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"関係者" は何者か?

こちらは、私の所属する株式会社レッドジャーニーのアドベントカレンダー18日目の記事となります。

昨日は新井さんの、「関心事」についての記事でした。今日のこの記事にもちょっと関連する内容ですので、ぜひ読んでみてください。

本編

アジャイルのプロジェクトでは、「ステークホルダー」という言葉がよく登場します。「利害関係者」のことですね。
なんとなく使い勝手の良い言葉ですので、関係しそうな人全員をステークホルダーと総称して、特に区別せず使用されることが多い印象です。

普段はそんなに困らないかもしれませんが、ステークホルダーごとに関心が異なるときに、「関係者」だけで丸めてしまうと期待がずれてしまうことがありそうなので、今一度考えてみました。

ステークホルダーにも関心がある

アジャイルなチームがプロダクトを開発するとき、まさにそのプロダクトを開発しているチーム自身以外にも、関係する人は存在しますよね。

たとえば、対象ドメインのビジネスにとても詳しい人。PO自身がそうではなく、PO以上に業務の専門知識がある人の場合、いろいろな意見をもらうのがよさそうです。
そういった人からしたら、プロダクトで実現するビジネスが成り立っているか、業務と齟齬がないか、といったことが関心になります。

他には、予算管理部門。プロダクト開発にはもちろんお金がかかります。予算を割り当てるうえで、チームが開発しているプロダクトや開発に従事する人件費に投資を続けるべきか、いくらくらい割り当てるべきか、が重要な観点となるため、投資対効果がどのくらいか、を気にしますね。

もちろん、プロダクトの買い手や使い手 (一致するときも、しないときもある) も関係者ですね。ただし、開発する組織側にいるわけではないので、プロダクトが提供する価値や体験そのものが価格に見合うか、ニーズに合うか、が関心なので、本質的に探究する相手となります。

これらは一例ですが、他にもいろんな種類の関係者の属性はあり、それごとに関心は異なるところです。

スプリントレビューでフィードバックを集める

さて、スプリントレビューでは、「ステークホルダーからフィードバックを集める」ということは、スクラムだと一般的に行われているかと思います。
(まさか、ステークホルダーを呼ばずにPO向けに開発チームが "スプリントレビュー" をしていないですよね?)

しかし、「ステークホルダーに対して、どんなフィードバックがほしいか」の観点を事前に伝えたうえで招集しているチームは意外と少ないように感じます。

「とにかくステークホルダーだから呼んでおこう」ということで毎回参加してもらっている一方で、実はステークホルダー自身はどんな立ち位置でどんな意見を求められて呼ばれているのかわかっておらず、場当たり的なコメントしか出てこない、といった経験はないでしょうか?

これを繰り返していくと、スプリントレビューやプロダクトそのものへの関心が低下し、スプリントレビューの優先度が下がり、欠席されたり、必要なフィードバックが得られなくなったりします。

スプリントレビューで適時適切な「得たいフィードバック」がほしいのであれば、ステークホルダーを呼ぶ計画をきちんと立てるのが良さそうです。
そして、こんなフィードバックがほしいです、という宣言をしましょう。

まとめ

スプリントレビューにステークホルダーを招集する前に、チームで「今回のスプリントレビューではどんなフィードバックがほしいから誰を呼ぼうか」という作戦会議をしましょう。
毎回同じ人を呼び続けないといけないということはありません。

そして、スプリントレビューに招集するときや、スプリントレビューの冒頭で、「どんなフィードバックをしてほしいか」もきちんと伝えましょう。

これだけで、得られるフィードバックの質はより上がり、ステークホルダー自身の関心にも見合うスプリントレビューができそうです。

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