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石平氏出馬へ、帰化人の政治参加問題を提起する点では一応の評価…か
保守論陣を張る石平氏が、維新の会から参院選・全国比例に出馬する意向を発表しました。
石平氏の出馬を歓迎する声がある一方で、他の反日的帰化人出馬などを認めることにつながることを危惧する声もあります。
今回はその関連事項を整理します。
石平氏の略歴
1962年1月30日、中国四川省成都市生まれ
1984年7月 北京大学哲学部卒業
1988年 日本留学(日本語学校)
2002年 論壇デビュー(書籍「なぜ中国人は日本人を憎むのか」)
2007年 日本帰化
2008年 拓殖大学客員教授
(Wikipediaを元に作成)
帰化条件
国籍法では帰化の要件を以下のように定めています。
条件は厳しいと言われることもありますが、書かれている内容自体は容易に思えます。
国籍法
第五条 法務大臣は、次の条件を備える外国人でなければ、その帰化を許可することができない。
一 引き続き五年以上日本に住所を有すること。
二 十八歳以上で本国法によつて行為能力を有すること。
三 素行が善良であること。
四 自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によつて生計を営むことができること。
五 国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によつてその国籍を失うべきこと。
六 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと。
2 (略)
第六条 次の各号の一に該当する外国人で現に日本に住所を有するものについては、法務大臣は、その者が前条第一項第一号に掲げる条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。
一 日本国民であつた者の子(養子を除く。)で引き続き三年以上日本に住所又は居所を有するもの
二 日本で生まれた者で引き続き三年以上日本に住所若しくは居所を有し、又はその父若しくは母(養父母を除く。)が日本で生まれたもの
三 引き続き十年以上日本に居所を有する者
下記サイトに、帰化と永住権の違いが整理されていましたので、そこから権利と義務について抜き出します。
帰化
日本国籍を持つため、選挙権や被選挙権など、日本の政治に参加する権利を持ちます。
日本のパスポートを取得でき、世界中を日本国民として渡航することができます。
法律上、日本人としての義務(納税、法の遵守など)を負います。
永住権
永住者は選挙権や被選挙権を持ちません(政治に参加する権利がない)。
日本のパスポートは取得できませんが、就労や居住に関して日本人とほぼ同等の権利が与えられます。
永住者も日本での法律を遵守する義務がありますが、日本国籍の保持者としての特定の義務は負いません。
僅か5年ほどの居住で帰化でき、帰化すればすぐに選挙権・被選挙権を得られ、工作目的で入り込むことは容易に思えます。(石平氏のことでなく、一般論としてです。)
石平氏の目標
石平氏は当選後の目標として、「帰化基準の厳格化」「議員になる場合の国籍歴の公開義務化」を挙げています。
上で見たように帰化基準は簡単なように見えますし、下でも見るように既に帰化人が政界に入り込んでいると見られますが、それが見えにくいのが問題です。
帰化人自身でないとこういう提言はしにくいでしょう。
元々石平氏は、帰化1世は立候補は遠慮すべきと発言したことがあるそうですが、帰化1世に被選挙権を認めるか否かという議論まで持って行けたら良いと思います。
日本の参議院であれば、被選挙権年齢が30歳であることに合わせ、帰化から30年経ったら被選挙権を与えるくらいで良いようには思います。
帰化人の被選挙権に関し、もし私が政治の場に出れば、ます2つのことをやり遂げたい。一つは帰化基準の厳格化、私自身の体験からしても日本の帰化基準はあまりにも緩すぎる。もう一つ、議員になる場合の国籍歴の公開義務化、帰化人が議員になるのが問題ではなく出自を隠すのは問題だ。
維新で良いのか
維新から出馬することについては、上の産経新聞記事にあるようにサンフランシスコ市の慰安婦像問題に対する吉村代表・大阪府知事の対応に感心してのこととされます。
しかし、親中寄りとされる維新から出馬することへの批判も出ています。
立花孝志氏は、石平氏に「参議院全国区で当選するには、NHK党なら個人票10万票が要るが、維新なら3万票ほど」と話したことがあると発言しており、当選のし易さも維新からの出馬につながったのかもしれません。
参議院の比例代表は、
・「政党名票+個人名票」の合計に基づいて政党別の獲得議席数決定
・各党の獲得議席数の中で、個人名票が多い候補者から順に当選
(特定枠があればその候補者を上位に当選)
ただ、石平氏が既述の目標を達成するには、維新は不適当ではないかという指摘が元維新議員の足立氏からあったことが下のYouTubeで紹介されていました。
維新は以前、公職に係る国籍の得喪の履歴公開義務付け法案を提出しようとしたが、党内調査をした結果、お蔵入りとなってしまったとのこと。
党内に帰化問題が取り上げられるとまずい状況があると思われ、石平氏の目標が達せられるか疑問符が付きます。
ということで、議論を起こすことはできるものの、石平氏が制度改善にまで導くことは難しいのではないかというのが個人的な見解です。