環境と経験が人を強くする 豪州放浪記③(住居編)
豪州放浪記3回目です。
久しぶりにオーストラリア滞在時代の写真や資料を整理していたら、何故か?50ドル札(日本円に換算すると4000円強)が折り紙の中から出てきました!
うーん、当時の記憶は既に遠い彼方に去っているので、少々困惑しております。
閑話休題、今回はオーストラリア住居編です。
豪州では色々な住居スタイルを経験
オーストラリア時代では、日本国内ではお目にかかる事も難しい住居スタイルを、経験することができました。
ホームステイを皮切りに、シェアハウス、バックパッカーズホステル(格安ゲストハウス)、テント暮らしやトタン小屋! 挙げ句は野宿?まで経験。
今振り返ると、なかなか個性的な住まい暮らしを続けていたように感じます。
🔶住みやすさは同居人次第 シェアハウス生活
シェアハウスとは、海外ではよく目にするスタイルです。(最近では日本でも珍しくなくなった)
一度外国でシェアハウスに住んでみたいと思っていましたが、いざ経験してみるとこれがなかなかの曲者…。
以前、こんな記事を書きました。↓
シェアハウスに入居した場合、既に住み込み中のシェアメイトが立場上先輩住人にあたるので、彼らのルールに従わなければいけない空気感があります。
例えば、キッチンの使い方や(調理後の清掃方法など)、シャワーを浴びる時間、共用部分の掃除の分担体制など、それまでは特に気にしてこなかった、各々の生活スタイルに対する違いがストレスとなり、自分の中へとゆっくり蓄積されていくのです。
私の最初に経験したシェアハウスは、日本人ばかり4人暮らしの住まいでした。同じ言語だから、気が合うのかと思いきや、そんなことは全くなかったのです。
当時の一部シェアメイトは、ダイニングルームで友人を呼び寄せて、毎晩夜遅くまで酒を飲んでは、昼過ぎに起きるというぐうたら生活。
私はその頃、ハウスキーパーやレストランのウェイターなど掛け持ち仕事をしていたので、しっかり睡眠を取らないと体が持ちません。
その為、安眠の妨げにもなる、夜の宴会が凄く煩わしかった事をよく覚えています。
シェアハウスでは人の入れ替わりも、結構激しいのが特徴です。
その為、他者と反りが合わなかったとしても時間が経てば、状況は自然と改善される側面もあります。
とはいえ、不遇な時期はなかなか辛いもの…。
メディアにシェアハウスが取り上げられる時は、表面的な特徴や良い所ばかりがクローズアップされますが、生活の内側には生臭い一面も隠されています。
何事にも表あれば、裏もありです。
🔶バックパッカーズホステルも慣れると心地良い!?
貧乏旅行者にとっては、大変有り難い存在のバックパッカーズホステル(以下略・バッパー)。
とにかく値段が安い‼
場所によって値段はピンきりですが(都市部と田舎部で値段が異なる)、当時で一泊1500円ぐらいが相場価格でした。
加えて朝食(シリアルやミルク、食パン)や夕食の食材(玉ねぎなどの野菜)を提供してくれる特典付バッパーも結構あります。
キッチンやシャワールームの共用は、シェアハウスでも経験済みでしたが、ドミトリー部屋を(4人部屋から10人以上部屋まで、宿によって部屋の大きさは色々)利用し始めた時の違和感といったら半端なく...。
それもそのはず。いわゆる個人部屋がないので、プライベートな空間は無し!己のテリトリーはベットの上だけという、自分を晒し出しまくっている状態で生活しているのですから。
勿論、多国籍の人たちも同じ部屋で寝泊まりしています。(ほぼ20代の若者ばかり)
宿によっては男女混合部屋の所も多くて、更に困惑でした。(次第に慣れましたが)
夜は街で遊んで昼間は部屋で寝ている者、他人同士でも普通に世間話をしている者、読書をして個人の世界に浸っている者など、バッパー内でのスタイルは正に十人十色。
日本国内では味わえない、独特の価値観と世界観がその空間にはしっかりと存在している。その空気に触れると、己の中のあった感覚や観念がひっくり返されてしまうのです。
これこそお金では買えない、貧乏旅行の醍醐味なんだと思いました。
🔶雨風凌けるのなら 取り敢えずOK? トタン小屋暮らしとテント生活
また違うテーマでも掘り下げますが、オーストラリアでは各地を転々としながら、農作業仕事(期間労働員)も行っていました。
基本的には、農作業仕事も斡旋している、前述のバックパッカーズホステルを利用するのです(宿泊宿+ハローワークという感じ)。
しかし、農場に直接住み込んで仕事をするというスタイルも向こうでは珍しくありません。
私が住み込み時に利用していた住居が、グレープ農場でのトタン小屋とブルーベリーファームのテント暮らしでした。
(ちなみに見出し画像は当時生活したトタン小屋)
(ブルーベリーファーム時に実際利用していたテント)↓
トタン小屋で生活していた時は、周りが乾燥砂漠地帯という環境でした。
昼間の気温が40℃の日もあれば、早朝の気温が一桁の日もあります。(いちお季節は夏)
とにかく、日によっての寒暖差が半端ない!
更に、朝と昼の気温差がマックスで30℃ぐらいの日もありました。
ちなみにトタンという材質は、金属なので熱(冷気)を伝えやすい性質があります。
その為、昼間の灼熱熱気が小屋にこもってしまい、夜でも室内はサウナ状態、なかなか寝付けない日もありました。
片や冷気が壁や屋根を伝うので、室内の気温低下に伴い、早朝に目が覚めることもありました(いちお季節は夏)
他にもトタン小屋小話はありますが、とにかく個性的な住居でした。
一方のテント暮らしは、タスマニア島のブルーベリーファームでのエピソードです。
こちらでは、大規模倉庫のような建物にある共用キッチンやシャワールームを利用しながら、基本の寝泊まりは貸し出し用のテントでした。
意外とテント生活は悪くなかったのですが、こちらでも悩まされたのが早朝の寒さ。
1週間のうちで半分ぐらいは、寒さで目を覚まされていました。
そもそもタスマニア島は、オーストラリアの南端にある離れ小島。一つ海を越えれば、そこは南極大陸です。(日本でいうと、北海道のような感じ?)
強風曇り空のような日は、近所の家にある煙突からストーブの煙りが見えるような寒いエリアなのです。(いちお季節は夏)
他にもオーストラリア特有の事情ですが、水道インフラが発達していないので(大陸が大きいので、水道管を作るのには無理がある)、各自の家には飲料水タンクがあるのです。
飲料水を大事に使うのは基本ですが、加えてお湯を使いすぎると途中から水になってしまうので、ブルーベリーファームでのシャワーは結構争奪戦になっていました。(労働者が多かったので、使用量が多くて、お湯が途中から水に変わる)
こちらも日本ではお目にかかることがなかなか難しい住居生活でした。
🔶色々な住居で生活したことで 順応性と柔軟性が向上
オーストラリア滞在中は、1泊から長期間同一宿泊まで色々スタイルがありましたが、寝泊まりした場所を全て合わせると30箇所ぐらいになると思います。
引っ越しをすると生活ルールも大きく変動して、接する人々も大きく変化します。最初は戸惑うことばかりですが、ゆっくり環境に馴染んでいくことができました。
そもそも、人間の内側には現状維持バイアスという特性が存在しています。
現状維持バイアスとは?
変化や未知のものを避けて、現状維持を望む心理作用のこと。現状から未経験のものへの変化を「安定の損失」と認識し、現在の状況に固執してしまうというものである
現状維持バイアスに従い続けると、やがては自分の意見、世界観が全て正しいという誤った考え方にたどり着いてしまう恐れがあります。
自分を成長させる上で、新しい発見や思考に触れることはとても大切なことなのです。
私は住まいを変えるという半ば強引なやり方で、その時々の置かれた環境に、自分を合わせ込んでいくやり方を体で覚えました。
その過程で、色々な価値観に触れていくことで、自分の内側にある順応性や柔軟性がゆっくりと磨かれていきました。
そして、少々のイレギュラーには動じない精神力が徐々に培われていったのです。
このいわゆる不動心みたいなものは、現在の仕事上でもプライベートでも、大変役に立っている特性の一つになっています。
「後から結果は自ずとついて来る、まずはやってみることが肝心」
この心構えを、いつまでも大事に持ち続けていきたいと思います。
次回は食事編です。
ここまでご愛読ありがとうございました。