シェア
1 森林 男は薄暗い空間で目を開けた。 細かに巻く毛髪はただ伸びているだけのため逆…
2 リアン 自分のベッドにバラッと投げただけに見えるのに、その数枚のカードは上手く扇型…
3 アイリス アイリスは意地悪な質問だったかなと思い、ボサボサに見えないようにと、硬い…
4 アイリスの過去① そういう習慣なのだろう。同室の友人は、起きてさえいれば、いつも自分…
5 アイリスの過去② 「ああそうだ」 不意に思い付いたように、フィンリーが言った。 …
6 ソーヤとライマ① また来たな。 主人の背後に従者として立つライマは、ドアを開けて…
8 店の外の出来事② 大学は街中にあり大学寮はその大学の敷地内にあるので、商業施設や飲食店は近くにたくさんあった。しかし時間が時間なので、仕込みを行っているパン屋の窓から光が漏れているくらいで、開いている施設はほぼない。 薄暗い空には街灯の灯りがポツポツと滲み人通りもない。寮へ向かう道を逆から辿りながら歩いていれば、アイリスと行き合えそうな気がした。 既に洗濯物を干している女性がいたり今まさにカーテンを開けようとしている窓もあり、早朝に起きている仲間感を感じる。
7 店の外の出来事① 特に良い話は聞けなかったな。 思いながら店を出て通りを歩いていた…
トキノツムギB面 城があり騎士がいる、中世ヨーロッパ風の世界。「魔法」はないが「魔術」は…
9 ソーヤ邸 不意に慌ただしくなった邸内に、ソーヤは部屋から顔を出した。 ちょうど廊下…
10 アイリスとの出会い 大学入学のためにリアンが寮に入ったのは、入学一週間前だった。…
騎士がいて王宮があり、魔法や特殊能力が存在する中世ヨーロッパ風の世界。王都の中心には管…
11 管理者① とても爽快な気分で男は目覚めた。 前と同じ場所のようで、相変わらずベージ…
12 管理者② 騎士の答えを聞いている時、あの声が男の頭に響いた。 〝そこに行きましょう〟 「そこに行くと言ってますが」 「言ってる?何がだ?」 何がと言われても… と男は考えた末、 「管理者の手足って名乗る、この…ピアスが?」 その答えを聞くと、騎士はククッと喉で笑った。 「ピアスが言っているか。しかしどうも不便だな。その手足に何か名前をつけた方が良いんじゃないのか」 そして、ふと気づいたように続けた。 「私の名前もまだだったな。悪い。私はソーヤといって、国直属の騎