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人間集団をまとめる大変さがまとめ役の心を動かすのです。
コミュニティの運営責任者として人間集団のまとめ役を務めることは、大変な所業である。
これまで自分が子育て団体で青年集団を取りまとめてきた経験上もそう思う。
人間が複数人集まったとき、集団として力を発揮できるようになる一方で、あるときには揉め事やトラブルも必ず起こる。その対処・対応はいつも大変だ。
そして、トラブルの種類によっても使う頭や擦り減らす神経が違う。
個々が担当する仕事が滞ることで全体の仕事が進まないようなケースは比較的シンプルな方で、これについてはこちらが適切に援助したり、代わりにやったりすることで解決できることが多い。
一方、人間関係に関するトラブルが生じた場合はそんなに単純ではなく、まずそれぞれの言い分を聞いて、状況を整理して、コミュニティ組織としての立場に照らしてどこに落としどころを持って来るかを決めて、双方と話をしながら認識を擦り合わせて事態を決着させる、というとんでもなく負担の大きな所業を行わなければならない。
こうしたトラブルへの対応を始めとして、コミュニティの運営責任者には「コミュニティ内の治安を維持し、皆が気持ちよく過ごせる文化を醸成・維持する」という重要な役割がある。
しかしながら、多くの場合で彼らに対する金銭的な報酬は皆無である。むしろ、コミュニティの成員はコミュニティに対して会費を支払い、その上でそうした役割を引き受けるのである。
では、何が嬉しくてそんな大変なことをわざわざやっているのかと言えば、その役割を担うことによってしか得られない面白味がそこにあるからである。
これまで色々な分野の本を読み漁りながら私が思ったことは、「社会課題の多くを根本まで突き詰めていくと、必ずどこかで『人間という存在そのもの』にぶち当たるのではないか?」ということだった。
論理的なしかたでは語りきれない、単純には割り切れない『人間という存在そのもの』が、この人間社会の全ての課題を作り出しているのではないか、という感覚を得たのである。
そして最終的には、数多ある仕事の中で、そうした不思議な存在である人間たちを集めてうまくまとめることが、この世界で一番難しい仕事なのではないか、と思うに至った。
こうした『人間集団をまとめる』ような難しい仕事と、それに取り組むことによって得られる面白味や充実感には相関がある。
コミュニティの中で、わざわざそういう役割にはつかずに過ごす生き方も当然あり得るし、それも素晴らしい生き方の1つであることには間違いない。
しかし、難しいことに何とか取り組んでコミュニティ全体に貢献し、それがうまくいくかいかないかということも含めて、それ自体を楽しむような生き方もまた素晴らしい生き方の1つである。そして、そういう人がいてくれるからこそ、人間は集団としてまとまれるのである。
私はありがたいことに、たまたまそういう役割に取り組む機会を与えていただいて、その面白味を体感してきた経験がある。
確かに大変なことも多くて神経をすり減らすこともあるが、それに本気で取り組むからこそ、集団で大きな成果を出したときや何かを達成したときには、本気で喜んだり感動したり、心が動く体験をできるのだ。
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