3/30水:生活の全体最適化にはワークライフインテグレーションを。
1人暮らし生活に慣れてきて思ったことがある。
それは、「あぁ、私は『親のありがたみ』というものを全く感じることができていない」、ということだ。多くの人間が感じるであろう、その何とも言えない情のようなものを全く感じることができていないことに対して、悲しくなったのである。
これまで一人暮らしをしていた周りの友人たちが、『親のありがたみがわかる』というのに近いことを口々に言うのを聞いていて、いくら家族への愛情や温かみといった感覚がわからない私であっても、一人暮らしをすればきっとそのように思うのではないか、という若干の期待感があった。
しかし、その期待は裏切られた。
確かに、まだ1ヶ月も過ごしていない中で親のありがたみなんてわかるものではない、という可能性もあるし、今は定常的な生活だからいいとしても、イレギュラーなことが起きたりした場合(体調不良などがその例だ)には、ありがたみを感じるのかもしれない。とはいえ、どうやら自分の中に現在あるこの感情や感覚は、そういった友人たちが語っていた感覚とは一線を画しているような気がするのだ。
そういうよくわからないネガティブな気持ちになっている中で、最近、「読む力 最新スキル大全」という本を読み終えた。
そこで最後に紹介されていた「ワークライフインテグレーション」という概念がある。「ワークライフインテグレーション」とは、近年話題になっている「ワークライフバランス」という概念に対して、ここでは、仕事も生活も敢えて分離せずに、自分のライフスタイルに組み込んで統合し、自己のコントロール下において全体最適化を図る概念として提唱されていた。
これを読んで、ピンときた。私はこれがやりたかったのだ、と。
自分の仕事や生活に関わる多くの制約をなるべく取り払い、自分自身のコントロール下においてうまく最適化できるようにしたかったのだ。そして、実家にいた当時からほとんどそれを実行していたが、一人暮らしを始めて実家という制約が完全に外れたのである。
確かに、掃除や洗濯など、自分でやるべき家事は増えているのだが、それらを効率化することで、自分にとってはほとんど負担なくできるのだ。だから、「親のありがたみ」というよりは、圧倒的に清々しい気持ちで今の生活を楽しんでいるのである。
そう考えてみると、こういうポジティブな気持ちって、一人暮らしを初めてすぐの人が味わうあるあるな感覚な気もしてきた。
こんな親不孝人間にはいつかバチが当たるとは思っているが、もう少し様子を見たら何かが変わるだろうか。