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お盆にファミレスなんか行くもんじゃない。

お盆休みも終わりかけの、日曜のお昼時。

夫とふたりで行ったファミレスは、
いつもの日曜よりもすっごく混んでいた。

受付票を受け取り、順番待ちの席に座ろうとしたが、
10人ほど座れる席は全て埋まっていて座れない。

その座っているほとんどが家族連れだった。
仕方なく風除室の扉近くで待つことにした。

(風除室とは風よけのための部屋。
 ファミレスなど入り口が二重扉になっている間の場所のこと。)


しばらくして、4人家族らしき御一行が店内に現れた。

4人は娘、父、母、祖母という家族構成らしく、
娘は3~4歳ぐらいに見えた。

母らしき女性が受付票を貰って来たが、やはり座る場所がないらしく、
なぜか私たち夫婦の目の前を陣取った。

私たちは風除室の角に追いやられ、狭くて身動きが取れなくなった。


そのうち、家族の会話が始まる。

母「パパはおばあちゃんの子どもなんだよ」
娘「え?じゃ、なんでパパの方が大きいの?」
祖母「おばあちゃん、年取って縮んじゃったのよ」

普通に聞いていたら、とっても微笑ましい会話。


私はスマホの画面に集中しようとする。

それでも4人の会話は続き、
祖母が娘にお小遣いをあげようとしたところで
居たたまれなくなった私たちは、逃げるようにレジの近くに移った。

夫にしてみたら狭くて居づらかっただけかも知れない。

レジは空いていて、帰る客は少ない。

そして子連れの客は、どんどん増えていく。


しばらくすると私たちの番号が呼ばれ、席に案内された。

待っている間、私は地獄のような苦しみだったが、
美味しいハンバーグをもりもり食べて、そんなことは忘れた。



そう。忘れたはずなのに、思い出して書いている。

いつまでこんなことで傷つかなきゃならないんだろう?

ちょっとだけ落ち込んだ。でも涙は出ない。


だいたい子どもがいないからって、
引け目を感じることはないじゃないか。

嫉妬心も羨ましい気持ちもまだあるけれど、
私たちは何もやましいことはしていない。

堂々と生きよう。

ネガティブだけど前向きに、そう思った。




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