秘密基地
秘密基地を作った。
最初は2人とか3人とか。
楽しくなって毎日のように放課後は集まった。
楽しいことは人を引き寄せる。
気がつけばクラスの男子8割が参加していた。
もう秘密ではない。
積み重ねは規模を大きくしていく。
洞穴を作って子供3人が横たわって寝れるくらいのスペースになった。
木の太い枝に板を打ちつけてツリーハウスを造り上げた。
山の斜面に掘って出来た釜戸でマシュマロを焼いた。焦がしてしまったそれは、苦さすら美味しかった。
ある日、いつものように秘密基地にいくと、そこには何もない、ただの山だった。
僕らの計画は、何者かによって潰されたんだ。
僕たちがいるここは、誰かのプラットホームの上で、それが崩されれば僕たちも無くなってしまう。
それならば、プラットホームになろう。
僕たちがプラットホームになろう。
それがきっと1番の答えだ。
それでもきっと壊されては創り、繰り返す。
変わらないことは、変わること。
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