アジャイルなプランニングで大事なこと
「アジャイルでは、やり方を随時変更していくのだから、プランニングなんて不要だ」
…などと言う方はいないと思いますが、実際にうまい舵取りができているか、となると、難しいところがあるのではないでしょうか。
こんな経験ありませんか?
こうした、「プランニングうまくできていない状態」をカイゼンし、いい感じのプランニングにするためにどうすればいいのか、まとめてみました。
いい感じのプランニングとは
そもそも、どんなプランニングであれば、いいプランニングなのでしょうか。私は、次のことがポイントになると考えています。
プランニングを終えた時点で、
①「スプリントで達したいゴール」が言語化できている
②「ゴールを実現するためにやるべきタスク」が明確になっている
③「スプリント中にやり切れるタスクの量」になっている
これらのどこかを整えるのに時間がかかるため、プランニングのミーティングが延びるのではないか、と思います。
いい感じのプランニングにしていくために
①「スプリントで達したいゴール」を整えるために
スプリントゴールがうまくまとまらないこと、よくありますよね。無理やりまとめようとすると、目先の1スプリントで "できること" に目線が落ちて、ただただスプリントを繰り返すだけにつながっていきます。
では、スプリントゴールをどうすれば、スマートに見立てられるか。
逆算です。1スプリント先だけでなく、もう少し長い時間軸で自分たちが実現したい / 実現するべきゴールに対して、「じゃあいつまでにどうなってなきゃいけないね」「そのためには、ここでこうなっているのが望ましい」という数スプリント単位のマイルストーンをおくイメージです。
この大きめなゴール実現に向けたプランニングをしておくことが、このスプリントで達するべきゴールを見立てる解像度を上げることにつながります。
もちろん、大きめのステップの話になるため、詳細には決めきれませんし、決めようとすると大変な労力を要します。実際に進みながら、ここを随時見直す前提で (そうでないと、決め切る労力が無駄になる可能性があります) やるのがいいと思います。
いずれにせよ、冒頭に記したような、「アジャイルでは、やり方を随時変更していくのだから、プランニングなんて不要だ」とは真逆で、アジャイルだからこそ、ゆく先を見据えながら、そして随時調整する「進め方の仮説」を持つことが重要となります。そうでないと道に迷いますよね。
②「ゴールを実現するためにやるべきタスク」を出し切るために
プランニングミーティング中にタスク出し自体をゼロからやると、ここでも時間がたくさんかかります。もちろん、必要なタスク追加や、ゴール設定に応じた調整などは当然行いますが、ゼロから出すのは別の場で行っておくと良いでしょう。
そういった場には、名前がついていますね。「リファインメント」です。
リファインメントでは、「進め方の仮説」レベルでのタスクは大きめに出しておきつつ、直近のスプリント分は取り組み可能なレベルの大きさまで分解しておくとよいでしょう。
③「スプリント中にやり切れるタスクの量」かをみるために
ゴールのためのタスクがある程度出せていたら、プランニングミーティングでは、取り組むべきタスクを選択するだけでいいはずです (むしろその状態をつくりたい) 。
しかしながら、選択したタスクがやりきれるか、という点検ができなければ、プランニングができたとはいえません。「タスクの見積もり」ができていないと、実はスプリントに収まり切らない量のタスクを選択している可能性があるためです。
タスクの見積もりも、②同様、プランニングミーティング中に行うケースもありますが、対象となるすべてのタスクについて行っていては、時間がどんどん過ぎ去っていくことになります。
リファインメントでタスクの見積もりまで行っておくことで、プランニングミーティングでは「取り組むべきタスクを選択するだけ」の状態をつくれますね。
まとめ
ここまで詳細に記してきましたが、いい感じのプランニングにするポイントは2つにまとめられると思います。
「進め方の仮説」を立てる
リファインメントを行う
自分たちの活動はプランニングReadyになっているかな?ということを意識していきたいですね。
こちらの記事は、シン・アジャイルコミュニティの【ほぼ月刊】シアンアジャイルマガジン Vol. 3のトピック「アジャイルなプランニングどうやってる?」としてエントリーしています。
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