腕頭動脈オペ
喉頭気管分離のオペをしてから1ヶ月が過ぎた。
オペ後のリオナを見るのは辛く、正直受け入れるまで少し時間が必要であった。
新たに加わるケアの手技を習得して退院かと思っていたら、次から次へとトラブルが出てきた。
その中でも、ある程度予測はしていた首から入る筋緊張で反り返るカニューレトラブル。
総合的に見てベストな長さのカニューレでCTで確認すると、カニューレの先端が腕頭動脈の前にある状態。
腕頭動脈を縛るオペをしなければいけないのは一目瞭然だった。
私としては喉頭気管分離のオペの際に一緒にできたらと思っていたぐらい、腕頭動脈のリスクは想定内であった。
しかし、心疾患もあるリオナに必要な心臓血管外科がいないのと、重心の循環器を見れるドクターが居ない状況で、動脈を縛るオペをするのは不可能なのは素人の私にも分かることで、すぐに転院してオペをすることを希望した。
小児外科のドクターもすぐに転院先に話をしてくれ、段取りをしようとするも思いがけない返答が来た。
PICUがコロナ病床確保のために、本来のPICUの病床数が稼働していないのと、回転も悪くオペをすることはできてもオペ後の管理体制が取れない。目処が立たないので空き次第連絡する、だった。
そこから1週間待つもPICUの稼働率は上がることもなく、リオナはリスク回避のために覚醒が上がって体の緊張が入らないように、未だかつてない量の薬を常時飲ませ、ひたすら眠らせる毎日を過ごしている。
無理矢理覚醒を下げてボーッとする時間を増やせば、それだけ起きた時の発作も増える。
使わなくても良いように、出来る限り抱っこもした。
どの姿勢であっても、寝ていても、予測不可能に首から反り返るので、昼夜問わずリオナの頭を支え緊張を取る作業。
オペ後からの付き添い入院2週間で心身共に私も疲れてしまった。
自分がとことんダメになった時に相談する人に相談すると、何の落ち度もないリオナの命をここで諦めることはない。他の手段を考えよう。
そして、ダメ元で転院先のドクターにメールをし、助けて欲しいと伝えた。
すると、そこからの対応は早かった。
1週間でオペが決まった。
転院希望していた病院から心臓血管外科のスペシャリストたちが、こちらに来てオペをしてくれることになった。
明日、午後一のオペ。
リスクも大きく、聞けば聞くほど恐ろしくなるオペだけど、リオナと安全にお家で過ごしたい。
連れて帰りたい。
一度も会ったことのないドクターたちではあるけれど、
リオナに生きようと言い続けてくれている彼の命を繋いだドクターたちと、小児外科のスペシャリストだから、きっと大丈夫。
タケありがとう。
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