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駅伝鉄の観戦記 富士山女子駅伝へ行く
年末、12月30日に毎年開催される富士山女子駅伝、あまり女子駅伝を見に行く機会がないのだが、この大会は一度見に行きたいなと毎年思っていた。年末ということもあり、家の用事など重なり、なかなか出かける機会がなかったが、この年末年始は9連休となったので、出かけることにした。
東海道線を熱海で乗り換えて、吉原へ向かう。熱海までの15両の電車から、6両に変わる。多くの人が乗り換え、混雑している。年末ということもあり、キャリーケースを持つ人が多い。三島で降りたと思ったら、同じくらい乗ってきて、沼津で若干空いた感じ。その昔、青春18きっぷで東海道線を乗り継いた時も静岡まで立ちっぱなしだったことを思い出した。
目的地の吉原に着き、岳南電車に乗り換える。出口とは逆方向に乗り換え口があり、10数人くらいが同じ方へ向かっている。
乗り換え口で本吉原までの切符を買い、ホームに入る。
ホームの一角には、富士山スポットと書いてあり、その方角を見ると、富士の頂が見えていた。雲に隠れて中腹以下は見えなかったが。
遠くから、1両編成の電車がやってきた。乗る予定の電車である。
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定刻通りに発車した電車は、東海道線からそれて工場街へ入っていく。カーブを描きながら、最初の停車駅ジャトコ前を目指す。
左側に道路が見え、走路員が立っているのが見える。5区のコースである。ジャトコ前駅の目の前がコース。ここで降りて見ても良いのだが、このあとのスケジュールを考えると、当初の予定通り本吉原に向かう。
ジャトコ前から本吉原はすぐに着いた。バスのような距離感だ。
本来は有人駅だが、年末年始で無人ということで、切符を運転士に渡して降りる。駅を出て目の前の道がコースになっている。踏切を渡るのだが、レースの時間帯は列車を運休させて対応しているので、踏切に引っかかるということはない。岳南電車のホームページには、この日の特別ダイヤが掲載されていた。距離の短いローカル鉄道だからできる対応だろう。
今回、5区を見て、7区を見るというスケジュールを組んだのだが、コース図と地図を見て、コースが接近しているここを選んだのである。
1区も候補にあったが、富士宮から富士で乗り換え、吉原へ向かうのがなんとなく面倒な感じがしてしまったので、このルートにした。
大会のホームページのコース図は概略図的で分かりづらいのだが、コース図の脇に掲載されている各地点ごとの距離と通過時刻を見ながら、地図で場所を確認してここが分かったのである。
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コースを歩きながら、観戦場所を探す。駅を出てすぐのお店の店頭では、餅つきをして、テーブルを出して、選手の通過を待っている様子が見られた。この地で大会が行われるようになって、定着しているのだろう。 駅からしばらく歩き、交差点に平家越の碑というのがあった。源平合戦に関わるもののようだ。
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この先は、観戦禁止の表示があり、道が狭いために沿道での観戦ができないのだろう。周辺をうろうろしながら結局平家越の碑から駅寄りに戻り観戦場所とした。
5区の9キロ手前ということで、選手は苦しいところであろう。ちらほらと出場校の控え選手が立っている。前との差を伝えるためだろう。
通り過ぎた事前の広報車は、地元富士市役所の車だった。全国ネットのテレビ中継でわが街が映るのだから、自治体としても惜しみない協力をしているのだろう。
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先頭がやってきた。来たのは、大東文化大学。いよいよ優勝をつかむ日が来たのだろうか。残り2区間どうなることか。
ちなみに、テレビをスマホでは見ていない。もっぱらSNSの情報を頼りに沿道に立っている。どうも、動画を見ながら待つということができないたちなのだ。
2位争いは立命館と日体大。大東文化がこの2チームをかわしていったようだ。
24チームの選手が続々と通過していく。拓殖大の不破選手の復活の軽やかな走りも見ることができた。
最終の静岡選抜がかなり遅れている様子。繰り上げはどうかと思ったが、あとから見たレースの様子から、このあとの中継所で繰り上げとなってしまったようだ。
通過後、平家越の交差点へ向かい、そこから北に進路を取り、7区のコースに向かう。歩道が片側しかない道で狭いためになかなか前に進めない。同じようなことを考えている人がそこそこいるようだ。地元の人たちと思われるので、勝手が分かっているのだろう。
まだ交通規制が始まっていないが、地元の人たちが集まっている。東に進路を取り、岳南電車の踏切に向かうことにした。
コースマップによると、7区の2キロ付近のようだ。踏切には係員も待機している。
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この時間帯の岳南電車は運休しているので、電車が来ることはないのだが、念のために係員がいるのだろう。
先頭の姿が見えてきた。ユニフォームの色がエンジになっている。立命館がトップで通過していく。
その後は日体大。この差がどうなるか、このあとは難所の上り坂が待っている。
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3位通過が大東文化、このあと少し開いて続々と通過していく。大東文化の優勝はまたも持ち越しとなってしまったようだ。
選手たちは、踏切の線路に足を取られないように気をつけながら走っているのが分かる。以前箱根駅伝で蒲田の踏切で足をくじいて棄権してしまった事案もあるから、余計気になるのだろう。
23番目の東京農大のすぐ後ろに静岡選抜が続いていた。おそらくこのあたりが繰り上げなのだろう。後に確認したら、東京農大がギリギリ繰り上げに間に合ったようで、すぐに繰り上げとなったようだ。
全チームの通過を見届け、岳南電車ではなく、JR吉原駅へ徒歩で戻ることにした。近くの吉原本町から発車するのが約30分後。電車を待つより歩いたほうが早いのでは?ということで、地図アプリを見ると、吉原駅まで2キロほど。歩けない距離ではない。
工場街を進み、30分はかからずに吉原駅に着いた。駅の近くでは、駅伝を見に来たっぽい人の姿がちらほらと見られた。
この時間になって、ようやく富士の山がその全景を見せてくれた。
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