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始めて告白してみた話

僕は30歳なのだが、今まで女性に告白したことが無かった。
理由は色々ある。
・好きな人が居なかった(少なくとも告白するほど好きになった人は居ない)
・断られるのが怖かった(失敗した事を考えると、とても怖い)
・きちんと言葉にする自信がなかった(シンプルに勇気が無かった)。
まあ、どれも言い訳である。
そんな僕が先日初めて女性に告白してみた。

相手の女性は、めちゃくちゃ恋愛経験が豊富だった。
話していても、何しても、お釈迦様の手の中の孫悟空的な感じだった(全てを見透かされている様な、手の中で踊っている様な感覚ですね)。
恋愛経験がない僕でも「この人には敵わない」と瞬時に感じた。
それと同時に「僕のことなんて、何とも想ってないんだろうな」ってのがすぐに分かった(これには自信がある)。

振られると分かって告白する。何故こんなテロの様な行為に及んだのかと言うと、「好きだ」と言いたかったからだ(知って欲しかった所もある)。
コップに水を注ぎ続けると溢れる様に、
僕の「好き」が何かから溢れてしまったのだ。
この溢れた状態で生活するのは、なかなか苦しかった。
「無理に決まっている」と言う気持ちと「聞いてみないと分からない」と言う気持ちが、暇を見つけてはせめぎ合う。
頭では分かっているのだが、この「聞いてみないと分からない」軍がなかなか負けを認めない。それはそうだ、僕の頭の中の戦争で、無意識に「聞いてみないと分からない」軍を応援しているからだ。
こうして僕は、この苦しい戦争から逃れる為告白することにした。

始めての告白は酷いものだった。緊張とパニックで僕は
「今から告白するので、振ってもらっていいですか?」と言う最高にダサい告白をしてしまった。ちょっと保険を掛けてしまったのだ。
「もちろん貴方が僕のことを好きじゃないのは知っていますよ」
的な感じで告白してしまった。今思い出しても恥ずかしい告白だ。
あの瞬間なら不慮の事故で命を落としても、安らかな顔しているかもしれない。
それくらい恥ずかしくて、かっこわるい告白だった。

告白の後、どうしても振って欲しいとお願いして、なんとか振られたのだが。
ほとんど記憶がない。それくらい緊張とパニックに飲み込まれていた。
今はだいぶ落ち着いてきたが、「この先一生幸せになれないのではないか」とか、「僕のことなんて誰も好きにならない」などのネガティブな考えと一緒に居る。

想像ではもうちょっと上手くやれたんだけどな。
彼女を好きになってからよく音楽を聴くようになった。
最近はMr.Childrenの「CANDY」って曲をよく聴く。
今は後悔と、Mr.Childrenへの感謝しかない。
しばらくはこの曲を聴き続ける気がする。
何年かしてこの曲を聞いた時、彼女のことを思い出したりして「ふっふ」ってなったら良いな。

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クリハラトモヤ
何か美味しいものでも食べます。