チームでうまく働くための「お約束」を、うまく活かす
みなさんのチームは、「ワーキングアグリーメント」を運用していますでしょうか。
チームでうまく働くための「お約束」を、自分たち自身で決めて、より働きやすく、より成果を出しやすくするためのプラクティスです。
ワーキングアグリーメントとは?
参加者が多かったり、多数の意見を出してほしい会議やワークショップの際に、開始時に「グラウンドルール」を決めることがあるかと思います。
その場における「お約束」であり、発言をしやすくしたり、議論の悔いを残さないようにするためのものであることが多いです。
(たとえば、「今日の会議では、役職に遠慮せず、率直な意見を言いましょう」「他者の意見を否定するのではなく、受け止めてから対案をフラットに出しましょう」など)
この「グラウンドルール」を特定のミーティングの場のみではなく、チームでの活動全般に適応しているものが「ワーキングアグリーメント」のイメージです。
(つまり、グラウンドルールとワーキングアグリーメントを同じものとして考えることもできます)
ワーキングアグリーメントの例
私が過去にチームで運用したワーキングアグリーメントの例です。
〇〇編、というようにカテゴリーを分けると、観点を出しやすく、本当に大事なものに絞れるため、約束事が増えるのを防げます。
(以下の例も、1つのチームで運営していたものではなく、いくつかのチームでの例です)
ワーキングアグリーメントの運用
本日の本題はこちらです。
ワーキングアグリーメントというプラクティス自体はずいぶん浸透してきて、チームビルディングの際に作成する場面もよく見るようになってきたかと思います。
一方で、一度作ったワーキングアグリーメントがそのままになっており、おざなりになっていき、終いには埃がかぶっていってしまう、という状況のチームもよく見ます。
習慣化して見なくなった場合
もちろん、約束事自体がチームの習慣として定着し、当たり前に行っているから、ワーキングアグリーメント自体を見なくなってもよくなった、ということは素晴らしいことです。
ですが、この場合は、「習慣になったものは、ワーキングアグリーメントから外す」「さらにチームがうまく働くためのお約束を設定する」という見直しをすると、より良いのではないでしょうか。
運用に乗せられず見なくなった場合
また、上記のように「習慣になったから見なくなった」ではなく、実質的に運用されなくなった場合は、せっかく作ったワーキングアグリーメントがもったいないことになっています。
まずは、「朝会でワーキングアグリーメントを確認する」「チームのチャットに毎朝自動投稿されるように設定する」など、メンバーの目に触れるようにすることで、日々の仕事の中で意識できるようになります。
それでも毎日目にすることで、意識できているうちはいいですが、次第に無意識になっていき、形式的な確認になったり、読み飛ばしをしてしまうようになります。
定期的に見直しをする
ワーキングアグリーメント自体は一度決めたら完成、ではなく、先ほどもふれたとおり、チームの実情に合わせて見直しをしていきたいものです。
すでにチームができるようになったことなら、お約束の一覧からは外してしまう
チームの現状と照らし合わせると、不要な観点になったものも外してしまう
チームがさらにうまく働くために必要な観点があれば、追加する
ふりかえりのTryで出てきたが、Actionableなタスクというより、習慣にしていきたいこと、意識づけたいことがあれば、追加する
もちろん、数が膨大になると大事なものを見失うため、そのときのチームにとって重要と思われるいくつかの約束事に絞るように調整することも大切です。
こういった、見直し (「ワーキングアグリーメントのふりかえり」) を定期的にチームの活動に組み込んでおくことが、ワーキングアグリーメントに埃をかぶらせず、うまく運用するコツなのではないかと思います。
こちらの記事は、シン・アジャイルコミュニティの【ほぼ月刊】シンアジャマガジン Vol. 5のトピック「ワーキングアグリーメント」としてエントリーしています。