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みんなでわいわいスプリントレビュー
こちらは、私の所属する株式会社レッドジャーニーのアドベントカレンダー4日目の記事となります。
本編
スプリントの成果をステークホルダーにお披露目し、フィードバックを集めるイベントであるスプリントレビューですが、なかなかフィードバックが集めにくかったり、その「場」に対するステークホルダーの期待の調整が難しいこと、ありますよね。
特に、オンライン開催やオンライン-リアルのハイブリッド開催だと、運営の難易度は上がる印象です。
先日、あるチームでリアルスプリントレビューを実施したので、その熱量をまとめようと思います。
前提
普段の開発は、リモート
PO / SMは同一ロケーションにいることが多い
開発チームは基本リモート (居住地域が大きく離れるメンバーもいる
これまでのスプリントレビューはオンライン開催
PO / SM / ステークホルダーは同じ会議室からの出席
開発者はリモート参加
背景
いつものスプリントレビューで、具体的に起きていたことは次のように、カイゼンポイントがあるものでした。
ステークホルダーにデモプロダクトを試してもらう際、代表の1名に画面を共有してもらいながら、コメントをもらう
代表以外の方も手元では操作をしている
会議室の現地で起きている様子が詳細には理解できない
リモートを意識する都合で、「同時には誰かひとりしか発話できない」という状況になりがちで、ステークホルダーには順番に感想をもらうことが多い
ステークホルダーが開発面にも関心があり、開発者と対話の機会があるとよさそう
これらをふまえて、前回のスプリントレビュー後の感想戦や、ふりかえりでチームから出た意見が「スプリントレビューのリアル開催」でした。
もちろん、チームの認識もただ「リアルで開催すればよい」というわけではなく、開催形式の作戦立てなど準備を入念に行いました。
当日
当日は、1時間前から会場設営を行い、テーブルの配置やモニターの接続確認など、万全の準備で臨みました。
準備したことや、当日の進め方は以下のとおりです。
バザー形式に似たかたちで、テーブルを3エリア用意する
今回のデモは、単一プロダクトの単一機能なので、各エリアは共通の内容 (バザー形式は機能ごとにエリアをつくるイメージ)
各エリアには、開発者、PO、アジャイルコーチをバランス良く分散
ステークホルダーも1エリアに固まらず、異なるエリアでデモ操作
各エリアで、それぞれデモ操作を行い、会話をする
デモ操作の様子が全員で見れるように、モニターを準備
会話の内容を思い出せるように、録音・リアルタイムでメモ
開発技術や機能の意図についても、各テーブルで自由に対話
特に、ステークホルダーが関心がある開発のことや、アジャイル開発そのもののことも、フランクに会話
デモ後に、各エリアでどんな会話が起きたか全体共有
次週予告的に、次スプリントで取り組む予定のデザインを大画面で紹介する
レビュー対象ではないので、説明などはせず、イメージと遷移を共有
実際に操作しているときの表情や、指の迷いなどを目の前で見ることができ、開発者としても学びの多い場になったかと思います。
ステークホルダーが操作中にぼそっと言ったことや、含みのある反応をしたときには、随時「と言いますと?」というような深掘りもでき、オンラインでは伝わってこない温度感をキャッチすることができました。
ステークホルダー側からしても、POとは適宜の会話の場はあるものの、開発者と接するタイミングがこれまであまりなかったので、楽しんで会話をしてもらえたのではないかな、と思います。
次週予告では説明をあえて省略したにも関わらず、「おぉ〜」や「うんうん」という声が各所からあがっていたのも印象的でした。
なお、アイスブレイクとして、冒頭に「ステークホルダーのニックネーム決め」を行いました。普段はどこか距離感のあるステークホルダーと会話しやすくなる雰囲気づくりができたかと思います。
(写真が掲載できれば熱量も伝わると思うのですが、諸般の事情で割愛します)
おわりに
オンラインだと不足する・偏ってしまう情報をリアル開催で補いながら、ステークホルダーを含めたチームという意味でさらに関係性が良くなったように感じます。
一方で、シンプルに「リアルでやるといいよ」という話ではなく、起きている課題に応じて、適切な打ち手を選ぶことが大事だということが伝わると嬉しいです。
今回は事前のアジェンダ設計や進行形式の準備議論に丁寧に時間をかけたことで、よいスプリントレビューになったかと思います。
おまけ
チームメンバーがリアルに集合すること自体が久しぶり (キックオフ以来?) だったので、ランチを一緒に食べたり、スプリントレトロスペクティブをリアルで行なったり、と付随するイベントも楽しむことができました。