どうやって利他を実践するのか?
さて、では皆様が普段どのように利他を実践していけば良いのでしょうか?
私は、最も身近にできる利他は、『働くこと』だと考えています。
小中高の学生の皆様は、働く前の準備である学業がありますので、身近な家族・友人・知人・先生を助けるような行為で利他が実践できるでしょう。
社会人の方々は、何らか働くことで地域の人々や社会に直接役に立つことができますが、実は働き始めた初期の段階ではまだ完全な利他とは言えないものです。なぜでしょう?
それは、働くことが他人や社会に利益を与える代わりに『給料』という対価をもらうことで成り立っているからです。
つまり、給料という“見返り”があるからこそ働いているという意識が大半の人には存在し、「生活の為に(仕方なく)働いている」と思っているうちは、まだまだその人の働き方は利他へ到達できない段階といえるでしょう。
しかし、同じ職場で長く働いていると次第にやりがいや生きがいが生まれ、お客様や取引先とも顔なじみになっていくことで自分の考え方も徐々に変化していきます。
そして「私は単にお金だけで働いているのではない」「お客様の役に立ち、笑顔を見ることができるからこの職場で働くのだ」「自分が他人に必要とされていると感じるから働きます」という気持ちが芽生えてきます。
ですから、働くことで利他を実践しようと思うならば、職を転々と変えるようなことをせず可能な限り同じ職場で長く働いていくことをお勧めいたします。
個人でできることといえば、身近な家族や友人その他ご近所で困っている人がいる場合にこちらから積極的に助けること、災害があった場合にその被災地でのボランティア活動に参加することで利他ができます。
よく災害募金など間接的な救済活動もありますが、やはり人と関わり合いながら直接自分の体を使って世の為人の為になるようなことを行うのが良いでしょう。