おもちゃ箱 第50話
私は爆弾について詳しく調べ、地下室で爆弾を制作した。
元は災害対策として作られた場所らしいが、日常では滅多に使うことはなかった。
最初の爆弾作りは苦労した。
作るのに5時間以上かかってしまった。
時「……ふぅー」
なんとか完成した爆弾を見て、私は大きく息を吐いた。
私は爆弾を木箱にセットした。
時「よしっ。次は入れる人間だな」
私はあるサイトを立ち上げた。
『Muddy guy』
周りから嫌われている人間を書き込むサイトだ。
立ち上げから1週間もしないうちに、1000を越える書き込みがあった。
私はその中から何人かをピックアップし、書かれている人物の名前を検索し、SNSを使っているかどうかを調べた。
すると、ほとんどの人間が本名でSNSを使っており、思ったより多くのターゲットを見つけることができた。
私はその中で近くに住んでいる人間を探し出し、その人物のよく行く場所や家を探し出した。
ほとんどがSNSに載っていたので、さほど時間はかからなかった。
そして、私は遂に行動を起こすことにした。
最初のターゲットは、20代の主婦だった。
彼女は結婚して子供がいながら、職場の同僚と不倫をしていた。
関係は3年続いており、なんと彼女は不倫相手の子供を身籠っていたのだ。
妊娠2ヶ月らしく、彼女は旦那に「貴方の子供」だと嘘をついていた。
SNSには、家族写真で幸せアピールをしている彼女の写真が載せられていた。
全ての事実に気付いている夫は、サイトに書き込みをして鬱憤を晴らしていた。
私は買い物から帰る途中の彼女を拉致した。
人気が少ない場所に着いたところで後ろからスタンガンを当て、気絶した彼女を背負った。
下手に隠すよりも、そっちの方が怪しまれないと思ったからだ。
家に帰り地下の方へ向かうと、私はすぐに彼女を診察台に寝かせた。
次に私はハサミを取りだし、彼女の衣服を切っていく。
5分もせずに、彼女は生まれたままの姿になった。
私は彼女を担ぎ上げ、箱の中に押し込んだ。
爆弾のスイッチをオンにし、散弾銃の仕掛けを慎重に作り上げていく。
時「…...出来た」
私は額の汗を拭った。
30分ほどかけて、仕掛け作りは完成した。
私は彼女に注射を打った。
これで蓋が開くまで目を覚ますことはないだろう。
私は箱の蓋を閉め、ひと息つくためにコーヒーを飲んだ。
もし彼女が目を覚ましても逃げられないように、手足を縛り、さらに散弾銃の仕掛けがわかるように少しだけ穴を開け光が入るようにしてある。
これで彼女が暴れて仕掛けが作動することもないだろう。
次に私は、変装をして街に出た。
帽子を目深に被り、顔が見えないようにし、マスクをして声が特定されないようにした。
時「...…いた」
私は一人のホームレスを見つけた。
私はそのホームレスの前に立つと、おもむろにポケットからお札を取り出した。
時「金をやる代わりにひとつ頼みたいことがある」
私の代わりに宅配業者に箱を渡してくれとホームレスに頼み込み、場所と時間を指定した。
翌日、一足先に待ち合わせ場所にいた私は箱を置き、ホームレスが来るのを待った。
数分後、ホームレスがやってきた。
ホームレスにもう一度お札を渡すと、私はその場を後にした。
跡をつけて確認すると、ホームレスはちゃんと宅配業者に箱を渡していた。
私はホッと胸を撫で下ろすと、家に帰るために歩きだした。
それから私は2件目、3件目と犯行を繰り返した。
<過去 聖陽side end>