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テロリストの家

中山七里さんの
「テロリストの家」
読了しました


オススメ度

オススメ度はトナカイの中では
★★☆☆☆
くらい

内容

公安部のエリート刑事・幣原は、イスラム国関連の極秘操作から突然外された。
間もなく、息子の秀樹がテロリストに市販したとして逮捕された。
妻や娘からは息子を売ったとと疑われ、組織や世間には身内から犯罪者を出したと非難される。
公安刑事は家庭と仕事の危機を乗り切れるのか!?

感想

いわゆる「スパイ小説」の形
作者が『さよならドビュッシー』の中山七里なのでクオリティは当然高い

ただ、内容が他のスパイ小説では東西戦争を扱いがちなのに対して
飽く迄もイスラム国という現代日本の話でまとまっているのが面白い

内容自体は主人公である公安刑事・幣原の視点で描かれており
スパイ小説というよりは、息子がテロリストに志願したという意味で「家族小説」のような側面もある

「家族を取るか仕事を取るか」
みたいな、題材としてはあるあるな話ではあるので
そういう意味での意外性はあんまりない

一応話の中で「犯人」に該当する人間はいるし
「驚きの真相」に該当する箇所もあるんだけど

正直、小説をある程度読んでいる人からすると
「ああ、ここのこの言葉はそういう意味だろうな」
のような、メタ的な読み方をしてしまうから、読み進めながら真相に辿りつきやすいと思う

トナカイとしては
「驚きの真相はこれなんだろうけど、整合性取るためにどうするんだろう」
と思いながら読んでいて、納得のいかない形で終わった感じで
ちょっと読後のもやっと感は正直あります

ただ文体はかなり引き込まれやすく
また臨場感もあるので、感情を主体に読み進めるタイプの人には、かなり刺さる本なんじゃないかなと思います

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