慶應大医学部発バイオベンチャー ケイファーマが進める「iPS細胞技術の社会実装」とは


医療分野におけるデータ利活用や、AIやロボットによる医療の効率化、企業連携や異業種連携による新規事業創出を通じて課題解決に取り組むイノベーターたちにインタビューする本連載。

第5回は、iPS細胞を活用した再生医療とiPS創薬による医薬品開発に取り組む慶應義塾大学医学部発バイオベンチャー、株式会社ケイファーマの代表取締役社長 福島弘明氏にお話を伺いました。聞き手は一般社団法人ヘルスケア イノベーション協会 代表理事の大角知也氏です。


大角:企業とアカデミアの間に立つ福島さんから見た、ヘルスケア領域でイノベーションを起こすためのポイントを教えてください。

福島:「難しい」「厳しい」といったイメージが付きまとう領域ですが、そもそも「社会的にやるべきことだ」という前提を忘れないことが大切だと思います。上げ膳据え膳で成果が得られるはずもないので、リスクを取る覚悟を決め、あとは綿密な計画を立てて実行するのみ。私も実際、当初立てた計画通りにIPOを実現できました。

 一方、ヘルスケア領域の研究をライフサイエンスの取り組みとして捉えれば、時間がかかる分、経験値が必要です。かといって研究のみに凝り固まるのではなく、様々なステークホルダーと対話を積み重ね、それぞれの立場を理解し、尊重しながら、進めていくことが重要だと考えています。

大角:まずはリスクを取ってトライし、自分の経験と周囲とのコミュニケーションバランスよく生かしていくことが大事だということですね。大学発バイオベンチャーという立ち位置を生かした今後のイノベーションに期待しています。本日はありがとうございました。

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