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トランペット四重奏とオルガンによるバロック音楽の世界(延期)

※この公演は延期になりました。


ロシアが3月にロックダウンになり丸三ヶ月の外出禁止を経て7月初旬に臨時便で帰国してからもう4ヶ月も経ってしまった。
日本にいるとどうも自発的に文章を書く気が起こらない。それは外国にいる時のような生活や文化への驚きがないからなのかもしれないし、周りに常に日本語で話せる人達がいるから書く必要が無くなったのかもしれない。
梅雨から真夏を経てもう11月になるが紅葉はようやく始まったところで、日本は本当に季節が進むのだなと思い出した。夏から秋にかけて日本にいるのは2012年ぶりだ。まだ暑いうちに桜の葉が散っていったり、ススキとブタクサが茂っていたり。
秋はこんなに実りがあるというか、豊かなものだったかなと意外な気持ちになる。去年の今頃はブリヤートで毎日のようにバレエとオペラのリハーサルと本番があって大変だったなぁ、などと思い返すと、既にブリヤートが懐かしい思い出のようになってしまっていることに気づき少し寂しくなる。
ドイツにいた頃もそうだったが、移動してから数ヶ月経つと前までそこに暮らしていたことが幻だったかのように感じることがある。

ロシアの状況はずっとわからず、4月頃までは日本にいるかという話だったがロシアは最近毎日1万7千人感染者が増えているという状況だしヨーロッパは続々とロックダウン。ブリヤート劇場も一旦は開いたものの数週間閉鎖している。
年配の指揮者も感染してしまい、バレエダンサーもオペラ歌手も感染。劇場クラスターが起きている状態。そんな中で若い指揮者はノボシビリスクの劇場へ移籍してしまった。
良くなるどころかさらに混乱が深まっている。

日本での生活では演奏する仕事はストップしているため、実家の会社に勤めて建築と不動産の勉強をしている。新しい世界はとてもおもしろいし、今までに感じたことのなかった社会との繋がりも感じられる気がする。
トランペットは元から4、5時間と練習するような楽器でもないため練習は充分できているからとても充実した生活をできている。
そんな中で、結婚式を挙げた鎌倉泉水教会の牧師さんのご好意で、教会の礼拝堂でコンサートをさせていただけることになった。
メンバーは東京音大の同級生、麻生康平、桑田和典、高山航太とオルガニスト林クリスティーナさん。
同期とトランペットアンサンブルのコンサートをするというのはずっとやりたかったことで、このような形で遂に実現できることがとても嬉しい。
プログラムはバッハ、テレマン、コレッリ、アルビノーニ、ファッシュなど全てバロック音楽で、讃美歌も演奏する。
ドイツでは“Kirche Konzert“という教会コンサートが日常的に行われており、それで演奏したこともあった。バッハのクリスマスオラトリオだったり、ミサだったり。こういった音楽は教会で演奏して初めて成り立つものなのだなと知った。
ドイツで古楽器を使って4年間勉強したバロック音楽は1番自分を表現できると思う。一見形式ばっているようで、自由な音楽。バロック音楽は音楽家に任されている要素がより多いから、再現芸術ではないというところが好きだ。
その代わり何もしないとこの上なくつまらないものになるというところもおもしろいところだ。

フライヤーも自分でデザインした。フェルメールの絵画と縦書き。

そして妻も藝大の同級生の吉田開さんと逗子でデュオコンサートをすることになった。

※この公演は延期になりました


マリンバでのバッハや本格的な打楽器アンサンブルは逗子では中々聴けないものだ。
特に打楽器アンサンブルを聴いたことのない人はぜひ聴いてみていただきたい。普通のクラシックのコンサートとは全く違う印象を受けるだろう。

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齋藤友亨 Tomoyuki Saito
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