流れた命。ひと月の思い出。
この5月、
26年間の人生で、
初めて2つの経験をした。
それは妊娠と流産である。
命が宿る喜び。
喜びを夫婦2人で分かち合う幸せ。
お腹に命があるという不安と緊張。
お腹の子が産まれた後の想像と期待。
思えば5月は色々なことに想いを巡らせた日々だった。
4月30日 妊娠検査薬にて陽性反応。
陽性反応が出た時の気持ちと言ったら、
「驚き」だった。
リビングにいた旦那に線の出た検査薬を見せると
驚きと喜びとともにあたふたと部屋の中を歩き回る。
そんな姿が可愛くて、笑ってしまったのを思い出す。
それからの日々は2人で妊娠についての本を読んだり、ネットで調べたり、自分たちが親になることへの自覚が少しずつ生まれ、嬉しさとドキドキが募っていった。
5月8日 胎嚢が確認。正常妊娠4週と判明。
初めてのエコー写真には夫婦でドキドキ。
まだただの丸しか見えないけど、これが大きくなっていくのかぁってただただ驚き。
軽いつわりが始まり、お腹が空くと気持ち悪くなったり、ご飯の炊き上がる直前の匂いがダメになったり、日常的にだるくなることが増えた。
そんな時でも旦那がご飯を作ってくれたり、心配して言葉をかけてくれたり、旦那の優しさに心がいっぱいの日々だった。
5月21日 胎嚢が少し大きくなる。
心拍はまだ見えず。
この頃から成長がのんびりしてるなぁとちょっと心配になる。
心拍が確認できたら、色んな人に報告したいと思ってたから、早く見えないかなぁとうずうず、そわそわする毎日。
そしてついに、この日がやって来る。
5月29日 前回のエコーから変わらず。
心拍確認できず。
繋留流産の可能性が高いと指摘される。
この日のショックと言えば、今でも忘れられない。
振り返っても1番つらいと思った日だったと思う。
お腹の赤ちゃん、生きてないんだ…
流産しちゃったんだ…
私、お母さんになれないのかな…
旦那や母が聞いたら悲しむだろうな…
産婦人科からの帰り道、
溢れる涙が止まらなかった。
たくさん泣いた。
旦那や親や職場に流産のこと、手術のこと、
電話する度に声が震えた。
その日の夜、旦那もショックを受けていたにも関わらず、そっと私を抱きしめてくれて、私の涙を受け止めてくれた。
涙が止まった後は、3日後に迫る手術が怖くなった。
初めての手術、初めての麻酔、色々調べて気をまぎわらそうとしたけど、そんな簡単にはいかなかった。
そして手術の日がやってきた。
6月1日 最後のエコー検査。繋留流産と診断。
掻爬手術を行う。
点滴やら、注射やらベットで待機。
手術自体は、覚えていない。
麻酔があっという間に効いて、気づいた時には
布団の上だった。
気づかないうちの手術だったので
怖くはなかった。
けど、もうお腹に赤ちゃんがいないんだなぁと
ちょっと切なくなった。
それから、私は4日休みをもらい、
もうすぐ仕事に復帰する。
時々眠れない夜に
陽性反応が出たときの旦那の喜んだ顔や
家族に報告したときの嬉しそうな顔や
想像していた赤ちゃんとの未来を
思い出しては泣いたこともあった。
もしかしたら私は赤ちゃんが育たない身体なのかもしれない。
2度3度と流産を繰り返すかもしれない。
赤ちゃんを産めないのかもしれない。
今でも、そう考えてしまうこともある。
すぐに子作りを考えることは出来ないかもしれない。このまま2人で過ごしたいと思うかもしれない。
でも前を向いて、たまには弱音をはいて
時の流れに乗りながら、
この思い出を忘れず強く生きていきたい。
赤ちゃん、私のお腹に来てくれてありがとう。
親になるための覚悟をつける練習をさせてくれて
ありがとう。
命が宿る喜びを教えてくれてありがとう。
また来てくれたら、嬉しいな。
そしてこの出来事を通して、
旦那の優しさに日々助けられた。
旦那よ、ありがとう。感謝してもしきれない。
これからも一緒に楽しく過ごしていこう。
よし!
身体が回復したらやりたいことリストを考えよう。
楽しいこといっぱいしていこう!
長文読んでいただき、ありがとうございました😊
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?