所属せず、各組の舞台に特別出演して舞台を引き締めるスペシャリスト集団。優れた芸の手本として、後輩の育成にも尽力する宝塚の宝箱的存在。
と書いてあるのだけど、もう膝を打つ勢いで納得した。憧れさえ抱いてしまうプロ集団。
「メリーベルに触るな」の声が少し弱々しくて、エドガーが虚勢を張っていても怯えているのが伝わってきた。
エドガーを取り押さえている方が、赤子のメリーベルを捨てた時の従者と同じ方だと気がついたとき驚いた。
シーラが飲む最初の血を提供したエドガー。
このとき妙に抵抗せず大人しいのも、この後キングポーにバンパネラに変えられそうになったときシーラに宥められて大人しくなったのも、シーラにだけは特別な何かを感じていたんだろうな(その後その特別な思いは屈折していくのだけれど)
しかし、その後シーラの「男爵と一緒になれて嬉しい!」という清々しい顔見ちゃったから、本当にエドガーにこれっぽっちも興味ないんだと思う…エドガーが不憫……
🎵対決
「ついに来たぞ復讐の時〜!」
最愛のメリーベルを見送ったエドガーの前で
「望んで一族に加わったのに」
「私たちは愛し合っているのだ」
という惚気をやってのける男爵夫妻。やめてあげて……
老ハンナを襲うビル。ノールックで後ろ手で鞄から杭を取り出す天真みちる様、カッコ良かった。
そしてダンダンダンダンという低い音楽
オロオロと歩き回る一族が、歌い出す瞬間ザッと前を向くのがかっこよくて痺れる。
「老ハンナが消滅した〜(消滅)杭を打たれて散った〜(散った)」
もういちいち音楽が良すぎて、何度観ても飽きない。宝塚歌劇団のオーケストラだけど、多分ドラムもいるよね?キーボードもすごい重要な仕事多そう。(効果音とか)
そして村人のターン。
「奴らこそが悪霊〜(悪霊)神をも恐れぬ悪魔〜(悪魔)」
村人は貴族と違って足腰強いから、娘もややガニ股で中腰になるフリが良い。そして少年はさりげなくニンニクを掲げている。可愛い。
劣勢のポーの一族。キングポーが捕まった時、煙を撒くのは単なる消滅の演出かと思っていたけど、その間村人が倒れ一族が捌けるのを見るに、キングは身を挺して魔法的な何かを使って一族を逃したのかもしれない(さすがキング)
🎵ゆうるりと
仙名彩世様の美声を存分に堪能するナンバー。言葉はいらない。
🎵コヴェントガーデン
大道芸人の方(特に帆純まひろ様)、涼しいお顔でとんでもない技をやってのけるんですね。脚震えたり、手先震えたり、緊張するのではないかと思って画面を注視していたけれど、全くそんなことなかった。常時涼しい顔だった。宝塚すごい。
そしてディリー(音くり寿様)。曇り空を吹き飛ばすような突き抜けたあたたかな歌声。調べたら、華優希様と同期で次期トップ娘役なるか?と期待されているそうで。(全然関係ないんですけど、タカラジェンヌについて検索すると必ずサジェストに「実家 金持ち」とか出るのなんなんですかね。実家が金持ちかどうかが舞台の実力に関係あるのかって)
ディリーからエナジーを奪うエドガー。この二幕で、最初のシーラがエドガーを吸った時を除いて全部、吸血の最中ではなく、直後に音楽がバーンと鳴る。それが、かえってその行為の緊迫感を高めている気がする。
馬車に戻ったエドガー。
「あなたはキングポーの血を受け継ぐもの。いずれは、一族を率いる身」
つい数日前まで人間だったのに、この一族に対する没入感やばくない?信仰宗教にハマった人みたい。シーラ、ただ者ではない。そりゃエドガーも「やめてくれッ」てなるわ。
🎵エドガーの狂気
「僕は狂っている。人間をやめたその時から」
もう声に苦悩が……狂気が……
「暖かい命の中で抑えきれなかった」のなかで、の歌い方が好き。
主役だから複数の歌を持っているのは当たり前、でもなぜこんなに場面ごとに全く違った印象で歌い分けられるんでしょうか。感情と、その表現の引き出しが多すぎる。
「信じていた頃〜」でシュッとリボン解くのやばい。
「狂った僕の行方を」の部分のとこ、あまりに好きすぎて真似して歌ってみてもまるでゴミなんですけど、タカラジェンヌにしか出せない魔法の音とかあるんですかね?
「これから永遠にひとりで生きていなければならないのか」というエドガーの独白。
ずっと観ていて思ったけど、エドガーってまるで希死念慮がない。
バンパネラに変えられて、さらに仲間を失って孤独 →死のう。誰か僕のことも殺してくれ。
じゃなくて、
→この先の長い時を分かち合える愛する存在が欲しい
が来るの、すごいな。命としては死んでいるのに圧倒的”生”が根底にあって、原動力はどこまでも愛すること。
人に生まれて、人ではなくなったけれど、人であろうとすることは辞めていない。隠の存在のように見えるけど、実は陽の存在なんだ。
メリーベルと再開したとき、彼女が「お兄様」と呼んだ時ジーンときた。もう「お兄ちゃま」じゃないんだね。
🎵ホテル・ブラックプール
ここから登場する支配人(和海しょう様)バイク・ブラウン(水美舞斗様)クリフォード(鳳月杏様)の御三方の登場で、わたしは完全に男役の沼にハマった。
長身で手足すらっとしてて鼻筋もすらっとしてて歯もキラッと光る笑顔で視線には色気があって。宝塚にハマる前の、「でもヅカメイクってめっちゃ濃いじゃん?」とかぬかしていた自分を張り倒したい。
多分一般人と比べて死ぬほど細くて体重も軽いのに、同じくほっそりとした娘役の方々に囲まれていると不思議と頼もしい男性に見えてくるというマジック。でも、この方々が私服で女性としてそこにいらっしゃったとしても間違いなく恋に落ちる自信あります。男装してなくても麗人は麗人。
「ホテルの中にはレストランにコーヒーショップ。パブにBar!」のバーの発音が好き。
またクリフォード(鳳月杏様)のややパーマのかかった髪が格好よくて。(気になったのですが、宝塚の男役って髪の毛は基本地毛なのでしょうか。劇場に入る時のご様子を伺うと、皆さま舞台で映えるような明るめの髪色ですよね)
そしてジェイン(桜咲彩花様。お名前が素敵すぎる)。シャイで清楚という役柄が、もうその所作から伝わってくる。立ってる時は不安そうに手を前で組み合わせたり、伏目がちになったり。
バイク・ブラウン(水美舞斗様)眼鏡似合いすぎでは?そしてクリフォードと並ぶとお二方が麗しすぎてそこに天界への扉が開きそう。
マダム・ブラヴァツキー(芽吹幸奈様。待って、今調べたらこの方も退団されているのですね…泣)率いる霊能者軍団。大好き。皆様の衣装のお色が深い色で調和しているのも好き。
そしてポーツネル男爵一家登場。
「新しい街、知らない者同士。紛れていやすい」
瀬戸かずや様の深い美声に痺れる。
「あの格好つけた男がシーラを見てる」
「お母様と呼んで」
ほんの一瞬前までメリーベルを優しくエスコートしてたのに、即座にクリフォードのシーラへの好意を見抜くエドガー(神業)
そしてそんなクリフォードを「ん?」って顔で伺うバイク・ブラウン。
萌える情報量が多すぎて興奮するわ。、
「渇いた血の匂い〜」のマダムの歌声最高。マダムはこの物語にピリッと効くスパイスのよう。
貧血で倒れるメリーベルに合わせて膝のまがるエドガーが優美で、まるで2人でダンスを踊っているよう。
「お知り合いになれて光栄です。ポー…」
「ポーツネル男爵」
ここで初めてポーの一族にかけた名前だと気が付く。すごい。
アラン・トワイライト(柚香光様)御一行の到着、また会えましたね天真みちる様!(ハロルド)
出迎えがないことに憤慨しながらも、母親が世話になっている医者にはぺこって頭を下げながら挨拶するアラン。複雑な家庭環境による傲慢さ(虚勢)と本来の素直さが見えくれして、ああ、そうそう、この年齢の子供ってこんな感じ。
ちなみにアランと叔父のやりとりの後ろのテーブルで、しっかり宝石の営業を受けているジェインも可愛い。
「嫌なお医者、シーラに色目を使っていた(拗ね)」
「母様でしょう」
「どこにいっても歳が近すぎるからお姉様って言われるよ」
こんなに態度に出ているのに、多分シーラは全くエドガーの想いに気がついていない(男爵しか見えていない)
「我々はバンパネラでしょう?」
って皮肉って言うエドガー。だけど、グレン・スミスには「そう呼びたければ呼ぶといい」ってちょっと心外のように言っていた。男爵夫妻の前では反抗してるだけで、実は心のうちではポーの一族という誇りをちょっぴり持っているのでは。
「呪われた一族なんだよッ」
もうこのセリフがいっぱいいっぱいすぎて…でもこの時点でエドガーって100年は生きてるよね、多分。
エドガーとアランの対面。
「どこ見て歩いてんだよっ」アラン
「どこ見て歩いてんだよ」エドガー
この2人の台詞を同じものにしたお方はどなたですか?個人的にお金を差し上げたく……(略)
しかしお二人ともブーツが似合いすぎて眼福。
モスグリーンのベルベットの衣装も似合いすぎて眼福。
指を切ったアランに、リボンをスマートに巻いてあげるエドガー(こんなスムーズに結べる人見たことない)
この優しさって裏表なく完全に素で、だからアランもちょっと毒気抜かれた顔になったのかと。
「セントウィンザー。決まってるだろ?」
この短い台詞で、声の揺らぎに皮肉と憤慨と自己顕示欲を含ませる柚香光様は世界遺産に登録されるべき。
「エドガー、ガラスに映っていない!」
エドガーはやたらと男爵に反発するけど、男爵ってシーラのこともエドガーのことも本当によく見ている。ホテルに着いたときに愛想良く振る舞ったのだって家族がここに馴染めるようにだし、一族が離散した今、みんなを守るのは自分だという重責をすごい意識しているように思える。エドガー的には対等のつもりなのだけれど、その何倍も生きてきた男爵からしたらシーラもエドガーもメリーベルもほぼ赤ちゃんで、危なっかしいんだろうな。
ここでエドガーは夫妻のことを「父様」「母様」って呼ぶけれど、人前でもないのにそう呼ぶ理由は、自分の学校に通うという要求を呑んでもらうためか。
🎵転校生〜アランの規律〜
ここに出でくる方々、まじで少年。
一人一人1秒1秒決まった動きとかあるの?じゃなかったらこんなに毎秒少年でいることってできる?
はしゃいでよろめいた少年、それを助け起こす友人、先生の話の最中にやけて隣の子に話しかける少年。これすべて画面の端で起きてることですよ。え?実は本物の少年を起用してるのでは…
あとジャック(優波慧様)、どこに立っていてもすぐ目が引き寄せられて。フィナーレの男役の方々のショーでも、柚香光様、水美舞斗様に続いて異彩を放っていた気がする。
「よく聞けよ、転校生」
と歌い出す前の、アランの両手を揺らす動きがまさに「苛立ち!」て感じで好き。
「右を向けと言ったら右を向け」
のエドガーを囲む少年達の動きも好き。
「この学校は、僕の遊び場〜」
の遊び場の時の声がまじで好き。
そして「偉そうに何を言うんだ」
と歌い出したときのみりお様の別格感…
「1人では何もできないくせに」のちょっと愉快そうな声音。
で、動揺がありありと現れたアランの表情!
そのあとの乱闘で、音楽の後ろで喋っている少年たちが可愛い!エドガーに蹴られて「痛っ」とか「やっつけろ!」とか。
怪我したエドガーを連れて行くアラン。彼は本当に二面性があるよね(エドガーもちょっと戸惑ってるし)
マダムとカスター先生たちが話している間。
後ろでタロットカードをするイゾルデ、水晶を覗くポールメイヤー、お茶を配るメイド。
こういうサブで同時進行しているちょっとしたお芝居が、本当に面白く愛しい。
往診の時間だからと去るクリフォード、そこにすかさず話しかけるバイク・ブラウン。バイクって、「僕が信じるのは霊魂だけさ」とか言う胡散草いのに、ものすごく周囲に気を配ってる(これがジェインに特別な感情を抱いているとしたらさらに萌える)
キャロルを診るクリフォード。
「先生が私の心に火をつけたから…」の時点では怪訝な表情なのに、抱きつかれた瞬間瞳が笑うのが色男。
🎵二つの家族
「あれほど気をつけろと言ったのになんだそのザマは」
この曲大好き。
「ミセーストワイライト」
のミセースの歌い方が好き。
「エドガーの怪我の具合はどうですか?」
と聞くアランがただの小走りじゃなくて、まさに「心配で駆け寄る」という感じ。
「お前は絶対に、アランと結婚!」
の歌い方と指先の動きが、ヘレナ・ボナムカーター的癖のある美女を思わせて好き。
🎵愛のない世界で
「光ある未来に背を向け愛のない世界に生きる。凍てついた風に晒されひとり孤独を抱きしめて」「人は愛がなくては生きてはいけない。誰かを愛し愛される日々に焦がれ求めて彷徨う」
「愛に満ちた世界で」
「ゆうるりと〜彼と生きる道を」←ここが好き。
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