栞
今日、本を買った。デジタルデトックスをするために最近はたまに本を買う。しかし途中まで読んで飽きて放ってしまう。だから今日こそは帰ってすぐ読んだ。しかし分厚いので途中で閉じざるをえなかった。あぁ、また挫折してしまうのかと悲しかった。本を閉じながら、きっと私はどのページまで読んだのかすら忘れてしまうのだと思った。栞くらい買ったらいいのに、たまの読書で使うものにお金をかけるのはどうかと思って躊躇してしまう。高い服を買うのに躊躇はないので矛盾している。小学生の頃は身の回りにありとあらゆる栞が溢れていたのに大人になった今、なぜか栞に関してだけ貧乏である。
ふと閉じた本を見た。この本、なんと紐の栞がついている。どこまで読んだか正確に保存できて、そして本を最後まで読まなかった罪悪感を外部化できてひどく安堵した。そう、私が本を最後まで読めないのは栞がないせいである。栞は独立したものだと無くしてしまったり、落としてしまったりする。しかしながら紐の栞は素晴らしい。本と一体化していて、滅多なことでは挟んだページから落ちたりなどしない。出版社のみなさん、全ての本に紐の栞をつけてください。私はそれがないせいで本を最後まで読めないのですから。