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koromo table top デザインのヒミツ

2022年5月、テーブルトップという、あまり目にすることのないジャンルの暮らしの道具を作り、リリースしました。

「テーブル・デスクのコロモ替えをしよう」

というコンセプトのもと、Koromo table top と名付けています。

現在、サイズ展開を増やした上での2回目の受注(7/22〜)に向けた準備の真っ只中ではありますが、ここで一度振り返り、

なぜ会社員である私が、本プロダクトを商品化するに至ったのか、そして、その開発エピソードをまとめておこうと思います。



1.どんなアイテム?

まず、本製品はどんなアイテムなのか、お伝えします。

手持ちのテーブルやデスクの上に乗せるだけで、天板の質感を生まれ変わらせるテーブルトップです。お弁当の蓋のような形になっており、既存の天板を覆い一体化します。

手持ちのテーブル・デスクに装着するだけで
品のよいリノリウムテーブルに生まれ変わる
 裏から見るとお弁当のフタのよう

このシンプルな縁が立ち上がっているカタチは、手持ちの天板を覆い隠すという役割に加え、koromo本体の天面のソリ防止という役割も担っています。

はい、そうです、私が愛する「ひとつ二役」のデザインです。


2.リノリウムを使うことを決めていた

このプロダクトのアイディアを思いついた時から、天面の素材にはファニチャーリノリウムを使うことを決めていました。
(2023年9月からメラミン化粧板タイプも追加予定)

なぜなら「資源の有効利用」というプロダクトテーマにもピッタリ合うし、機能性、質感の高さも、全てがハマったからです。

飛躍してしまいました、、説明します。

リノリウムとは、アマニ油など亜⿇仁油を主原料に松脂、⽊粉などすべて天然の材料から製造された、自然素材です。廃棄時には⼟に還る⽣物分解性も備えており、地球に優しいエコ素材として注目されています。

加えて、木のような温かみ、柔らかさがあり、同時に、洗練されたマットな質感が魅力。イメージとしては本皮のような質感です。

さらに、植物由来の抗菌抗ウイルス性に優れるため、手に触れる機会が多いテーブルやデスクに適しています。

そのデザイン性と実用性から北欧でも古くから家具材としてよく使われています。

実際使ってみると、リノリウム天板は置いたモノを引き立てくれるなぁと日々感じます。シャドウの落ち方がよいのです。ふわっと柔らかくて、品位がある。物撮りが楽しいのです。

また、光の反射が柔らかので、ペンダントライトをつけてもギラギラしません。夜のテーブルウエアもふわっと引き立て、心地よいのです。


3.繊細な職人の手仕事は細部に宿る

側面には、天面のリノリウムをぐるっと囲うようにオーク無垢材を合わせたデザインになっています。

シンプルが故に、この異素材の面合わせや四隅のオークどうしの面合わせの精度がそのまま表に出る、ごまかしができないデザインです。

このプロジェクトを始めてから、市販品の類似のデザインのテーブルやデスクの仕上げをしげしげ見るようになったのですが(←周りから見たらアヤシイ人)、海外で製造されている量産品は、面と面の合わせの処理が雑で、やはり値段相応な印象です。

一方、本製品は、福岡の家具工房にて、職人が丁寧に手作業で製造していることもあり、量産品にはない高い品位と温かさがあります。

先日、検品の立ち会いに工場に伺ったのですが、職人さんいわく、リノリウムとオークの面合わせついては相当気を付けて制作頂いているとのことでした。(本当にありがとうございます!)

オーク無垢材端部をリノリウムの面高さに合うように削る
さらに微調整

家で過ごす時間が増え、毎日目に入り、手に触れるモノだからこの「仕上げのよさ」は今求められている価値なのではと考えています。


4.サイズ展開という最大の壁

製品化にあたり、最後まで頭を悩ませたのは、サイズ展開。

「手持ちのテーブルに乗せる」というコンセプトだから、サイズはオーダーメイドが理想。

しかし、工場からすると一点一点サイズが異なると生産効率が下がり、それはそのまま販売価格に反映されます。

そこで、市販のテーブルやデスクを調査し、よく売られているサイズにある程度絞り、そこから選んでもらう、セミオーダー形式としました。

具体的には、幅・奥行きの組み合わせで26サイズ(7月発注分より)用意しました。

このような生産の工夫など、プロダクトのカタチ以外のデザインが結構大事だったりします。


5.暮らしの中心にあるもの

ここからはなぜ私がこのプロダクトを製品化するに至ったのかをお話します。

テーブルは、仕事もするし、食事もするし、書物もする、言わば暮らしの中心です。ボリュームも大きいので、部屋のインテリアの印象も大きく左右します。

だから「いい」テーブルは、お家時間の質を何倍にも高めてくれます。わたし自身、食事の時、仕事をする時等、このテーブルを使う度にいい時間を過ごしているなと実感します。

そんな毎日の暮らしを引き立て、ちょっとだけよくするお手伝いができればと考えました。

6.未来のためにできること

これまで気分に合わせてテーブルを変えられたらお部屋がもっと好きになるのにと思うことがしばしばありました。

でもテーブルはそんなに頻繁に買い換えられません。まだ使えるテーブルをゴミにするのも心が痛みます。(送料が高額になる大型家具はメルカリでも売れにくい)

私達が未来の環境のためにできることは、今ある資源を永く使い続けることです。だから、既にある家具を生まれ変わらせ、永く使い続けるためのアイテムとして製品化することにしました。

サステナブルな素材である、リノリウムや自然塗料を使うなど、材料にも配慮しています。

加えて、日本のものづくりを応援したいという想いから日本の工場を使うことを決めていました。福岡の家具工場で職人が手作りで製造しています。

製造して頂いている福岡の家具工場

7.使用イメージ

ここからは、この製品を使ったときの雰囲気をもう少しイメージできるように使用例を見ていきます。

 無印のダイニングテーブル

まずは、我が家でも使っている80×80cmの天板での使用例です。

実は、これは80cm×90cm用のkoromoを使い、天板を少し広くしています。在宅勤務が増えて、リビングで仕事をする機会が増え手狭に感じていたためなのですが、これだけでも結構広くなったと感じ、快適になりました。

既存の天板の上に乗せるだけでも、動いたりズレることがないように、製品の裏面に滑り止めシートを施しました。これが狙い通りいい仕事をしてくます。

ペブルグレーのリノリウムと白木ライクなオーク無垢材との相性が抜群によく、ニュートラルなカラーとやわらかい風合いが心地よくて、かつ、スタイリッシュな印象も合わせ持っている点が気に入っています。


ニトリのデスク

続いて、ニトリのデスクに装着した例です。もともとの天板はプリント合板が使われており、ややチープな印象でしたが、koromo table topを乗せるといっきに上質な印象に生まれ変わります。

もともとの天板サイズが55cm 120cmなので60cm 120cm用を装着してます

色は、ブラックです。真っ黒というよりやや明るめのトーンの黒で、重くなりすぎず、深みもある色味です。PCデスクにピッタリです。かっこいいです。

無印のテーブル

天面色:ペブルグレー
天面色:ブラック

最後に無印の折りたたみテーブル120cmでの使用例です
もともとはオークの突板の天板が使われているテーブルです。

こちらにペブルグレーのkoromoを装着してみました。

リノリウム、オーク無垢材、黒のスチールの組み合わせの相性がよいですね。デザイン事務所のような、より都会的な印象になります。


8.最新情報

 webサイトをオープンしています。最新のニュースと詳細はこちらをご確認ください。
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なお、製品仕様やご注文方法等のより詳細な内容も合わせて、動画で解説しています。テキストでは伝わりにくい製品仕様などの情報を、ビジュアルで理解できるのが動画の良い所。CGも使っているので一度見てみてください。

それでは、koromo table topをよろしくお願いします。

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