人生初、病院で過ごす夏休み
七月十日(日)砂原
再び梅雨に戻ったような空模様に憂鬱が押し寄せる。同室の老人たちは午後の日課である散歩もできずに、皆ベッドで大人しくしている。
大学生になって初めての夏休みを前に、結核などという古めかしい病気にかかり入院することになった運命を嘆いて二週間。早くもここでの生活に嫌気がさしている。昔の入院患者たちが談話室に置いていった大量のマンガもほとんど読んでしまったし、パソコンも映画もない生活が後どれだけ続くのかと考えるだけで気が滅入る。私の青春をかえせ。
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