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接点に余白をつくる

チームで活動するうえで、ミーティングで同期を取ることがあるかと思います。
毎回のミーティングが実りあるものになるように、アジェンダを決めることは重要です。

もちろん、アジェンダだけがすべてではないですし、進行中にアジェンダによらず柔軟に対応する場面が起きることもあるでしょう。

ですが、リモートワークが一般的になり、さまざまな関係者とのプロジェクトなどではチームコミュニケーションが原則オンラインというケースにおいては、アジェンダの設計だけでは乗り越えられない局面というものがあります。

アジェンダは常にめいっぱい

たとえば、チームの立ち上がり初期や、佳境にさしかかったときには、貴重なミーティング時間を有効活用するべく、議論すべきトピックをアジェンダとしてエントリーさせますよね。

こうすると、ミーティングの時間は重要な議論で埋め尽くされるので、たしかにチームの仕事は進みます。
議論すべきトピックや、チームで行うタスクをバックログで整理し、日々カンバンを確認すると、順調に完了していく様子も捉えられるでしょう。
しかし、ふりかえりのたびに、もやもやしたものがあがってくるという経験もあるのではないでしょうか。

チームのミーティング自体は効率的に行えているものの、その分、振り落とされたコミュニケーションが存在していたことに気づくのです。

振り落とされたコミュニケーション

チームで集まって話をする時間が、「優先度の高い、中身の濃い議論」をするあまり、「なんとなく自分がわかってないだけかも…」「ツールの使い方で困っている…」「知らない言葉が出てきた…あとから調べればいいか…」というような個人的・局所的 (と思ってしまう) 話題は飲み込まれていきます。

これは、まさにチームの立ち上がり初期には起きがちな課題かと思います。立ち上がり初期だからこそ、ツールに慣れている人と慣れていない人の差があったり、概念や言葉の扱いにレベル感の違いが生まれることはよくあります。

これらの課題が顕在化すれば、「ツールの勉強会をしよう」「この話題の詳細の認識合わせの場を持とう」と別の時間を設定することができますが、潜在的におのおのが「自分だけかも」と思っているうちはなかなかチームとしての対策はできません。

アジェンダに入れられない話題をどうするか

これまで、リモートワークの活動をふりかえると、多くのチームで「雑談」の場を定期的に持っていました。
呼び方はさまざまで、「ノーアジェンダ枠」「雑相」「なんでも話していい時間」など、チームの文脈に照らしたネーミングをしていましたが、主旨はどれも同じでした。

つまりは、「アジェンダで埋められた接点」以外に「アジェンダで埋められていない余白」を意図的につくって、フランクに話す、ということです。
もやもやを検知してから場をつくるときは、そもそも検知ができないといけないので、先に場を用意して検知していくパターンですね。

もう少し意図的に、情報交換のねらいを込めて、「ハンガーフライト」のかたちでの開催もいいですね。

もちろん、話せばなんでも解決するというわけではありませんが、「普段の接点だけでは振り落とされていくような話」を受け止める場を設定しておくだけでも、こぼれ球を拾うことはできると思います。


こちらの記事は、シン・アジャイルコミュニティの【ほぼ月刊】シンアジャマガジン Vol. 8のトピック「リモートアジャイルで感じる課題と対策」としてエントリーしています。

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