「私と摂食障害」第10回-目立つことが好きだった本当の理由と別れ-
私は、小学生からずるずると演劇やバレエなどを続けてきた。小学生の時、モデルやアイドルのオーディションを受けたこともあった。俳優さんになってみたいという生半可な気持ちもあった。家族の反対もあったが、コソコソと色々、挑戦していて、やめられずにいた。
「とんさんはなんでお芝居が好きなのー?」
精神科の担当医に聞かれた。
「人が自分の姿を見て笑う姿が好きだから」と答えた。
「ふーん…とんさんって皆に認められたくて、演劇してたんじゃない?」
「え?」とフリーズしてしまった。「うそ。」と思いつつも、なんか掘り当てられてしまった気がした。問診室を出て、時間が経つと共に、「そうなのかもしれない」という気持ちが自分の中で、膨らみ始めた。幼少期の自分が一生懸命、目立つことをしている情景が頭の中に浮かんできた。かわいそうに思えた。ボロボロ泣いた。
「何で、私は、そんなくだらないことに自分を費やしてしまったんだろう。」
「人からの評価なんて、認めてもらうことなんて、そんなのどうでもいいじゃん」ずっと泣いていた。
「ごめんね、自分、そんなことさせちゃって」
それ以降、私は、演劇・舞台・ダンス、そういうものに手をつけなくなっていった。