EQの使い方 初心者向けミキシング講座
この記事は以下の人を対象にしている
それに当てはまる人は読み進めてくれ
・DTMをはじめてDAWがある程度使えるようになった
・エフェクトをある程度操作できるようになった
・いまいちEQの使い方がわからない
おそらくこの記事にたどり着くまでに動画やSNSで色々なEQのTIPSを見ていることだろう
それでもこれを読むってことは、他のじゃ理解できないか、しっくりこなかったんじゃないかな?
まずはEQがいまいちわからない理由をいくつか挙げてみる
EQがいまいちわからない理由
耳で理解しようとしている
プロのエンジニアでもわかっていない人が多いんだけど
プロのエンジニアはとんでもなく耳がいいんだ
すごく繊細な音の違いを聞き分けられる能力を持っている
そんな人たちのする解説は初心者には理解できないんだよね
たとえば500kHzを-1dbした音を元の音とブラインドで聞き分けられるかというと、プロのエンジニアはわかるけどほとんどの人は同じ音に聞こえる
そんな処理をしたエンジニアが
「ほら、音の抜けがよくなったよね」
と得意げに話しているのを動画で先日みかけたけど
見ている人のほとんどが認識できないんじゃないかな?
「かわってねーじゃねーか」
と思った人はその動画で一切上達しない
EQわかんない沼にはまっていくのだ
でも、これは先天的なものではなく知識と経験から身についていくものだから安心してくれ
やっているうちにそのうち聴き分けられるようになるからね
モニタリング環境がよくない
繊細なミキシング処理をしようと思ったら、繊細な音の違いを表現できている再生環境が必要だ
でもそれは初心者にとってとても難しいんだよ
お高いモニタースピーカーを買って、それを定規や分度器で測って正確に設置して、防音材や吸音材を張って反響をコントロールして、など
とても敷居が高い
俺はそんなことを初心者のうちからやることをおすすめしない
普通のイヤホンやヘッドホンでいいと思ってる
その環境でできることをまずやってそれからちょっとずつそういうことにお金を使っていけばいいんだよ
繊細な処理は後回し!
簡単な処理と難しい処理を同時に覚えようとしている
プロのエンジニアがプロのテクニックを惜しげもなく教えてくれている動画やSNSがたくさんある
でもね、それは応用編であって基本ができていないうちにやると余計にわからなくなるんだ
で、それが基本であるか応用であるか、どれくらいの技術が必要なのか、はエンジニアは教えてくれない
難しいテクニックを言われたとおりにやっても効果が感じられないからEQわかんない沼にはまっていくんだ
まずは簡単な処理や効果が簡単に感じられる処理を覚えてからちょっとずつ耳を鍛えていこう
初心者ミキシングエンジニアがまず覚えるEQの使い方
アナライザー付きを使え
アナライザーというのは帯域分布を視覚的に表示させる機能
アナログEQのモデリングだとそれがないからそれらを使いこなすのは一旦後回しだ
アナライザーがあると耳だけではなく目で音を調節できるから初心者におすすめだよ
アナライザーはスロープが-3db/octのものを使え
なんじゃそれ?って思ったかもしれないけどアナライザーは主に2種類あって、そのまんま帯域を表示させるものと、低音にいくほど表示を小さくするものだ
高音と低音を同じ音量で出すと高音のほうが大きく聞こえるという耳の特質があって
だいたい1オクターブ上げた音を-3dbすると元の音と同じくらいの大きさに聴こえるよねってことでこういう設定になっている
(正確に言うと違うのだが、だいたいこんな感じってことで-3db/octが使われていることが多い)
このEQって-3db/octなの?ってわからない場合は
ピンクノイズを流してみて、それがアナライザーに水平に表示されていれば-3db/octだよ
ProQ3はtiltの項目で6段階に調節できるからそれを-3にするんだ
MeldaProductionはslopeという項目で自由に調節できるからそれを-3にするんだ
元々-3db/octになっているEQもめっちゃ多い
他のメーカーはよく知らないけどいじれないEQも多いんじゃないかな?
俺的にはとっても大事な項目なんだけどな
ゲインは3db単位でいじれ
先ほどエンジニアは1dbの差を聴き分けられると書いたが
普通の人が聴き分けられる音量差はだいたい-3db以上だ
まずはブーストするなら3db、カットするなら-3dbで始めよう
もっといじりたいなら6、9、12dbと変えていく
EQは0.1db単位でいじれるものが多いけどそれはいったん忘れて3の倍数でいじるんだ
慣れて耳が鍛えられてきたらちょっとずつその幅を小さくしていけばいい
かまぼこ型を目指せ
どんな音にしていくかはアナライザーを見ながらいじっていくことになる
アナライザーで表示される音がなるべく水平になるように調節しよう
凸ってるところはカット、凹んでいるところはブーストして平にする
ゲインは3db単位で調節する、Qをいじれるならより平らになるように調節しよう
慣れてくるとそこからさらに色々覚えなきゃいけないんだけど、まずはこれをやろう
応用はのちのち覚えればいいんだ
アナライザーが水平を示すってことは低音から高音までが万遍なく音で聞こえるということ
つまり耳障りな音域がない、聴こえない音域がない、リッチで太くてかっこいい音ってことさ
逆にどこかが飛び出ているとそれは不快に聴こえたり細い音に聴こえるサインとも言える
ちょっとだけ応用
まったく音が出ていない部分はかえってノイズになるからいじらなくていいよ
ドラムバスの中音域とかね
極端に飛び出ている部分はそのトラックの核となる部分だからいじらなくていいよ
スネアの200Hz辺りとかベースの80Hz辺りとかね
生音はローカット
ソフト音源と違って生音だとどうしてもノイズが入ってしまうので低音域で音が出てないように見える部分はハイパスフィルターを入れよう
ソフト音源ならそういった処理はあらかじめされていることが多いのでやらなくてもいい
最後に確認作業
EQで処理したことによって音がよりかっこよくなったか確認しよう
そこで大切なのが、音が大きくなるとかっこよく聴こえる、という人間の耳の特質
EQでブーストしたらなんか音がかっこよくなったように錯覚してしまうんだ
そこでEQをかける前とかけた後を同じ音の大きさに絶対しなければいけない
どうやるの?って言われるとアウトプットを調節するんだけど、これは難しいな
何度も言うけど初心者は音の大きさを正確に把握する能力がまだ身についていないんだ
困ったな・・・
そんなあなたにおススメ!
MeldaProduction MEqualizer(フリープラグイン)
これにはAGC(オートゲインコントロール)という機能が付いていて
いくらEQでブーストしようがカットしようが音の大きさが元の音と変わらないように調節してくれる機能なんだ
EQで処理した後に再生しながらAGCボタンをポチっとやると音を解析して自動でアウトプットを調節してくれる
音量で紛らわされることなく音がかっこよくなったかをジャッジできる神機能なんだ
無料版でも問題ないけど、課金すると機能が増えていく
ダイナミックEQだったり、EQ処理を自動でやってくれたり、リニアフェイズになったり、サイズを変えられたり、といった具合にね
結構高いプラグインだけど今ならブラックフライデーで超お値打ち!
おススメはMDynamicEq(通常10975円が2068円81%OFF過去最安値)
そして今までMeldaを使ってない人は本記事限定クーポンコード MELDA59991259
を使えばさらに20%OFF
最後に
まずはここまでにしておこう
言い出したらきりがない
きりがないからミキシングを指導する人はついつい言いすぎてしまうんだよね
ミキシングに詳しい人がこれを見たら、おいおい、あれが抜けているじゃないか!とか、乱暴すぎる!とか思うかもしれない
でもやはり、基本応用発展って進んでいくほうが上達が早いからなるべく大事なことにしぼってまとめるとこんな感じになるんだよね
これらがしっかりできるようになったら他の人のTIPSを見てどんどん耳を鍛えつつ知識を深めていこう