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幸せを創り出す5つの法則Ⅲ

Ⅲ 世の為人の為役に立ち続ける(利他を実践する)

利他とは、“自分はさておき他人・社会のための利益になるように図る”ことをいいます。まず、“自分はさておき”という言葉に着目してみましょう。
 
◎自分はさておき(=自分から離れて)考えられますか?


わかり易い例を挙げましょう。よく企業などでどこかの団体に向けて献金する場合があります。これは、他人や社会のために利益になるように図っている行為ではありますが、それに“自分への見返り”が含まれていたり、一種の宣伝行為にうつることがあるものです。

そういった見返りや宣伝行為は、元をただせば“自分の利益を求めている”ことになり、それは“自分(企業)をさておき”考えていたとは言えないのです。

また、個人の場合で他人に贈り物や何らかの便宜を図ってあげた後、その他人から何も御礼の品が返ってこない場合に、「あの人に〇〇してあげたのに何も返ってこない」という感情が芽生える人がいるとします。たとえ行為は利他のように見えても、その行為をした本人が見返りを求めている場合、「それは“自分をさておき”行った行為とはいえない」ということになります。


 ですから、真の利他とは自分の私情を一切捨て、見返りを求めることなくただ純粋に他人や社会の為に役に立とうと行動することなのです。
 

◎周囲を幸せにすることが自分の幸せを創る

想像してみてください。もし、あなたの家族・親友・恋人など自分に最も近い人が、不幸な状態に置かれていた場合、その場にいるあなたは幸せな気持ちでいることができるでしょうか?

ここでいう幸せとは、例えば宝くじが当たったとかプレゼントをもらえたという時に感じるような、“一時的な”幸せではなく、自分が一生付き合えるような幸せであり、長い期間感じることができる“持続的な”幸せのことを言っています。

あらためてそれを頭に置いて、もう一度自分の最高に幸せな状態を想像してみてください。思い浮かぶ自分の姿は人それぞれかもしれませんが、私の場合は自分の周りにいる家族・友人・知人が皆幸せそうに笑顔でこちらを見ている姿、皆に慕われ、信頼されており、自分が充実して生き生きと生活している姿が想像されます。


自分が幸せに感じることができる状態は、周囲が幸せであることが前提条件なのではないかと思えてきませんか?

自分だけが幸せで周囲が全くその幸せに関わっていない状態というのはあり得ないのです。周囲の幸せと自分の幸せには必ず何かしらの相互作用があるはずです。


まだ想像がつかない方は、自分に近いものより世間で起こる大きな問題で考えてみると良いかもしれません。例えば、戦争や紛争に苦しむ人々の姿をニュースで見て、「なんと可哀そうなんだろう」と悲しい気持ちになること、地球温暖化により世界中の環境が変化し、自分の住む地域にも被害が出てきて不安に襲われること、国内の犯罪事件が報道されているテレビを見て「またか」とため息が出るようなこと・・・


たとえ自分から遠いように思える他人の不幸や問題であっても、それに対して自分が不安・恐怖・悲しみなどの感情を感じると幸せな気持ちにはなれないものです。


人は、「自分よりまず先に周囲を幸せにすることで、その後に自分の幸せがやってくるのだ」、これを言い換えれば「他人や社会を幸せにしていれば、結果的に自分に幸せが還ってくるのだ」ということかもしれません。

つまり、利他が自分の幸せをもたらす源泉なのです。


また、個人ではなく企業についても述べておきましょう。企業には色々な業種がありますが、大きく分ければ周囲にお客様や地域社会があり、仕入や販売その他様々な取引先がいて、そして社内には働く従業員とその家族がいます。商品・製品・サービスを通じてお客様から「これは素晴らしい」と喜ばれ世の中に必要とされるような会社、取引先からは「あそこの会社と付き合えて良かった」と思われ、働く従業員からは「ここで働けて本当にありがたい」と感謝されること。

こんな素敵な会社になれれば、この先百年でも二百年でも続く会社になれるでしょう。もちろん弊社もまだ道半ばであり、将来このような企業になることを目標としています。

このように、周囲全てに喜ばれる会社こそが長年事業を継続できる理想的な姿なのです。

自分の周囲とは、個人では家族・友人・知人・恋人・仕事の同僚などがいて、企業ではお客様・取引先・従業員がいて、そこから遠ざかっていくと人間社会・地球環境などに繋がっていき先ほど述べたような人間の抱える大きな問題が待っています。

究極を言えば、地球全ての問題が解決し、悲しみ・怒り・憎しみなどを生むあらゆる不幸なものが消え去っていけば、自分だけでなく全人類が幸せになれるでしょう。もし、現代に生きる人全てが直ちに利他を行うならば、あらゆる大きな問題は全て解決していくのでしょうが、そう簡単にはいかないのが人間社会というものです。

しかし、2015年9月国連サミットで採択された世界の持続可能な開発目標であるSDGsについては、“人類が掲げた17項目の大きな利他”といえるのではないでしょうか。

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