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#69 仲間と〝阿吽の呼吸〟で仕事ができるシンプル&唯一の方法

今回のテーマは「理想のチームワーク」です。

アナウンサーをのときはもちろん、記者になってからもたくさん現場取材をしてきました。現場ではどのようなチームで動いてるかというと、まず喋り手、僕ですね。アナウンサーであったり記者であったり、取材してリポートする人がいます。

そして、カメラマン。さらに、音声さん。音声さんは僕のマイクの音量をコントロールしたり、取材相手がいる場合、その取材相手にマイクを付ける、もしくはブームマイクと呼ばれる棒につけた長いマイクですね。ドラマなどでご覧になった方もいらっしゃると思いますが、すぐさま人の声を拾ったり、もしくは遠くにいる人の声を拾ったりするときにその棒をぱっと伸ばしてカメラに映らないように音をちゃんと収録します。

そしてドライバーさん。いかにして早く現場に着くか。そして、次の現場へ移動するには、など最も効率の良い方法を考えてもらいます。

今はもうスマホやノートPCなど自分が持っているアイテムで撮った映像をすぐさま本社へ送ることができるのですが、僕の時代はまだそこまで技術が発達していなかったので、テープをバイク便に運んでもらう必要がありました。なので、バイク便さんとの連携も重要になっていきます。このような布陣で現場取材をしていきます。

特にカメラマンと喋り手の呼吸が合っていないと映像と音声がちぐはぐになってしまいます。

立てこもり現場でも、火の手が上がってる火災現場などでもそうですが、今まさに目の前で事態が動いてるときは当然カメラマンは撮影しっぱなしになります。僕との会話ができなくなります。

となると、何が求められるか。

僕自身もカメラが今何を撮っているのか、常に見ていなければいけません。カメラはパーンもします。パーンというのは右や左にレンズをふることなのですが、次はどっちに行くのか、このカメラマンは次は右に振るなということなどを見据えて、その右で起きていることをちゃんと見て喋る準備をしていく。いわゆるそういう阿吽の呼吸が必要です。

逆のパターンもあります。

カメラマンが、森下は今これを喋ってる、次はこのことを喋るな、という予測を立ててズームインしていくとか、左右どちらかにパーンするとか、そういう阿吽の呼吸が求められるんです。これは当然ながら、一朝一夕にそんな理想のチームワークなどできません。

加えて言うならば、もし音声さんがマイク、長い棒につけた大きなマイクを使っている場合、それが映像に入らないようにしなければいけない。でも、カメラに映らないギリギリのところに構えるからこそ、一番いい音が取れので、音声さんも、カメラの動きを注視してるわけです。

仕事以外で相手を理解する場が必要

ではどのようにして理想の動き方ができるのか。やはり、いかに相手のことを理解するか。思いやるか。それが重要なのです。

森下がどういうことを喋るか、なんてのはそんなの初めて会った人にはわかりません。何回も何回も現場を重ねていく、そしていろんな話をしていく、それで癖がわかっていく。でも、嫌いな相手だったら、そんなこといちいち考えたり思ったりしないですよね、どうしても適当になってしまう。

やっぱりその人のことが好きだから、この人のためにも、理想の仕事、ちゃんとプロとしての仕事をしていこう、そう思うわけです。好きと言うのは恋愛感情の好きではありません。人として、と言う意味で。

僕自身のカメラマンへの想いも一緒です。このカメラマンは結構遅めにパーンするな、とか、この人は結構待ってくれるよなとか、やっぱりその人その人の性格がありますから、そこをいかにして理解していくか。これもまた同じように現場を何回も何回も一緒にこなすことで理解していく。

そういうふうにしてチームワークができてきます。

ノミュニケーションは役に立った

今の時代に、僕は受け入れられない、という人が多いんだろうなとの思いがあることは前提にしつつ、やはり仕事以外の時間をどれだけ共有するか、というのも結構大きかったなと思うんです。

出張行きます。特に大きな事件事故の場合、1週間とか2週間行きっぱなしです。そうなると、朝から晩まで寝てるとき以外はずっと一緒にいるわけです。取材が終わった後、飲みに行く。この時間が僕はとても重要だったなと振り返って思います。

仕事が終わって、リラックスしている、そしてお酒も入ってさらにリラックスする、そういうときに話すことは、プライベートのこともそうですし時には仕事の愚痴もありますが、そういうことを話すと、やはり関係性が近づいていく感じがするのです。この人は、こんな考え方なんだなとか、それは別に仕事に対するスタンスでなくても全然よくて、プライベートでもいいし、そういう理解をすることによって、相手をより思いやる、つまり好きになっていく。ちゃんと考えることができるようになっていくのだと思います。

嫌いな人だったら、なんだこいつ、と、あまりその人のがどう考えているとか、自分も考えないですよね。早く終わらないかな、なんて思ったり。

近しい相手になってくると、やっぱり仕事やってると楽しいなと思うし、この人はどういう動き方をするんだろうか、などとやっぱり考えるわけです。

だから、仕事以外の時間、昔はノミュニケーションなんて言いましたけれど、僕は古い人間なのかもしれませんが、やはりこうした場が育んだ関係はとても大きかったなと思います。

リモートワークが増える中で、出社しなくてもいいっていう会社たくさん出てきました。僕の友人、何人もいろんな業種で働いてる人から聞いたのですが、やはりコミュニケーションは必要だね、ということで、リモートワークになった結果、直接会わなくなったから、いわゆる飲み会代、コミュニケーション代を会社が負担して、飲み会の場を作る会社がたくさんでてきています。

やはり、仕事以外のコミュニケーションを取る時間も重要なんだ、と考えてる会社はたくさんあるということです。

皆様の仕事の場合はいかがでしょうか。

(voicy 2022年8月21日配信)

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