スマホ時代の哲学(谷川嘉浩)
評論。
本筋は哲学の話ではあるのだが、学習や認知、「自分の頭で考える」についての枠組みの捉え方の話が非常に秀逸でわかりやすかった。
読む前と読んだ後とで自分の中の明晰さが変わるような感覚を受けた。
今年の10選に確実に入れる一冊。
「対面力」をつけろ!(齋藤孝)
「スマホ時代の哲学」は本質的な事柄、抽象的なものを手がかりに話を進めていくスタイルであるが、こちらは反対に具体の事例から、日常生活のコミュニケーションの一助を与えてくれる本。読みやすさと実践しやすさが光る。
ライオンのおやつ(小川糸)
小説。
強引にジャンル分けするのであれば、「臨死体験」というものになるが、読後にこれだけ心に残るのは物語への引き込まれ方や表現の巧みさだと思う。
星を掬う(町田そのこ)
小説。
優しさだけではない世界で、優しさ以外でなければ気づけないものがある。そう感じた作品。
引用の節は今月読んだ文章の中で一番心に残った。