気になる言葉（1）

今は書く時ではなく、読む時なのかもしれない。気になる言葉を書き留めておく。

以下、天童荒太「だから人間は滅びない」p.162から

自分への肯定感を持っているのは良いのだけれど、少子化の影響もあって、兄弟間で揉まれたり、年長の友達との間でつぶされたり踏まれたりしていないので、鍛えられていない脆弱な肯定感と言えるのでしょうね。自分自身も薄々それに気づいているから、自分を完全にさらして、「甘い」「青い」と言われる恐れのある相手や局面は避ける。根拠の乏しいプライドゆえに、少しの忠告でも傷つけられたように感じるし、そこからの立ち直り方も学んでいないから、傷つけられるのをすごく恐れていて、影響を受けることに臆病になっている。そのことが世界及び社会の分割感、孤立感とリンクしている。

中略

これは自戒を込めての感想ですが、我々は、もっと人生を彩ることを、自分自身に許しても良いのではないでしょうか。べつに値段の高いものを持つとかいうことではなく、ピンバッジ1つでもよくて、それをしまっておかず身に付けて人に会いに行く。それで話が弾んで、互いの世界が広がるきっかけになるかもしれない。人生を、生活を彩ることに対して、もっと自分を開いていく。それが、人と会うと言うことの豊かさにもつながっていく。

後略