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共喰いタクシードライバーの話

こんにちは。となりに大学生です。

現在京都に住んでいる私ですが、大学入学までの間に京都に行ったことは一度しかありませんでした。そしてそれは何年も前、中学三年の修学旅行のときのことです。

静岡県民、初の関西

今年で23歳になる私、正直京都の修学旅行の記憶はあまりありません。ですがそんな中で一つ、おそらく死ぬまで忘れないであろうエピソードがあります。

それまで京都どころか関西に行ったことがなかった私ですが、修学旅行で班長を務めた私は京都について調べまくりました。社会の授業で言われた通り、清水寺までの道に電柱がないことを知り、渡月橋という馬鹿デカ橋の存在を知り、観音像がこれでもかという数立ち並ぶお堂の存在を知り…

京都への修学旅行のモチベーションは大変高まっておりました。

お寺<タクシードライバー

しかしながら、いざ京都に着きお寺を巡ってみると「おぉー」となって、終わり。「あれ、なんか、うん。」という違和感。中学生の有り余ったエネルギーは「静かにしてくださいね」という空気感に押しつぶされ、床を擦る靴下の音くらいしか発せないもどかしさになんだか息苦しさを感じました。

お寺を出るとそこは湿気のオンパレード。
夏に行われた京都での修学旅行は、静岡県民が体験しない重さの空気とともにありました。

ですが、その分価値が上がるのがタクシーの中。程よく涼しくて中学生にはタクシー自体が新鮮で…極め付けはタクシードライバーの那須さん。

バスガイド顔負けの知識量で私たちを案内する那須さんはもちろん関西弁。どのお寺よりも「関西に来た」「京都に来た」という実感を与えてくれたのです。

共食いドライバー

そんな那須さんについてはピンポイントで覚えていることがあります。

よーじやカフェ嵯峨野嵐山店で昼食をとった時のことです。

タクシードライバーの那須さんが「俺も一緒に食ってってええか?」と言い出し、「え?」というと「おっさん一人で餓死は嫌やで?」と言い出した。

関西弁に慣れてない私たちは、那須さんが怒っているんだか、はたまた怒ってる風の冗談を発しているのか分からず、仕方なく急遽私たち4人班と那須さんで入店することにした。

当時は夏真っ盛り、大きなガラス窓と真っ白な壁に囲まれた店内は程よく冷房が効き、一気に清涼感に包まれた。わたしと友人、そして那須さんの三人がぎゅうぎゅう詰めでソファに着くと、反対側のソファにも班員の女子二人が着席。二人が仲良くオムライスを頼むことを確認すると、続いて我ら男3人は夏野菜カレーを食べることにした。

店員さんが先にオムライスから運び込み、その中身の量の“程よさ”にこちらの気分も程よく高揚。しかし、カレーが運ばれた瞬間、その高揚感はあっという間になくなってしまったのだ。

メニュー表に書かれた「夏野菜カレー」の文字。写真こそ載っていなかったがこの文字の羅列に惹かれない者は野菜嫌いくらいだと私は勝手に思っている。

その野菜がどんのものなのかを楽しみにしながら店員さんの手に乗せられたカレー皿に首を伸ばすと

ホクっと焼き目のついたカボチャ
「うまそう…」

つぶつぶのヤングコーン
「うわぁ…!」

絶対辛くない万願寺とうがらしの素揚げ
「おしゃれ、大人…」

同じくジュわっと素揚げされたナス
「、、、なす」

わたしと友人は顔を見合わせてしまいました。
そして、彼の向こうには那須さん。

「と、共食い…」
「ブフっ」


多分ほんとにカレーちょっと吹いたと思う

私たちは気づいたら“那須さんがナスを食べる“光景に目を奪われ大爆笑。お陰様で、そのカレーが甘口だったのか中辛だったかも全く記憶に残っていない。

共食いしている那須さん。その後も一度入ったツボから抜け出せず、となりにいる友人と終始思い出し笑い。那須さんはといえばむしろ「ウケてもらえて嬉しい」といった表情。さすが関西人、その顔に余計笑いがこみ上げたのであった…。

京都の喫茶文化

そんな独特な第一印象の京都
まさかその数年後京都に住むとは思ってもいませんでした。

京都に住んだ今、よーじやカフェのような素敵なカフェや喫茶店にはたくさん出会うことができました。

今後わたしのおすすめカフェ・喫茶店をお教えできたらなと思います!

実は京都のカフェ・喫茶店文化はお寺に引きを取らないほど魅力的なものだと思っています。

また「となりの大学生」を見かけたら是非とも話を聞いてやってくださいませ。

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