「DEIなんて自分には関係ない」と思った人にこそみてほしい
こんにちは、freeeでエンジニアリングマネージャーをしているtomozです。
この記事は、freee DEI アドベントカレンダー「私とDEI」17日目の記事です。
さて、私は普段、エンジニアリングマネージャーとして日々開発に向き合っていますが、こうしてDEIの文脈で何かを発信するのは初めてのことです。
あけすけにいえば、私自身、普段から積極的にDEIに関連する活動をしているわけではありませんし、あえてマジョリティ・マイノリティという短絡的な二項対立で語るならば、迷いなく自分はマジョリティだと認識しています。では、そんな私がなぜこうした発信を行うのか、「私とDEI」との関わりを振り返りながらお伝えします。
freeeに入って変化した自分
DEIや多様性といった話題は、freeeに入る以前より耳にすることはありました。しかし、freeeに入って、そうした発信が社内向け・社外向けを問わず多くあることに驚いた記憶があります。そんななかで自分はというと、freeeの活動に感心する一方で、そうした多様性にまつわる議論については、「うんうん、平等とかって大事だと思う。いいじゃん」という程度の、半ば"他人行儀"とすらいえるスタンスでした。
そんな“無関心”な自分も、freeeの中で多くの発信に触れる中で徐々に変わっていきます。
私が関心を持つようになった一つのきっかけとしては、会社におけるジェンダー比率に関する目標の議論があったときのことです(参考)。
この時、具体的な数値目標を前にした社員たちの反応の一つとして「比率の具体的な数値が妥当である根拠・理由を問う」というものがありました。これに疑問をもつということ自体、普段仕事における目標設定等をする上では至極真っ当な姿勢であるように思います。私もどちらかといえばそういう考え方が強かったと言えます。一方で、DEIにおいて「妥当性を求める」ことが適切なのかどうかという点に関しては若干のモヤモヤも同時に感じていました。
そうして、徐々に私はDEIの話題に関して関心を寄せるようになります。例えば、本屋に行ったときにもDEIにまつわる書籍を手に取ることが増えたり、趣味でPodcastをよく聴く中で、DEIの話題に触れられていると「おっ」と注意深く耳を傾けたりするようになりました。
かつての自分を振り返る
改めてかつてのDEIに対する私の"無関心な" "他人行儀な"態度を思い返します。
そもそも私の性格によるものとして「他人からどう見られるか」を過度に気にしてしまうというものがあります。「マジョリティ側であると見られているであろう」自分がDEIのコンテキストに首を突っ込むことで「お前が言うのはちゃうやろ」と批判されるのが怖かったのです。
さらには、何らかの形で「優遇されてきたかもしれない」自分を自覚することを避けたい気持ちから、無意識的にそういった話題を近づけようとしていなかった側面もあるでしょう。
そんな私ですが、どのように考え方が変わったのでしょうか。
DEIは全員が当事者
DEIに関心を持った当初というのは、有り体に言えば「マイノリティの救済」という単純化された形でこの話題のことを捉えていた節があり、そういった面も相まって「自分とは関係ない」と距離を置いていたと言えます。
ですがさまざまな情報、例えば大学入試におけるアファーマティブアクションや米国におけるタイトルナインなどの話題に触れる中で、これは共同体が全体としてより "良い" 意思決定や成果を出していくには多様であること自体に意味がある、という形に認識を変えていきます。(ここでの "良さ" の定義については話題が広がりすぎるため触れないでおきます)
これによって私が認識を大きく改めたのは、DEIは全員が当事者であるという点です。
既にDEIが身近な人にとっては、特に驚くことではないかもしれません。しかし、この記事は「DEIってなんかよくわからんけど、自分の話ではないな」と一歩距離を置いている人にこそ、この考え方が届いてほしいと思い書いています。別に普段の行動を大きく変えなくても良いと思っています。昨日より今日、ほんの少しだけでもDEIを身近に感じることができたならば、きっと違った世界の見え方があるはずです。関連する本を手に取るでも、ニュースに耳を傾けるでも何でも構いません。どんな形であれ、自分なりに感じたことを大切にしてほしいと思います。
DEIは特別な誰かの話ではなく、私たち全員の話です。今日から少しずつ、自分なりの関わり方を見つけてみてもらえれば嬉しいです。
もし読者の皆さんにとってこの記事がfreee DEIアドベントカレンダーの記事の中で初めて目にする記事なのであれば、ほんの少しでもDEIを身近においてもらう第一歩として、前後の記事も読んでいただけると嬉しいです。この日までのものを読んでいる方は、ぜひ明日以降の記事も楽しみにしていてくださいね。
おまけ
せっかくなので私が触れた情報で良かったと思うものをご紹介します。
有名かつ少し前の本ではありますが、『多様性の科学』という書籍は大変学びが多かったです。よければ手に取ってみてください。