地域公立小学校1年生へのプレゼン
リオナの通う小学校から、リオナのことを話して欲しいとのことで、1時間使ってリオナのことを話してきました。
パワーポイントでスライドを作るも、言葉を入れても一年生には難しいということもあり、一年生でも理解できるように可視化することに2週間考えた。
どんな風に伝えたらいいか、何を伝えたいのかを仲間たちにアウトプットすることで辿り着いたのは、リオナのことを知ってね、わかってね、こうしてね、という一方的なものではなく、リオナという1人の人間とクラスの子どもたちが同じ人間であり、その中で一緒にできないことや難しさは実は、みんなのアイディアや考え方1つでとてもシンプルに解決できるものなんだと伝えたかった。
そして、特別何かができなくても、存在すること、生きていること、それだけで十分だということを伝えたかった。そのために私は事実として伝えなければいけないリオナのことを伝え、子どもたちと対話をしながら進めていくことにした。
スライドを見せて話し始めると、子どもたちから溢れ出す「りおなちゃんて〇〇なの?」。
今は私の話す番だから話しますねーとスライドを使って話し始めた。
事実として伝えること
○リオナの病気
○身体状態
○医療的ケア
これらを伝えたうえで、あとは子どもたちと対話をしながら進めた。
「りおながベビーカーに乗っていると思った人がいたけど、ぜひ今日覚えて帰ってね」
と子ども車イスのことを話すと、子どもたちの方から
「足けがして歩けない時に乗るやつ!」
と声が上がった。
「そうそう、けがをして歩けない時、歩けても病気で疲れやすい人が乗ったりするよ。」と私が言うと、子どもたちが
「りおなちゃんは歩けないの??!!」
と、おそらく分かってはいたものの、歩けないという言葉を私に投げたことで子どもたちの疑問は解けた。
リオナの過敏性の話については、少しの感覚の違いであり、特別ではなくみんなにもある感覚というの伝えた。
「みんなの好きな匂いってある??」って聞くと
○みかんの匂い!
○ぶどうの匂い!
○ピザの匂い!
○ママの匂い!
「みんな好きな匂いって違うでしょ。でも、自分が好きな匂いが、お友達には嫌な匂いかもしれないし、自分が嫌だと思う匂いをお友達は好きかもしれない。でもそれはどちらの匂いが好きでもいいし、嫌いでもよくて、人それぞれの感覚が違うだけ。リオナも、音や光、感触に敏感ではあるけど、特別なわけじゃないねん。」
と伝えた。
そして、子どもたちに投げた質問。
「みんなが〝できる”と思うこと教えてほしい」と聞いてみた。
○サッカーできる
○バレエできる
○ピアノひける
○一輪車に乗れる
○鉄棒できる
○自転車乗れる
…
予想はしていたけど、一年生の子どもたちの口からでてくる「できること」は、がんばって出来ることのオンパレードだった。
そこで、子どもたちに聞いたのは
がんばらなくてもできてることってあるかな?
するとクラスの女の子が
「寝ること!」
そしてさらにクラスの男の子が
「息している!」
「そう。何もがんばらんくてもできていることってたくさんあるよね。今、みんなが座って私の話を聞いて、息をしている。そこにリオナもみんなと一緒に息をして座っている。がんばらなくてもできていることやんね。ここに居ること、息をしていること。それだけで十分みんなできていることなんやで。」
と伝えた。
ここまでを話した後、何でも質問していいよ、の時間にした。
たくさん質問をしてくる中で
〇リオナちゃん掃除は一緒にできるの?
〇お手紙書いていい?
〇どうやって喋るの?
〇大きな音出して大丈夫?
そして私が話さなくとも子どもたちがが
「りおなちゃんの車イスにホウキ付けたら掃除一緒にできるやん。」
「喋れなくても、リオナちゃんが見えるように絵を描いて見せてあげる。」
「りおなちゃんがびっくりしないように、話しかける時はやさしく話かける。」
などど、子どもたちが疑問を解決し始めた。
子どもたちの発言に冷や冷やしていたのは周りの大人たちで、子どもたちはただ湧き出てくる疑問を口にしているだけで、ネガティブなことであってもそこに悪いことは何もない。
全て受け止め、答えがなくとも、話し合うことが大切だと思う。
この日で子どもたちの何かが変わることを求めるのではなく、長い人生でいつか気づく時が来てくれればと思い1時間話をした。
保育所で2年過ごし、最後にお友達や先生が書いてくれた「りおなちゃん」。
健康と言われる子どもたちと同じようにできなくとも、りおなの「できる」を言葉にできるまでになってたクラスの子どもたち。
小学校生活ではどんな風に周りの子どもたちと成長していくのか。
大変なことも含めて楽しみ、子どもたちから学ばせてもらいたいと思う。
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