広い空間の中で思考したいのです。

先日ふいに遠出がしたい気分になって、新幹線に乗って出かけた。

いつも新幹線に乗るとき私は、いつも決まって、進行方向に向かって車両の後方の席を選ぶ。

これまでは何となくそちらの方が好きだなと思って選んでいたのだが、席に座ってぼんやりと考えているときに、その理由に思い至った。

それは、おそらく自分の視界に入る領域が空間的に広いから、というものだ。

車両の前方に座った場合、自分の視界には自分より前方の席と壁やドアが迫ってくる。この感覚を想像してみると、私にとってはかなり圧迫感があるので落ち着かないし、何だか乗り物酔いしやすくなる気もする。

一方で、後方に座る場合は視界が比較的開けているので、幾分リラックスできるように感じる。

以前何かの本で読んだ気がするが、人間の思考の範囲は、その人間が置かれた空間の広さに影響を受けるらしい。つまり、広い開放的な空間にいると思考も開放的で自由さを増し、狭い空間にいると思考も閉鎖的になるというのである。

これは、確かに自分としても実感がある。

新幹線に乗ったとき、多くの場合、私は仕事をすることはない。その代わり、こうしてブログの文章を書いたり、読書をしたり、ただただ脳の任せるままに何かを考えたりするのがいつものパターンだ。

だから、そういうことをすることを考えると、なるべく自分の視界を広く取りたくなるのだろう。

自分の好きな空間の特徴が思わぬ形で浮き彫りになって、新しい発見だった。